脳で発現する複数種の電位依存性ナトリウムチャネル遺伝子の変異が複数のてんかんで見いだされている. 特にSCNIAでは, 熱性けいれんプラスの1割, 重症乳児ミオクロニーてんかんでは7-8割の患者に変異が見いだされ, 変異の数もすでに100を上回る. これら変異がチャネル機能にもたらす変化が, 主にパッチクランプ法によって解析されてきたが, 皆が一致する見解に至っているとは言い難く, さらにはそれが何故どのようにしててんかん発症に至るかは依然明らかでない. ごく最近, SCNIAノックアウトマウスの作成が報じられ, また, 我々も, SMEIナンセンス変異ノックインマウスの作成に成功した. これらは, 発症機構の解明, 治療法の開発に大きく役立つものである.
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