脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
40 巻, 4 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
  • 稲垣 真澄
    2008 年 40 巻 4 号 p. 274
    発行日: 2008/07/01
    公開日: 2011/12/15
    ジャーナル フリー
  • 早川 克己
    2008 年 40 巻 4 号 p. 275-276
    発行日: 2008/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
  • 神山 潤
    2008 年 40 巻 4 号 p. 277-283
    発行日: 2008/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    子どもたちが夜眠れず, 昼間は眠い原因を「不適切な睡眠衛生」に基づく「睡眠不足症候群」と考えると, 適切な睡眠衛生のもと睡眠時間を確保することで改善するはずだが, この治療が実は困難である. 社会的因子の関与もあろうが, 筆者は不眠と眠気の悪循環に陥っている日本の子どもたちの病態生理解明に新たな疾患概念-失同調-の導入が必要と考えた. 失同調の本質は概日リズムを呈する様々な生理現象のリズムの破綻 (周期, 相互性, 振幅等) で, その原因として夜間受光と朝の受光喪失を想定した. 症状は自律神経機能異常, 高次脳機能異常, 精神神経症状, 身体機能異常等多岐にわたり, 初期には機能的な脳の障害も一部は固定化する場合があると考えている.
  • 秋山 千枝子, 昆 かおり, 堀口 寿広
    2008 年 40 巻 4 号 p. 284-288
    発行日: 2008/07/01
    公開日: 2011/12/15
    ジャーナル フリー
    発達障害児の状態に対する保護者と教師の認識の共有化を手助けする目的で, 特別支援教育制度で提案された判断基準などを参考に, 子どもの状態を知るための質問紙を作成した.「子ども相談室」を受診した45人の子どもについて, 保護者と教師が同じ質問紙に回答した. 保護者の回答では不注意に関する項目で, 教師の回答では多動と対人的なコミュニケーション能力の問題に関する項目で「問題がある」とする回答が多かった. これら3つの特徴を, 保護者と教師の認識に「ズレ」が生じやすい領域ととらえ, 重点的に情報を収集し診断と支援に活用すべきである.
  • 島川 修一, 山田 勝彦, 原 啓太, 田辺 卓也, 玉井 浩
    2008 年 40 巻 4 号 p. 289-294
    発行日: 2008/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    炎症性サイトカインはけいれん発症に促進的に働き, 熱性けいれん発症の原因と考えられている. 川崎病では血中, 髄液中サイトカインが上昇するといわれているため, 川崎病に合併するけいれん症状は熱性けいれんと類似点が多いと考えた. そこで2003年11月以降2年間に経験した川崎病経過中のけいれん症状について後方視的に検討した. けいれんを合併した川崎病症例は7例で, 5例は有熱時発作であった. 低年齢に多く, 短時間に反復し, diazepam不応例の存在, 部分発作が多いなど典型的な熱性けいれんの特徴とは異なった. 脳症の1症状としてけいれんを発症している症例も含まれ, けいれん発生機序が熱性けいれんと異なると考えた.
  • 林 優子
    2008 年 40 巻 4 号 p. 295-300
    発行日: 2008/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    高機能広汎性発達障害 (HFPDD) の学童32例の学校適応とリハビリテーションの視点による支援について検討した. 8例は学校適応が良好で, 就学前からの情報提供が有効であった. 学校での不適応のうち不登校・保健室登校の12例中10例が在籍学級へ登校可能になったが, 教育場面の変更が必要な例が多かった. 学校で問題行動のあった12例中9例が, 学校側の対応理解により著明に改善した. 保護者や学校と連携し, 早期から継続的な子どもの理解や環境整備などの支援を行うことが重要と考えられた. 改善困難は5例で, 本人の特徴の困難さによるものが3例, 家族の障害未受容に関連するものが2例であり, 今後さらに他機関と連携した支援が必要とされた.
  • 視覚系心理検査および視覚誘発電位の有用性
    古島 わかな, 稲垣 真澄, 軍司 敦子, 加我 牧子, 山崎 広子, 堀口 寿広
    2008 年 40 巻 4 号 p. 301-306
    発行日: 2008/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    副腎白質ジストロフィー (ALD) 18例 (前頭部優位F型3例, 後頭部優位0型10例, 無症状A型5例) の視覚系神経心理検査と視覚誘発電位 (VEP) を比較検討した. F型はwechsler系知能検査のVIQ, PIQとも低く, 0型, A型はPIQがVIQより低く, K-ABCの同時処理尺度得点が低いパターンを示した. 乖離の程度が強いA型3例ではFrostig視知覚発達検査の「形の恒常性」の低値があった. O型のVEPはP100潜時延長が目立ち, A型は3例で閃光刺激, 図形反転刺激ともに振幅高値を示した. 小児大脳型ALDの極早期の徴候を捉えるために, 視覚系認知機能と誘発電位検査の評価が有用と思われた.
  • 松崎 多千代, 松井 三枝, 中澤 潤, 市田 蕗子, 八木原 俊克
    2008 年 40 巻 4 号 p. 308-312
    発行日: 2008/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    Bayley乳幼児発達検査 (BSID-II) は先天性心疾患児の発達評価として世界的に使用されているが, 日本版は作成されていない. そこで, 本邦でのBSID-IIの導入を目的として, 1歳心疾患児と健常児にBSID-IIを施行した. その結果, 健常児の値は米国基準より低値であり, 心疾患児は我が国の健常児より運動発達全般が遅延していた. 津守式乳幼児精神発達質問紙では両群に得点差はなかった. BSID-IIと乳幼児精神発達質問紙には項目間の高い相関関係が確認された. BSID-IIを施行するにあたって翻訳上や用具等の問題はなく, 我が国でも乳幼児の発達評価として有用であることが示唆される.
  • 津田 芳見, 橋本 俊顕, 森 健治, 伊藤 弘道, 西村 美緒, 福本 礼, 近藤 郁子
    2008 年 40 巻 4 号 p. 313-318
    発行日: 2008/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    Rett症候群は自閉傾向, 早期発症する特異な常同行動, 知的障害を特徴とする神経発達障害であり, 女児に発症する.MECP2解析による遺伝子診断をされた3例を含むRett症候群4例に, 核磁気共鳴画像 (MRI), 脳血流single photon emission computed tomography (SPECT), プロトン核磁気スペクトロスコピー (1H-MRS) などの神経放射線学的検討を行った. 4症例ともMRS所見においてはN-acetylaspartate (NAA) の減少が認められ, さらに時間的経過とともにMRIにおける前頭部大脳皮質萎縮所見, SPECTにおける前頭葉脳血流低下所見が顕著になっていた. これはこれらの部位におけるNAAの減少が神経細胞の減少や神経活動の低下を反映していると考えられ, Rett症候群で報告されている神経病理学的所見とよく一致していた.
  • 坂本 慶, 宇梶 光太郎, 水野 勇司
    2008 年 40 巻 4 号 p. 319-323
    発行日: 2008/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    頭蓋内出血後遺症の23歳男性で, インフルエンザに合併した肺炎と胸水貯留による呼吸不全のため, 人工呼吸管理を要した. 気管気管支軟化症と壊死性気管炎を合併した. 気管気管支軟化症のため, 胸腔ドレナージだけでは胸水の排除ができず, 人工呼吸・器による強制陽圧換気の併用を必要とした. 経過中, 突然の低酸素状態をきたし, 緊急気管支鏡で壊死性気管炎と判明した. 壊死組織の除去とステロイド吸入療法で改善した. 気管気管支軟化症に対し, 胸骨部分切除術を行ったが, 術後合併症で死亡に至った. 壊死性気管炎は, 人工呼吸管理中の新生児だけでなく成人でも発生しうる. 気管気管支軟化症や壊死性気管炎は致命的となる合併症の一つであり, 的確な診断と対応が必要である.
  • 九鬼 一郎, 川脇 壽, 岡崎 伸, 池田 浩子, 富和 清隆
    2008 年 40 巻 4 号 p. 324-327
    発行日: 2008/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    先行感染としてノロウイルスが考えられた急性一側性動眼神経麻痺の4歳男児例を経験した. 複視を発症する3週間前にノロウイルスによる胃腸炎に罹患していた. 頭部造影MRI, 髄液検査で異常を認めず, 抗GQ1b抗体は陰性であった. 眼瞼下垂, 眼球運動障害が急速に進行し, ステロイドパルス治療3クール (methylpredonisolone30mg/kg×3day/クール) を施行, vitamin B6内服を併用した. 治療開始後数目で自律神経障害 (瞳孔不同, 対光反射消失) が回復し, 次いで外眼筋麻痺 (眼瞼下垂, 上下転障害, 内転障害の順) が回復し, 1カ月で治癒した. 従来の特発性動眼神経麻痺は自然治癒を期待できるとされているが, 臨床症状が重症あるいは進行性で免疫学的機序が推測される症例にはステロイドパルス療法を一考すべきと考えられた.
  • 延時 達朗, 高橋 純哉, 庵原 俊昭
    2008 年 40 巻 4 号 p. 328-332
    発行日: 2008/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    歳男児, 生来健康で発達に問題なく, 熱性けいれんの既往やてんかんの家族歴は認めない. 発熱を伴わない軽微な咳噺のため, theophyllineを初めて内服した翌日に急な嘔吐, けいれん発作を来し搬送された. 血中濃度は19.7μg/ml, けいれんはdiazepam静注で頓挫したが, 持続する意識障害を認めたため, 連続脳波モニター検査を行った. 右大脳半球優位に連続する棘波, 棘徐波を認め, 非けいれん性てんかん重積と診断した. Midazolam静注計0.5mg/kgにて連続性の発作波は次第に右中心から後頭領域に限局する傾向を呈した. 引き続き持続静注療法 (0.2mg/kg/hr) を行い, 翌日には発作波は完全に消失, 神経学的後遺症なく回復した. 本例では, theophylline内服により側頭葉内に過剰興奮が生じ, 最初に複雑部分発作を発症, そして, 過剰, 興奮が急速に両側大脳半球に伝播した結果, 全身性けいれんが生じたこと, さらにdiazepam静注により, 発作波が右大脳半球内に狭まったために複雑部分発作重積状態 (CPSE) に進展した可能性が推測された. したがって, theophylline関連けいれんでは, けいれん頓挫後でも非けいれん性てんかん重積 (NCSE) を発症する可能性に対して, 注意深い観察が重要であると考えられる. これまで同製剤により誘発された非けいれん性てんかん重積は文献上1例報告されているが, このような重大な副作用を来す可能性に対し, 今後さらに留意する必要があると考えられた.
  • 山本 仁, 林 雅晴
    2008 年 40 巻 4 号 p. 333-334
    発行日: 2008/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    日本小児神経学会薬事委員会および酸化ストレスと小児神経疾患研究会が協同し, 脳保護剤であるedaravoncの小児使用例に関する全国調査を行った. Edaravoneの臨床使用が開始 (2001年) されてからの小児使用例についてのアンケート調査票を, 2007年春, 日本小児神経学会評議員210名, 日本小児神経外科学会世話人および小児神経疾患を扱っている脳外科医54名, 合計264名に送付した. 163名 (62%) より回答が得られ, 22名から68例の使用例が報告された.使用された対象年齢は4ヵ月から12歳, 使用量は0.5~1.0mg/kg/day (最大60mg/day) であった. また, 投与回数は, 1口2~9回に分割されていた. 投与された疾患の内訳は, もやもや病26例 (39%), 他の脳血管障害23例 (35%), 急性脳炎・脳症13例 (19%), その他, ミトコンドリア脳筋症 (MELAS), 低酸素性虚血性脳症 (HIE) などであった. 2007年夏, 一次調査で使用経験ありと同答した施設に対し, 小児脳梗塞に対する各施設での治療の現状とedaravone治験に対する施設対応に関し, 二次調査を行ったところ, 9割近くの医師が治験参加意志ありと回答した.
  • 山本 敦子, 由井 崇子, 小林 賢司, 川野 豊, 林 雅晴
    2008 年 40 巻 4 号 p. 334-336
    発行日: 2008/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    日齢2に右上肢主体のけいれん発作で発見された新生児脳梗塞の1例を経験した. 頭部CTで, 左前頭葉・側頭葉に低吸収域を認め, 動脈灌流域に一致しない病変分布から左中大脳動脈のshowerembolismによる梗塞と推定された. 心房中隔欠損 (ASD) を伴うEbstein奇形が見られ, 奇異性脳塞栓症と類似した右-左シャントが発症に関与したものと考えられた. 新生児脳梗塞は症例数も少なく原因を特定できないことが多い. 一方, 成人領域では原因不明の脳梗塞に卵円孔開存による奇異性脳塞栓症が数多く含まれる. 本例の経過から, 奇異性脳塞栓と同様の機序による脳梗塞が出生直後の新生児でも起こりうる可能性が示された.
  • 中国・四国地方会 , 九州地方会
    2008 年 40 巻 4 号 p. 342-345
    発行日: 2008/07/01
    公開日: 2011/12/15
    ジャーナル フリー
feedback
Top