神経伝達の視点から注意欠陥/多動性障害 (attention deficit hyperactivity disorder; AD/HD) の病態をみると, 前頭葉-尾状核・被殻・淡蒼球におけるドパミン神経系の機能異常が主体で, これにノルアドレナリン神経系, セロトニン神経系の異常が関与していると考えられる.一方, 自閉症スペクトラム障害 (autism spectrum disorders;ASD) では, セロトニン神経系の異常が基盤にあり, 細胞異動の障害, 抑制性神経伝達と興奮性神経伝達の不均衡, シナプスの形成・刈り取りの異常が関与していると考えられる.ASDに対する今後の研究は, セロトニン, グルタミン酸の神経伝達の異常と, reelin, neureXin, neuroliginなどを中心に展開して行くであろう.
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