脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
41 巻 , 2 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
巻頭言
インタビュー・新理事長に聞く
総説
  • 松尾 雅文
    2009 年 41 巻 2 号 p. 92-95
    発行日: 2009年
    公開日: 2016/05/11
    ジャーナル フリー
     Duchenne型筋ジストロフィー (DMD) は男児3,500人に1人が発症する最も頻度の高い遺伝性進行性筋萎縮症である. DMDはジストロフィン遺伝子の異常に起因する筋肉のジストロフィン欠損を特徴とする. 多くのDMDでは, このジストロフィン欠損はジストロフィン遺伝子のエクソン単位の欠失の異常によりジストロフィンmRNAのアミノ酸読み取り枠にずれを生じ (アウトオブフレーム), mRNA上にストップコドンが新たに出現し, ジストロフィン合成が翻訳の途中で停止してしまうために生じる. また, 1部のDMDではジストロフィン遺伝子の1塩基置換のためにナンセンス変異を生じ, ジストロフィンの合成が停止し, そのためにジストロフィンが欠損する.
     現在DMDの治療としてジストロフィン遺伝子のエクソン欠失に対してはエクソンスキッピング誘導治療が, ナンセンス変異に対してはリボソーマルリードスルー誘導治療が提唱されている. ここではDMDの治療の最近の動きについて紹介する.
特集 第50回日本小児神経学会総会
特別講演
  • 岩田 誠
    2009 年 41 巻 2 号 p. 96-99
    発行日: 2009年
    公開日: 2016/05/11
    ジャーナル フリー
     「脳の世紀」と名付けられた21世紀の脳科学の行き先には, ヒトの「こころ」のメカニズムの解明という大きな目標が掲げられてきた. 楽観的な脳科学者たちが, 「こころ」のメカニズムの解明まではあと一歩だと述べているのにもかかわらず, 今日の社会の中では, ヒトの「こころ」についての疑問は増えていく一方であり, 納得のいかない社会現象に戸惑いを感じることが多い. 本来, ヒトの世の全ての営みは, ヒトの脳によって実現されていると言っても過言ではないはずなのに, これらのような今日の脳科学では説明困難な現象がかくも多いのは何故か, どうすれば脳科学によって「こころ」の解明に近づくことができるのかについて考えてみたい.
シンポジウムⅡ:新生児神経学トピックス
  • 早川 昌弘, 新島 新一
    2009 年 41 巻 2 号 p. 100-102
    発行日: 2009年
    公開日: 2016/05/11
    ジャーナル フリー
  • 平澤 恭子
    2009 年 41 巻 2 号 p. 103-109
    発行日: 2009年
    公開日: 2016/05/11
    ジャーナル フリー
     新生児医療における最大の目標は新生児期の脳障害を防ぎ, 神経学的後遺症を最小限にし, 発達予後を改善することにある. 新生児医療における児のモニターは循環や呼吸におけるものが主体であったが, 最近は脳波による脳機能モニターが臨床に取り入られるようになり, その有用性について論じられるようになってきた. この脳機能モニターには, 一般的にはamplitude integrated EEG (aEEG) が用いられている. aEEGでは脳波の振幅の変化の傾向などから脳波の連続性, 周期性などを読むことが可能であり, 未熟児の脳波の成熟度などの判定が可能である. そして, aEEGを使った脳機能モニターは, 仮死産児や未熟児における脳障害の存在の指標になり, また, 長時間のモニターによってsubclinical seizureを捉えることができることなどが報告されている. 今後, 新生児医療における脳障害の予防的処置やその評価などを行っていく上で非常に有用な方法となると思われる.
  • 清水 正樹
    2009 年 41 巻 2 号 p. 111-117
    発行日: 2009年
    公開日: 2016/05/11
    ジャーナル フリー
     新生児の低酸素性虚血性脳症 (HIE) は, 新生児仮死や急性呼吸循環不全に起因する脳循環障害により, 脳内エネルギー代謝障害が起こり, 脳性麻痺, てんかん, 精神運動発達障害など恒久的な脳障害へ発展する重篤な疾患である. HIEに対する新生児脳低温療法が臨床応用されるようになり, HIEに対する治療戦略が大きな転換期を迎えた. 一方, HIEに対する様々な薬物療法が研究されている. フリーラジカル消去剤は, HIEの病態メカニズムからすると十分にその効果が期待される薬剤である. 新生児脳低温療法とフリーラジカル消去剤との併用療法が, HIE症例とその家族に対して, より良い福音となる可能性があるかもしれない.
  • 城所 博之
    2009 年 41 巻 2 号 p. 118-123
    発行日: 2009年
    公開日: 2016/05/11
    ジャーナル フリー
     過去20年で新生児医療は超低出生体重児の生存率を80~90%にまで上昇させた. 一方で, 脳性麻痺や精神発達遅滞などの後障害は減少したとはいえない. また, 長期追跡することで, 就学後に学習上の, 行動上の, あるいは心理的な問題も高率に発生することが分かってきた. 最近のMRIを用いた研究により, このような高次脳機能障害はすでに新生児期MRIの微細な画像異常と関連し, 青年期のMRIでは海馬や前頭葉の容量減少と関連することが明らかにされた. 新生児期に受ける低栄養や低酸素, 感染・炎症といったストレスが未熟脳の正常発達を阻害し, 将来の構造的ならびに機能的異常をもたらすことが推察される. この点を具体的に明らかにすることが当面の課題である.
ワークショップ
夜間集会Ⅳ:社会活動委員会シンポジウム
夜間集会Ⅴ:薬事委員会シンポジウム
短報
報告
feedback
Top