急性脳症はその発症初期において, けいれん重積や高熱せん妄との鑑別に困難を伴うため, 何らかの生化学的指標が望まれている. インフルエンザ脳症では病初期から高サイトカイン血症が生じており診断の際に重要だが, 測定施設は限られている. β2-microglobulin (B2MG) はサイトカインの産生を反映するため, 急性脳症で高サイトカイン血症が発生した場合に異常高値を示すことが予想される. しかし, B2MGを評価することがインフルエンザ脳症をはじめとする急性脳症の診療に有用か否かを検討した報告はこれまでにない. 私たちは中枢神経症状を呈した発熱性疾患14例で新鮮尿中のB2MGを1~6病日に測定し, 診療上の有用性について検討した. クレアチニン比の尿中B2MG (μg/g Creatinine) は, 熱性けいれんは5例で平均0.48×10
4, けいれん重積は4例で平均0.46×10
4, 高熱せん妄は3例で平均0.77×10
4, 急性脳症は2例で平均21.74×10
4であった. 急性脳症は2例とも尿中B2MGが著しく高値であり, このうち1例は1病日から高値を示していた. 尿中B2MGは高サイトカイン血症に伴う急性脳症の診療において, 病態を推測するための生化学的な手がかりとなる可能性があり, 今後検討する価値があると考えた.
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