脳と発達
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42 巻 , 3 号
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巻頭言
総説
  • 佐々木 正美
    2010 年 42 巻 3 号 p. 179-183
    発行日: 2010年
    公開日: 2015/11/21
    ジャーナル フリー
     自閉症スペクトラム障害を含めた発達障害は, 過去の長い歳月正しく理解されずにきた. 養育, 治療, 教育等の支援や対応がきわめて不適切になされてきた結果, 当事者の情緒や行動の面に, 二次障害としての非社会的・反社会的特性を顕在化させる事例を, 数多く生み出すことになった. 本稿では現時点での臨床的・神経心理学的理解の到達点と養育・教育的支援の方策を概説して, 思春期をより平穏に乗り越え, 二次障害を回避するばかりでなく, 自立的な活動や適応にいたるための道筋の基本原理を解説する.
特集 第51回日本小児神経学会総会
特別講演
  • 定藤 規弘
    2010 年 42 巻 3 号 p. 185-190
    発行日: 2010年
    公開日: 2015/11/21
    ジャーナル フリー
     脳機能画像法は, ある心的過程と特定の脳構造を非侵襲的に対応付ける (脳定位) 有力な手法である. 社会能力発現機構とその発達の理解は, 心理学モデルの構成と検証にかかっている. 脳機能画像法は, 脳という場を制限条件として与えることにより, 心理モデルの構成と検証に寄与する. 通常心理モデルは, ある心的過程 (ならびに付随する行動) を説明するために形成されるが, その心的過程に対応する脳構造から得た情報を用いてモデル形成が可能となる. この際, その脳構造に関する現在の脳科学全般の知識を利用することができる. この点で, 脳機能画像法は, 現在膨大な知見の集積しつつある脳科学領域の情報を, 人間の発達心理学に結びつけるための接点を形成し, 脳科学を基盤とした発達コホート研究において重要な役割を果たす.
シンポジウムⅣ:自閉症スペクトラムへの対応―児の将来を念頭に
  • 橋本 俊顕, 井上 雅彦
    2010 年 42 巻 3 号 p. 191-192
    発行日: 2010年
    公開日: 2015/11/21
    ジャーナル フリー
  • 井上 とも子
    2010 年 42 巻 3 号 p. 193-198
    発行日: 2010年
    公開日: 2015/11/21
    ジャーナル フリー
     高機能広汎性発達障害幼児が小学校の通常の学級に就学した場合, 学習環境の変化の大きさに戸惑い混乱し, その対人対応面の幼さゆえに集団学習や学校生活が円滑に進まない状況が多々見られる. この就学と同時に起こる戸惑いを軽減するために, そして, その後の学校生活を安全で豊かなものにするために, 就学前指導と小学校への引き継ぎが必要であると考えられる. ここでは, 小集団活動を通じ, 子ども同士の関わりや遊びをプログラムに組み込み, 学習態勢づくりと対人対応改善を目指した指導実践を報告し, 幼児期からの就学に向けた心理・教育学的対応の必要性について述べる.
  • 森 健治
    2010 年 42 巻 3 号 p. 199-203
    発行日: 2010年
    公開日: 2015/11/21
    ジャーナル フリー
     自閉症の様々な症状からその生化学的異常の候補として神経伝達物質などが, 分子生物学的および神経放射線学的に詳しく調べられている. しかし, すべての自閉症患者に共通する生化学的異常はまだ見出されていない. 本稿では自閉症に関連するセロトニン神経系, ドパミン神経系, GABAニューロン, オキシトシン神経, メラトニンについて概説するとともに, 薬物療法の開発の現状について紹介した. 特にGABAニューロンに関しては, 1H-MRSを用い前部帯状回にてGABA濃度が自閉症で低下していることを明らかにした. このような研究により自閉症の本態が解明され, 自閉症の中核症状に対する薬物療法が開発されることが期待される.
  • 常松 美保子, 汐田 まどか, 北原 佶
    2010 年 42 巻 3 号 p. 204-208
    発行日: 2010年
    公開日: 2015/11/21
    ジャーナル フリー
     鳥取県立総合療育センターで実施しているバイキング方式のペアレント・トレーニング「ペアレンジャー養成講座」について, 従来のシリーズ方式のプログラムと比較しながら紹介した. ペアレンジャー養成講座は, 保護者が主体的に自信をもって子どもと関われるようになることを目的としており, メンバーの入れ替わりがあるグループや, モチベーションが高くない参加者にも対応しやすいプログラムである. シリーズ方式に比べると学べる内容に制限があるが, 養育不安の減少, 基本的受容の増加などに効果があり, シリーズ方式の実施が困難な場合にも, 子どもへの関わり方を学ぶ入門編のプログラムとして広く適用できる.
  • 井上 雅彦
    2010 年 42 巻 3 号 p. 209-212
    発行日: 2010年
    公開日: 2015/11/21
    ジャーナル フリー
     自閉症スペクトラム児を含め発達障害のある子どもたちが不登校や引きこもりなどの二次障害を呈してしまう事例が多く紹介されるようになってきた. 発達障害のある子どもやその特性を持つ子どもの二次障害については, それを予防することが最も重要であり, そのためには障害特性への気づき, 診断, 早期支援, 家族支援とともに特別支援教育が地域でうまく機能することが重要である. また, 二次障害に陥ってしまった事例については発達障害の特性に配慮し, 早期に専門機関と連携した積極的な対応や治療が必要となる. 二次障害の予防と治療という観点からそのシステムの課題について論じた.
夜間集会Ⅰ:薬事委員会シンポジウム
夜間集会Ⅱ:社会活動委員会主催
夜間集会Ⅲ
夜間集会Ⅳ
夜間集会Ⅴ
夜間集会Ⅵ:薬事委員会主催
短報
  • 權藤 健二郎, 花井 敏男, 武本 環美, 水野 由美
    2010 年 42 巻 3 号 p. 233-234
    発行日: 2010年
    公開日: 2015/11/21
    ジャーナル フリー
     急性脳症はその発症初期において, けいれん重積や高熱せん妄との鑑別に困難を伴うため, 何らかの生化学的指標が望まれている. インフルエンザ脳症では病初期から高サイトカイン血症が生じており診断の際に重要だが, 測定施設は限られている. β2-microglobulin (B2MG) はサイトカインの産生を反映するため, 急性脳症で高サイトカイン血症が発生した場合に異常高値を示すことが予想される. しかし, B2MGを評価することがインフルエンザ脳症をはじめとする急性脳症の診療に有用か否かを検討した報告はこれまでにない. 私たちは中枢神経症状を呈した発熱性疾患14例で新鮮尿中のB2MGを1~6病日に測定し, 診療上の有用性について検討した. クレアチニン比の尿中B2MG (μg/g Creatinine) は, 熱性けいれんは5例で平均0.48×104, けいれん重積は4例で平均0.46×104, 高熱せん妄は3例で平均0.77×104, 急性脳症は2例で平均21.74×104であった. 急性脳症は2例とも尿中B2MGが著しく高値であり, このうち1例は1病日から高値を示していた. 尿中B2MGは高サイトカイン血症に伴う急性脳症の診療において, 病態を推測するための生化学的な手がかりとなる可能性があり, 今後検討する価値があると考えた.
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地方会
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