小児期発症アミン系神経系伝達物質異常症にはプテリジン代謝異常症, チロシン水酸化酵素 (TH) 異常症がある. 前者に属す瀬川病では, ドパミン (DA) ニューロン終末部TH, すなわちDAが低下, 10歳以前に発症, 終末部THの経年齢減衰性変化に従い症状が進行するが, 20歳台で定常状態となる. 形態異常は伴わず, l-Dopaによく反応する. これらの疾患にみるセロトニン (5-HT), ノルアドレナリン (NA) 神経系の活性低下にも同様の病態が推定される. 一方, 乳児期早期発症例では, 5-HT, NA活性の著明低下に起因した脚橋被蓋核の活性低下が黒質と腹側被蓋野DA活性低下をもたらし, 中枢神経系発達障害, 高次機能障害をもたらす.
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