脳と発達
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44 巻 , 2 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
巻頭言
座談会
特集 第53回日本小児神経学会総会
会長講演
  • 児玉 浩子
    2012 年 44 巻 2 号 p. 107-112
    発行日: 2012年
    公開日: 2014/12/25
    ジャーナル フリー
     Menkes病, occipital horn症候群は, ATP7A遺伝子異常症で, 重篤な銅欠乏障害を来す. Menkes病では, 早期の銅皮下注射で神経症状はある程度予防できる. 新生児マススクリーニングや新規治療法が, 今後の課題である. Occipital horn症候群は, 現在有効な治療法が報告されていない. Wilson病は, ATP7B遺伝子異常症で, 銅蓄積による障害を来す. 症状は, 肝障害, 神経障害, 血尿など多彩で, 診断が遅れる. キレート薬などの治療法はあるが, しばしば耐薬で重篤化する. 神経型では, 治療初期に神経症状の悪化がみられる. また, 肝癌発症が指摘されている. これらの問題への対応が今後の課題と思われる.
シンポジウム1:小児の頭痛Update
  • 藤田 光江, 安藤 直樹
    2012 年 44 巻 2 号 p. 113-114
    発行日: 2012年
    公開日: 2014/12/25
    ジャーナル フリー
  • 桑原 健太郎
    2012 年 44 巻 2 号 p. 115-118
    発行日: 2012年
    公開日: 2014/12/25
    ジャーナル フリー
     わが国の成人頭痛患者数は約3,000万人で片頭痛は840万人 (15歳以上の8.4%) とされる. わが国の小児の大規模調査は少なく, 疫学的実態は不明な点が多い. 2007年に東京都文京区で8,937人 (小学生6,773人, 中学生2,164人), 2009年に東京都荒川区で10,799人 (小学生7,809人, 中学生2,990人) に頭痛疫学調査を施行した. 有病率は片頭痛は文京区で小学生7.9%, 中学生13.2%, 荒川区で小学生7.5%, 中学生17.2%, 緊張型頭痛は文京区で小学生8.4%, 中学生10.4%, 荒川区で小学生3.7%, 中学生7.0%であった. 片頭痛の生活支障度は緊張型頭痛に比べ高く, 年間欠席日数も多かった.
  • 荒木 清
    2012 年 44 巻 2 号 p. 119-124
    発行日: 2012年
    公開日: 2014/12/25
    ジャーナル フリー
     小児・思春期頭痛診療の現状と今後の課題, および片頭痛を中心とした一次性頭痛の診療の実際につき概説した.
     頭痛診療のスタートは, 国際頭痛分類第2版に基づいた正確な診断である. 片頭痛の治療は, 生活指導などの非薬物療法→急性期治療はacetaminophen, ibuprofenで始め→頭痛ダイアリーの記載→経過観察で開始が原則である. 小児科医による小児頭痛診療の現実は, 体系化にはいまだ遠い. 地域社会に対する啓蒙活動, 学校との密な連絡, 医師会や病院間との連携, 若手小児科医に対する教育などが今後の緊急課題である. 小児神経学会会員の皆様に, 今後の小児頭痛診療の担い手になっていただけると幸いである.
  • 疋田 敏之
    2012 年 44 巻 2 号 p. 125-128
    発行日: 2012年
    公開日: 2014/12/25
    ジャーナル フリー
     小児周期性症候群は国際頭痛分類第2版で片頭痛に分類されている. その中に周期性嘔吐症 (CV), 腹部片頭痛 (AM), 小児良性発作性めまい (BPV) が含まれる. いずれの疾患も診断の決め手となる検査はなく, 臨床経過と発作の特徴および器質的疾患の否定後に診断される. CVの頻度は白人で2%との報告があり, 国内の報告も多い. 海外の報告でAMはありふれた疾患とされ, AMの有病率は1~4%との報告がある. BPVは海外の報告によると学童での有病率は2.6%である. しかし, AMもBPVも国内での報告は少ない. もし, 概念が浸透していないために診断されていないのであれば, 適切に診療される例が増えることを願う.
  • 安藤 直樹
    2012 年 44 巻 2 号 p. 129-134
    発行日: 2012年
    公開日: 2014/12/25
    ジャーナル フリー
     頭痛を主訴に外来を受診する小児の大半は, 片頭痛・緊張型頭痛に代表される一次性頭痛である. しかし, 中には画像検査の結果, 頭痛の原因が判明することを時に経験する. その基礎疾患の治療により頭痛が軽快することで, 二次性頭痛の診断がより明確となる. 小児の二次性頭痛で頻度が多いのは頭頸部外傷による頭痛と感染症による頭痛である. これらの頭痛は問診や診察で診断可能であり, 日常診療で困ることは少ない. 本稿では小児に潜む二次性頭痛として, もやもや病, 視神経腫瘍, 環軸椎回旋位固定, 総胆管拡張症, 脳脊髄液減少症を取り上げ, 経過および画像を提示する. また, 頭痛治療の上で重要な共存症についても概説する.
  • 安島 英裕
    2012 年 44 巻 2 号 p. 135-139
    発行日: 2012年
    公開日: 2014/12/25
    ジャーナル フリー
     小児頭痛診療は小児科医が行うべきです. 小児頭痛外来受診者の80~90%は心身症を含む身体疾患で, 約80%が片頭痛ですが, 半数以上に何らかの共存症を有します. 受診者の約40%が起立性調節障害で, 約15%が鼻副鼻腔炎で, これらを治療した後に頭痛の再評価が必要です. これら二次性頭痛の共存が高頻度であるがゆえに, 小児頭痛は複雑で分かりにくく難治となり, 小児頭痛の大部分が心因性であるとの誤解も生じます. 通常の小児科診療では軽快せず, 不登校となり, カウンセリングなど心身医学専門医や精神科医との連携を要するものは小児頭痛外来受診者の10~20%です.
パネルディスカッション
教育セミナー
緊急フォーラム
短報
  • 小野 浩明
    2012 年 44 巻 2 号 p. 153-154
    発行日: 2012年
    公開日: 2014/12/25
    ジャーナル フリー
     ビタミンKは骨代謝に関与する物質の一つである. 血中の低カルボキシル化オステオカルシン (undercarboxylated osteocalcin ; ucOC) は骨におけるビタミンK作用不足を示すマーカーとして注目されており, 骨粗鬆症患者での骨折リスクの予測, ビタミンK製剤による治療適応, 効果判定などに利用されている.
     成人重症心身障害児 (者) では様々な要因による骨脆弱性により容易に骨折に至る場合が多い. 各種薬剤による治療が試みられているが, 未だ確立された予防法はない. 今回, 成人重症心身障害児 (者) の血中ucOC濃度を測定し, ビタミンKの骨への利用状態を評価した. 7例中6例でucOC高値を認め, その内5例にビタミンK製剤を投与し, 3例でucOC低下を確認した. 成人重症心身障害児 (者) では骨のビタミンK作用不足は存在し, ビタミンK補充がucOCを低下させうることが判明した. 血中ucOC濃度測定は成人重症心身障害児 (者) の骨折予防および治療管理に有用なマーカーとなる可能性が示唆された.
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