脳と発達
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44 巻 , 3 号
選択された号の論文の19件中1~19を表示しています
巻頭言
特集 第53回日本小児神経学会総会
基調講演
  • 金澤 一郎
    2012 年 44 巻 3 号 p. 185-189
    発行日: 2012年
    公開日: 2014/12/25
    ジャーナル フリー
     我が国の難病政策は先進各国の中でも著しく進んでいるとされている. 昭和47年当初は研究の対象を難病と呼び, 調査研究を行う4疾患, 研究協力の見返りとして治療費を国庫が負担する4疾患であったが, その後, 対象疾患が次第に増加してゆき, 現在では, 前者が53疾患, 後者が130疾患になっている. これだけをみると, この制度は極めてうまくいっているように見えるが, 実際には大きな問題をいくつか抱えている.
     以下に成人の難病対策がたどった道, 小児の難病への対策とその小史, 難病対策の現状と問題点, 新しい治療研究事業の在り方についての提案を述べる.
シンポジウム4 重症心身障害児―この子たちの24時間の医療と生活をどうケアし支えていくか―
  • 田中 総一郎, 小沢 浩
    2012 年 44 巻 3 号 p. 190-192
    発行日: 2012年
    公開日: 2014/12/25
    ジャーナル フリー
  • 冨田 直, 小沢 浩
    2012 年 44 巻 3 号 p. 193-198
    発行日: 2012年
    公開日: 2014/12/25
    ジャーナル フリー
     当院と東京都多摩地区の在宅重症心身障害児 (以下, 重症児) 医療の現状について述べた. 在宅重症児の地域医療連携のために2008年多摩療育ネットワークが発足した. 院内では, 主に在宅移行支援を目的とした多職種参加のチーム医療を行っている. 重症児医療施設が他地区と比較して恵まれている多摩地区であるが, レスパイト施設の不足や地域医療機関との連携不足など在宅重症児医療が抱える問題点は多い. 今後, その解決のために重症児医療の標準化や, 成人医療機関も含むより大きな地域医療連携が必要である. また, 長期入所施設不足など解決困難な課題にはネットワークや学会など組織による長期的視点を持った行政への働きかけが必要である.
  • 難波 玲子
    2012 年 44 巻 3 号 p. 199-204
    発行日: 2012年
    公開日: 2014/12/25
    ジャーナル フリー
     神経疾患を対象とする訪問診療所の立場から, 成人の在宅医療について事例を交えて紹介した. 進行性疾患が95%を占め, ほとんどが介護度4, 5で, 人工呼吸療法26%, 胃瘻40%など, 医療処置を受けている患者が多い. 在宅医療の目標は, 患者・家族のQOLをできるだけ維持・向上させる支援であり, 終末期ケアや在宅での看取りも重要な課題である. 患者・家族が安心して在宅生活を送るためには, 療養方針の確立, チーム医療, 迅速・適切な対応が必須である. 医療技術の発達により延命が可能になったが, どこまでの医療処置を選択するかは大きな問題である. 成人では, 自己決定が原則であり, 特に人工呼吸療法と経管栄養は選択しない場合, 死に直結し, 非常に厳しい選択であるが避けては通れない. 神経疾患における終末期の苦痛緩和についても紹介した.
  • 髙橋 昭彦
    2012 年 44 巻 3 号 p. 205-210
    発行日: 2012年
    公開日: 2014/12/25
    ジャーナル フリー
     人工呼吸器管理, 経管栄養, 気管切開などの医療的ケアが必要な子どもが地域で増えてきているが, 小児の在宅医療や福祉制度は十分とはいえず家族に過重な負担がかかっている.
     ひばりクリニック併設の重症障がい児者レスパイトケア施設うりずんでは, 医療的ケアが必要な子どもの日中預かり (レスパイトケア) を行っている. レスパイトケアは家族の休息につながるだけでなく, 子どもにとっても自分のケアを他人に委ねる貴重な機会となる.
     地域の診療所で行うレスパイトケアは経営的に厳しいが, 子どもと家族の暮らしを支えるためには, レスパイトケアとともに相談支援, 訪問看護, ホームヘルプの仕組みが必要である.
  • 宍倉 啓子
    2012 年 44 巻 3 号 p. 211-216
    発行日: 2012年
    公開日: 2014/12/25
    ジャーナル フリー
     朋は重症心身障害者通所施設であり, 現在の重症児 (者) 通園・通所事業のパイオニアである. 朋は医療の傘下にない重症者通所施設であったが, 増える医ケア, キャリーオーバーに対する小児神経専門外来の必要性などから, 平成5年, 朋診療所が開設された. 以来キャリーオーバーの医療, 医療的ケア (医ケア), ケアホーム, 緩和ケアなどにつき様々な実践報告を行ってきた. 最近post NICU長期入院児を在宅へ帰す動きが活発になっている. また, 平成22年, 介護職の医ケア解禁も決まり, 自立支援法も廃案になることが決定, 障害者総合福祉法 (仮称) が平成25年にスタートする予定である. これらは今後, 在宅重症児 (者) に大きな影響を与えると思われる. この視点から, 朋診療所から3つの発信を行った. その概要を報告する.
ワークショップ2
イブニングセミナー1:産科医療補償制度検討委員会主催
イブニングセミナー2:薬事委員会主催
イブニングセミナー3
モーニング教育セミナー1:共同研究支援委員会主催
モーニング教育セミナー2
原著論文
  • 吉永 治美, 小林 勝弘, 遠藤 文香, 石崎 裕美子, 柴田 敬, 大塚 頌子
    2012 年 44 巻 3 号 p. 239-243
    発行日: 2012年
    公開日: 2014/12/25
    ジャーナル フリー
     早産児に乳児期早期にみられた特異な不随意運動について検討した. この不随意運動は, 両上下肢を左右非対称にばたばたと不規則に動かす運動で, ballism, chorea様であり, いわゆるjitteriness様であった. ほぼ全例に小脳の低形成または小脳下部の欠損を認め, ほとんどが在胎27週未満出生であった. 29週以上の早産児, 大脳の障害のみの症例, 左右非対称のcystによる小脳圧排の症例では, この不随意運動はみられなかった. この不随意運動は修正3カ月頃から出現し, 特に坐位獲得を妨げるようであり, これを示した症例は後に重度のアテトーゼ型の脳性麻痺になった. 近年, 超低出生体重児における小脳障害が注目されているが, この特異な不随意運動は小脳障害の存在を示す指標となり得ると思われる.
症例報告
  • 佐藤 孝俊, 伊藤 康, 小国 弘量, 衛藤 薫, 藤井 明子, 大澤 真木子
    2012 年 44 巻 3 号 p. 244-248
    発行日: 2012年
    公開日: 2014/12/25
    ジャーナル フリー
     12歳男児. 4歳時より, 走行中や遊んでいる最中に, 手足が硬直する発作が出現した. てんかんと診断されたが, 多くの抗てんかん薬は無効であった. Clorazepate開始後, 3年間発作は消失していたが, 8歳時に再発. 持続運動の最中に出現する四肢の硬直であり, 精神的ストレスや疲労で増悪した. 発作時ビデオ脳波同時記録で発作性労作誘発性ジスキネジアと診断. L-dopa/carbidopaや抗てんかん薬は無効で, hydroxyzine投与が発作の減少に有効であった. 本邦での本症の報告例は少なく, 小児例は初の報告となるが, 他の発作性ジスキネジアとして報告されている可能性もある.
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地方会
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