脊髄性筋萎縮症は, 発症年齢と重症度に基づきI型, II型, III型に分類される. 今回我々は0型といえる最重度の症例を経験した. 症例は2カ月, 女児. 在胎41週2日に出生, 出生直後より呼吸不全, 筋緊張低下, 哺乳不良を認めた. 当科入院時は著明な筋緊張低下, 筋力低下, 胸郭の変形, 四肢の関節拘縮, 嚥下不能, 誤嚥性肺炎を認めた. 舌の線維束性収縮を認め, 深部腱反射は消失し, 運動神経伝導速度検査ではM波の出現なく有意な筋収縮を認めなかった. 遺伝子検査より
SMN遺伝子,
NAIP遺伝子の欠失を認めた. 最重度の経過であり, 胎児期発症と考えられ, 脊髄性筋萎縮症0型と診断した. 0型の報告は少なく, 若干の考察も含めて報告する.
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