脳と発達
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45 巻 , 2 号
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巻頭言
特集・第54回日本小児神経学会総会
テーマ企画4:自己免疫性脳炎Up-to-Date:自己免疫性脳炎の診断と治療
  • 林 雅晴, 水口 雅
    2013 年 45 巻 2 号 p. 97-98
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
  • 高橋 幸利
    2013 年 45 巻 2 号 p. 99-105
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
     非ヘルペス性急性辺縁系脳炎を代表とする神経細胞表面抗原に対する自己抗体の関与する脳炎では比較的予後が良いとされる. 非ヘルペス性急性辺縁系脳炎の抗NMDA型glutamate receptor (GluR) 抗体は, NMDA型GluRの内在化により脳炎症状を起こすと考えられているが, シナプス外NMDA型GluRの内在化により, グルタミン酸などによるGluR活性化—アポトーシス (興奮毒性) を抑制, 予後を改善している可能性がある. シナプスのNMDA型GluRは内在化されにくく, cAMP-response-element-binding-proteinリン酸化が保持され, 細胞生存が可能となっている可能性がある.
  • 小国 弘量
    2013 年 45 巻 2 号 p. 106-109
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
     本邦で行われたRasmussen脳炎 (RE) の全国調査結果を参考に28症例 (男: 12, 女: 16) のRE症例の臨床分析を行った. 臨床診断RE例が13例, 病理学的に確定された例が15例であった. 臨床経過の特徴より分類すると小児急速進行型 (CORP) 20例, 年長緩徐進行型 (LOSP) 8例であった. それぞれ, てんかん発作初発年齢は生後2カ月~9歳 (平均4歳4カ月), 6歳6カ月~28歳 (平均16歳) であった. 持続性部分てんかん (EPC) の合併はCORP群で12例 (63%), LOSP群で3例 (38%) であった. 免疫学的治療として高容量ステロイド治療が14例, γ-グロブリン大量療法が12例に施行されており, それぞれ5例 (36%), 4例 (33%) で有効の評価を得ていた.
     本邦においてもREの臨床像は欧米と変わらないこと, 各施設で早期より免疫学的治療, てんかん外科治療を施行している実態が明らかとなった.
  • 佐久間 啓
    2013 年 45 巻 2 号 p. 110-114
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
     難治頻回部分発作重積型急性脳炎 (acute encephalitis with refractory, repetitive partial seizures; AERRPS) は1986年に粟屋らにより報告され, 発熱に伴い顔面を中心とする持続の短い部分発作の頻発が特徴である. けいれんは極めて難治で遷延し, 難治てんかんと知能障害を残し予後不良である. 近年類似の疾患概念febrile infection-related epilepsy syndrome (FIRES) が提唱された. AERRPSの原因は不明だが, イオンチャネル遺伝子の異常や抗神経抗体との関連が示唆されている. 脳波上の周期性放電やMRIでの前障病変を認める例がある. 治療として主に高用量バルビタール酸が用いられているが弊害も指摘されている.
  • 飯塚 高浩
    2013 年 45 巻 2 号 p. 115-120
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
     抗NMDA受容体脳炎は, NR1 subunitの細胞外成分に対する抗体を有する脳炎である. 腫瘍は全体の39%に認め, 12歳以降の女子では54%と半数以上に腫瘍を認め, そのほとんどは卵巣奇形腫である. 典型例では, 感冒症状に引き続く著明な精神症状で発症し, けいれん, 無反応, 低換気, 不随意運動および自律神経症状が数カ月~1年以上持続する. シナプス後膜NMDA受容体数が減少し, 精神神経症状が発現する. ステロイドパルス, 免疫グロブリン大量療法および血漿交換が第1選択治療であるが, 難治例ではrituximabやcyclophosphamide大量療法を用いる. 腫瘍随伴例では早期腫瘍切除と免疫療法が推奨されている.
シンポジウム3:先天性大脳白質形成不全症—疾患概念の確立から,病態解析・治療的展望まで—
  • 小坂 仁, 井上 健
    2013 年 45 巻 2 号 p. 121
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
  • 井上 健, 岩城 明子, 黒澤 健司, 髙梨 潤一, 出口 貴美子, 山本 俊至, 小坂 仁
    2013 年 45 巻 2 号 p. 122-126
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
     先天性大脳白質形成不全症は, 中枢神経系の髄鞘形成不全を主体とする疾患の総称である. その代表的疾患であるPelizaeus-Merzbacher病 (PMD) はX染色体上に存在するPLP1遺伝子の変異によって起こる. 本稿では, まず, 最も頻度の高いPLP1重複が見いだされた経緯とその後の遺伝子診断やゲノム機序の解明に至る経過について概説する. 次に, 小胞体ストレスという細胞病態を標的としたPMDの治療法開発研究の現在の取り組みについて紹介する. 最後に, 先天性大脳白質形成不全症の疾患分類や全国疫学調査の概要などの臨床的基盤研究と今後の展望について述べる.
  • 小坂 仁, 井上 健, 才津 浩智
    2013 年 45 巻 2 号 p. 127-131
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
     髄鞘の構成成分のうち, 最も量的に豊富な蛋白はプロテオリピドプロテイン (proteolipid protein 1; PLP1) であり, この蛋白をコードするPLP1が先天性白質形成不全症の主要疾患, Pelizaeus-Merzbacher病 (PMD) の原因である. 典型例の診断は比較的容易であるが, 軽症群では, 眼振が目立たず, 単に発達遅滞あるいは痙性麻痺と診断されており, MRI検査からPLP1異常が疑われて診断がつく場合も多い. また, PMD以外にも新しい白質形成不全症が次々と明らかになってきている. これらの実例を自験例から紹介しながら, この20年の進歩を概観し, 最後に幹細胞移植治療について触れる.
  • 髙梨 潤一
    2013 年 45 巻 2 号 p. 132-136
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
     先天性大脳白質形成不全症は, 正常の髄鞘形成ができない疾患群である. MRI画像は正常新生児ないし早期乳児の画像 (白質T2高信号) に類似し, この画像所見が診断の決め手である. 付随する画像所見により数ある先天性大脳白質形成不全症から絞りこむことが可能となる. 先天性大脳白質形成不全症の中には, いまだに診断不能な症例も存在するが, MRI所見からHCAHC (POLR3A/3B遺伝子異常) のように新たな疾患が見いだされることも期待し得る. 先天性大脳白質形成不全症のMR spectroscopy所見は, 他の白質変性症とは異なり髄鞘マーカーであるcholineの低下が特徴である.
  • 下島 圭子, 山本 俊至
    2013 年 45 巻 2 号 p. 137-142
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
     2007年にヒトの皮膚線維芽細胞から人工多能性細胞 (iPS細胞) を樹立することができるようになった. iPS細胞はさまざまな組織の細胞に分化する能力を持つことから, 生きた患者から採取できない臓器における病態解析への応用が期待されている. 中枢神経疾患はiPS細胞による病態解析がもっとも期待されている疾患のひとつである. 患者皮膚線維芽細胞からiPS細胞を樹立し, 神経細胞に分化誘導することにより, 患者の病態を試験管内で再現することが可能となる. したがって, Pelizaeus-Merzbacher病を初めとする先天性中枢神経疾患はiPS細胞による病態解析のモデルとしてふさわしい. これまでの我々の取り組みを紹介し, iPS細胞による病態解析の問題点と将来展望について概説した.
夜間集会1:社会活動委員会
夜間集会2:薬事委員会
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