脳と発達
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45 巻, 3 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
巻頭言
インタビュー・理事長に聞く
特集・第54回日本小児神経学会総会
シンポジウム1:小児てんかん外科―早期手術患者の発見と利点
  • 大坪 宏, 中里 信和
    2013 年 45 巻 3 号 p. 193-194
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
  • —長期発作寛解例の特徴—
    岩崎 真樹, 植松 貢, 中山 東城, 福與 なおみ, 萩野谷 和裕, 神 一敬, 大沢 伸一郎, 中里 信和, 冨永 悌二
    2013 年 45 巻 3 号 p. 195-198
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
     【目的】小児の難治全般てんかんに対する脳梁離断術の有効性と, 発作予後に関連する臨床的因子を探る.
     【方法】発作軽減を目的に一期的全脳梁離断術を施行した乳幼児期あるいは小児早期に発症した難治てんかん連続13例を対象に, 発作予後と術前の臨床的特徴の関連を後方視的に検討した.
     【結果】13例中4例で術後1年以上の発作消失を達成した. 発作が残った9例中8例で転倒に至る発作が消失した. 術前MRIが正常であった5例中4例で発作が消失し, 統計学的に有意な関連があった.
     【結論】乳幼児期あるいは小児早期に発症した難治全般てんかんのうち, 明らかな病因がなく正常MRIを呈する群は脳梁離断術によって長期の発作寛解を得る例が多い.
  • —早期手術患者の発見と利点—発達の観点から—
    木村 暢佑, 高橋 幸利, 重松 秀夫, 今井 克美, 馬場 好一, 松田 一己, 鳥取 高安, 臼井 直敬, 井上 有史
    2013 年 45 巻 3 号 p. 199-205
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
     限局性皮質形成異常 (focal cortical dysplasia; FCD) による小児難治てんかん患者において, 発達予後の観点 (術前・術後2年のDQ/IQの変化) から外科治療の有用性を検討した. 対象は組織学的にFCDと診断され, 基礎疾患がなく, てんかん発病年齢が18歳未満の82名. 早発群20名 (平均発病年齢0.9歳) と遅発群62名 (6.8歳) に分けて評価した. DQ/IQは, 早発群 (平均±SD) 45.7±25.0→43.7±24.5, 遅発群73.4±13.4→74.6±13.9で有意な変化はなかったが, 早発群の発作消失例は精神年齢が改善した. また, 遅発群もIQが10以上上昇した症例では, 発作消失例が有意に多く, 外科治療により発作が消失すると発達が改善することが示唆された.
  • 高橋 章夫, 大槻 泰介, 本田 涼子, 中川 栄二, 須貝 研司, 佐々木 征行
    2013 年 45 巻 3 号 p. 206-210
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
     大脳皮質形成障害は小児の難治性てんかんの主要な病因の一つであり, 乳児期早期に発症し, てんかん性脳症をきたすことが多い. 我々は乳児期に切除外科を行った23例について, 臨床像, 発作転帰, 発達予後を後方視的に解析した. 術前発作回数は全例日単位で, 17名 (74%) がてんかん性脳症をきたしていた. 手術時の平均年齢は4.9カ月で, 病因は14例が半球性皮質異形成または片側巨脳症, 8例が限局性皮質異形成, 1例が結節性硬化症であった. 発作転帰は16例 (70%) で発作消失, 7例 (30%) で発作残存または再発した. 皮質異形成の症例では, 発症-手術までの期間と, 術後の総合発達指数の改善には負の相関がみられた.
  • —小児神経科医は何を見て考えて行動すべきか?—
    秋山 倫之
    2013 年 45 巻 3 号 p. 211-215
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
     難治てんかん患者を診たら, てんかん診断の再確認と基礎疾患の確認のための精査を行う. 同時に外科治療の可能性も考える. 焦点切除術の適応例では, 発作抑制効果は外科治療の方が高い. 精査が困難な場合, 専門施設への紹介を考慮されたい. まず発作時ビデオ脳波とMRIを行う. MRIは, 微細な病変の見落としを最小限にするため, てんかんに特化した撮影条件を神経放射線科医との協力で作成して用いる. 必要に応じてPET, SPECT, 脳磁図等を行い, 手術適応を決定する. 術後の発達の最終転帰は術前の発達レベルに規定される. 発達レベルが落ちてしまう前に外科治療の可能性を見つけ出すことが, 小児神経科医の重要な役割である.
  • —脳外科からみた小児神経科医の役割—
    三國 信啓
    2013 年 45 巻 3 号 p. 216-219
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
     てんかんの包括的治療において外科的治療を担う立場から, 小児科医との連携について述べる. 小児てんかんには成人とは異なるいくつかの特徴があり, てんかん手術担当医にとってでさえ経験や知識は豊富ではない. 手術術式に関しても機能的大脳半球離断術や迷走神経刺激術などは脳神経外科手術において特殊な技術を要する. 発症早期から手術加療は治療法の一つとして検討されるべきという一方で, その診断や適応決定は容易でない. 手術時期決定には脳, 精神や体の成長過程に生じる発作が難治化して発達停止や退行を引き起こし社会への適応を困難にする可能性や脳機能代償予測を考慮する. このような側面を配慮して, 小児てんかん外科治療においてはインフォームドコンセントや周術期管理を小児科と脳神経外科が共有し, 術前術後に及ぶ継続的かつ適切な連携システムの構築が最も重要である.
モーニング教育セミナー1 :共同研究支援委員会
モーニング教育セミナー2 :共同研究支援委員会
ワークショップ1 :東日本大震災支援委員会
ワークショップ2 :長期計画委員会
公開セミナー:産科医療補償制度検討委員会
原著論文
  • 内山 仁志, 田中 大介, 関 あゆみ, 若宮 英司, 平澤 紀子, 池谷 尚剛, 加藤 健, 小枝 達也
    2013 年 45 巻 3 号 p. 239-242
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
     【目的】平仮名音読に困難がある小児に対して, 文字とその読み方の対応を指導するという解読指導の効果を検証する.
     【方法】小学校1年生367名の中から平仮名音読に困難がある小児を抽出し, 指導群15名に対してDVDを用いた1日5分の家庭での音読指導を3週間行った. 対照群20名と音読時間と誤読数を比較した.
     【結果】検討1: 2要因 (指導と期間) の分散分析にて, 指導と期間の交互作用が有意で, 指導群における音読時間の顕著な短縮が認められた. 検討2: 対照群20名中の希望者10名に対して解読指導を行った. 対応のあるt検定にて誤読数の減少が認められた.
     【結論】解読指導は音読時間と誤読数の改善に有効であることが示された.
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