脳と発達
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45 巻 , 5 号
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巻頭言
原著論文
  • 木原 健二, 河﨑 洋子, 今西 宏之, 宇宿 智裕, 西村 美緒, 水戸 敬, 高田 哲
    2013 年 45 巻 5 号 p. 349-353
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
     【目的】重症心身障害児 (者) (重症児) の身長測定における信頼性検討を目的とした. 【方法】重症児73名の中から層化抽出した12名を対象に脛骨長測定法ならびに分割法による身長測定を実施した. 3名の検者が同一の対象者について両測定法を行い, 測定結果について級内相関係数を用いて検者内信頼性・検者間信頼性を検討した. さらに両測定法間の相関を求めた. 【結果】脛骨長測定法・分割法ともに良好な検者内信頼性・検者間信頼性を示した (ICC>0.90). 両測定法による測定値は強い相関を示した. 【結論】脛骨長測定法・分割法ともに良好な信頼性を示した. 臨床場面ではより簡便な脛骨長測定法が有用と考えた.
  • 稲葉 雄二, 新美 妙美, 西村 貴文, 三澤 由佳, 福山 哲広, 樋口 司, 滝 芳樹
    2013 年 45 巻 5 号 p. 355-359
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
     【目的】5歳児健診における視覚認知課題の有用性について検討する. 【方法】平成20年4月から22年3月までの期間中, 健診によって精査を勧められて受診した5歳児について, 健診時の視覚認知課題をスコア化し精査結果とともに後方視的に検討した. 【結果】健診受診者653名中, 52名が要精査判定を受け, 48名が精査受診した. 4つの視覚認知課題の合計スコアは発達障害群で有意に低く, また, 動作性知能指数やFrostig視知覚発達検査結果と強い正の相関を認めた. 【結論】5歳児健診における視覚認知課題の併用は, 発達障害の検出と保護者の理解を高めるのに寄与し, 有用であると考えられた.
  • 奥村 智人, 三浦 朋子, 中西 誠, 宇野 正章, 若宮 英司, 玉井 浩
    2013 年 45 巻 5 号 p. 360-365
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
     【目的】発達障害のある児童では, 視覚関連の機能低下があり, 学習や運動などに問題を示すことがある. 本研究では, 学童期用視覚関連症状チェックリスト (以下VSPCL) の構成を試みた. 【方法】視覚系に機能低下を認め, 視覚関連の症状を示す児115名と定型発達児859名の保護者を対象に, VSPCLを用いた質問紙調査を行った. 【結果】因子分析と判別分析の結果, 39項目が選定され, 4つの下位尺度に分かれた (α=0.715~α=0.924). 弁別力についてROC解析を行った結果, 各下位尺度とも高い感度 (81.3%~93.5%) と特異度 (79.1%~91.8%) が確認された. 【結論】発達障害児の視覚関連症状に対するVSPCLの有用性が示された.
  • 山内 裕子, 宮尾 益知, 奥山 眞紀子, 井田 博幸
    2013 年 45 巻 5 号 p. 366-370
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
     【目的】Asperger障害の女児の臨床的特徴を男女で比較検討し, 診断上の注意点を明らかにする. 【方法】初診年齢, 初診理由となったおもな症状, 受診前の状況, WISC-IIIの結果をカルテより後方視的に比較検討した. 【結果】男児と比べ, 女児は10~15歳の受診が多く, 初診年齢が思春期に集中していた. 女児では睡眠リズム障害や心身症, 適応障害の合併が多かった. また, 女児のWISC-IIIでは動作性下位項目の内差が顕著でなく, 算数や積木下位項目が高値の男児とは異なる認知パターンが示唆された. 【結論】Asperger障害の臨床像には性差があり, 診断や対応にあたり, 性差を考慮する必要があると考えられた.
症例報告
  • 五十嵐 愛子, 川谷 正男, 巨田 元礼, 米谷 博, 大嶋 勇成, 加藤 光広
    2013 年 45 巻 5 号 p. 371-374
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
     症例は2歳男児. 胎児期より脳室拡大を指摘され, 出生後の脳MRIで前頭優位の厚脳回を伴った皮質下帯状異所性灰白質 (subcortical band heterotopia;SBH) と診断された. 生後5カ月時に点頭てんかんを発症したが, 治療に対する反応は良好で, 発達遅滞は軽度であった. 患児と両親のdoublecortin (DCX) 遺伝子解析で患児のみミスセンス変異と正常塩基配列の混在を認め, 新規変異による体細胞モザイクが原因であると推測した. DCX遺伝子変異のある男児は, 古典型滑脳症を呈し, 重度の発達遅滞や難治てんかんを合併することが多いが, DCX体細胞モザイクのある男児の場合は, SBHという表現型をとり得る. 本報告はその事実の蓋然性を高めた.
  • 菊池 貴洋, 加藤 光広, 高橋 信也, 中村 和幸, 早坂 清
    2013 年 45 巻 5 号 p. 375-378
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
     症例はてんかん性脳症の10歳女児. 発作は難治で1日10回程度の強直発作・ミオクロニー発作が出現し, 覚醒時脳波で多焦点性鋭徐波複合が多発していた. topiramate追加内服中, 眼振の増悪がみられ漸減中止したところ, ミオクロニー発作の頻度が増加し, levetiracetam (LEV) 250mg/日を追加した. LEV開始翌日から発作は消失したが, 反応性低下と寡動がみられた. 覚醒時脳波を再検したところ多焦点性鋭徐波複合の消失を認め, 強制正常化の診断基準を満たした. LEV投与による強制正常化の報告は調べ得た限り自験例が初めてである. LEVは初期から治療量の投与が可能である半面, 強制正常化の可能性を念頭におく必要がある.
  • 小川 和則, 伊予田 邦昭
    2013 年 45 巻 5 号 p. 379-382
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
     症例は2歳1カ月男児. 出生時の頭囲は正常で, 乳児期前半の発達はほぼ正常であったが, 乳児期後半より小頭症, 精神運動発達遅滞が次第に目立つようになった. 生後3カ月より複雑部分発作が出現し, 二次性全般化発作やけいれん重積状態も認められ, 難治であった. 前医での脳波検査では右後頭部より焦点性棘波を認めたが, 当院での脳波検査では同部位に局所性速波を認めた. 頭部MRI検査では明らかな異常所見は認められなかった. 外表奇形は軽微であったが, 染色体検査 (G分染法) では14番環状染色体と一部がモノソミー14のモザイクを認めた. てんかん発作に対して, topiramateではむしろ増悪し, valproate sodiumとlamotrigineの併用療法が著効した.
短報
  • 石堂 雄毅, 中川 栄二, 開道 貴信, 石山 昭彦, 齋藤 貴志, 斎藤 義朗, 小牧 宏文, 須貝 研司, 大槻 泰介, 佐々木 征行
    2013 年 45 巻 5 号 p. 383-385
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
     症例は神経線維腫症1型 (NF-1) の24歳男性. 15歳時には, 左前頭葉白質にT1低信号, T2高信号のleukoaraiosis様の所見を認め, 22歳まで病変は変化を認めなかった. 24歳時, 左前頭葉同部位に大脳皮質下出血を認め, 一過性の言語障害, 右不全片麻痺が出現した. 出血後の精査では出血傾向や血管病変など, 明らかな原因は見出されなかった. NF-1での動脈瘤や血管狭窄, 頭蓋内出血の既報に鑑みて, 本疾患では血管脆弱性が存在する可能性がありNF-1では脳血管障害に留意した経過観察が必要であると考えられた.
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