脳と発達
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45 巻 , 6 号
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巻頭言
総説
  • 東田 陽博, 棟居 俊夫
    2013 年 45 巻 6 号 p. 431-435
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
     オキシトシンは, 視床下部神経細胞の細胞体や樹状突起から脳内に放出される. 扁桃体をはじめとする「社会脳」領域を介して社会性行動, 特に信頼を基礎とするあらゆる人間相互間活動にも影響を与える. 愛着形成, 愛情, 信頼や絆の形成に関与している. オキシトシンの遺伝子や受容体, オキシトシンの脳内分泌を制御するCD38などがそれらの機能を司る. それらの欠損や一塩基多型が自閉症スペクトラム障害のよい対人関係を構築できない社会性障害の原因と考えられている. オキシトシンの単回投与により目を見るなどの対人関係行動の改善や促進があり, 連続投与により, 自閉症スペクトラム障害の社会性部分の症状の改善がみられる.
原著論文
  • 中島 啓介, 林 雅晴
    2013 年 45 巻 6 号 p. 436-439
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
     【目的】福山型先天性筋ジストロフィー (FCMD) 患者の予期せぬ死 (SUD) の病態を明らかにするため, 剖検例脳幹でSUD関連の解析を行った. 【方法】SUD1例, 急性死 (AD) 2例を含むFCMD剖検例9例でSUD関連マーカーに対する免疫組織化学染色を行った. 【結果】1) 多数例でserotonin神経が減少した. 2) SUD・AD例を含む5例の三叉神経脊髄路核で神経ペプチド表出が増強した. 3) SUD・AD例を含む3例の迷走神経背側核でc-Fos陽性細胞を確認した. 4) SUD例では全マーカーの異常がみられた. 【結論】SUD・AD例優位にSUD関連マーカーの異常を認め, FCMD脳幹部での機能的脆弱性が示唆された.
  • 宮本 晶恵, 福田 郁江, 田中 肇, 岡 隆治, 荒木 章子, 長 和彦
    2013 年 45 巻 6 号 p. 440-444
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
     【目的】睡眠障害に対してmelatonin (MLT) を使用していた障害児においてramelteon (RMT) の有用性を検討する. 【方法】対象は障害児11例 (1例成人を含む), 年齢は3~25歳, 基礎疾患は, 重度仮死による低酸素性虚血性脳症4例, Rett症候群などその他の疾患7例, 全例MLT 3mgを内服していた. 1週間休薬後RMT 3~8mgを内服し, 睡眠表またはアクチグラフで評価した. 【結果】11例中8例で, RMTはMLTと同等以上の効果を認めた. 3例ではMLTより日中の眠気が強かったが, その他明らかな副反応はなかった. 【結論】障害児における睡眠障害にRMTは有用であった. 今後, 小児における投与量や安全性の検討が必要である.
  • 脇坂 晃子, 新井田 要, 山田 晋也, 辻 隆範, 中村 奈美, 丸箸 圭子, 大野 一郎, 関 秀俊
    2013 年 45 巻 6 号 p. 445-450
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
     【目的】重症心身障害児 (者) における低カルニチン (Car) 血症の発症に関して検討する. 【方法】国立病院機構医王病院に入院中の重症心身障害児 (者) 78例で, 経腸栄養剤および抗てんかん薬の低Car血症発症への影響を解析した. 【結果】Car非添加経腸栄養剤使用者およびvalproate sodium (VPA) とphenobarbital (PB) の併用例で著明な低Car血症を認めた. 低Car血症群では低血糖, 高アンモニア血症が多い傾向があった. 【結論】Car非添加経腸栄養剤使用, 経口摂取者でのVPAとPB併用およびVPA内服中の高アンモニア血症では, L-Car補充が必要になる. 一方, Car添加経腸栄養剤使用例ではL-Car 0.8~3.5mg/kg/dayと少量の摂取で血清Car濃度が維持されていた.
症例報告
  • 須藤 章, 林 由起子, 佐野 仁美, 川村 信明, 西野 一三, 埜中 征哉
    2013 年 45 巻 6 号 p. 452-456
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
     重症乳児型ネマリンミオパチーは, 先天性ミオパチーのなかでも特に重症なタイプで, 乳児期早期から人工呼吸管理や経管栄養が必要となることが多い. 近年, 原因遺伝子の1つとしてαアクチン蛋白をコードしているACTA1遺伝子の変異が報告されるようになったが, ほとんどが孤発例である. 今回, 同一変異を有しながら異なる経過をたどった兄弟例を経験した. 兄は重症で, 気管切開後に終日の人工換気を行っている. 弟は比較的軽症で非侵襲的人工換気療法により在宅管理ができたが, 1歳すぎに突然死した. ACTA1遺伝子変異によるネマリンミオパチーでは, 本症例のような家族内発症や同じ変異でも重症度に差異がありうることを再認識する必要がある.
  • 荒井 洋実, 後藤 知英, 木村 直子, 三山 佐保子
    2013 年 45 巻 6 号 p. 457-460
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/10/11
    ジャーナル フリー
     8歳の女児. 発熱4日目 (第4病日) に不随意運動を伴う意識障害を呈し, 第5病日に入院. 頭部MRI検査で, 大脳基底核に左右対称性にapparent diffusion coefficient mappingで高信号を呈する浮腫性病変を認めた. ステロイドパルス療法で臨床症状は改善し, 後遺症を残さず回復した. 咽頭の溶連菌迅速検査は陽性, 血清ASO値と髄液ミエリン塩基性蛋白の上昇が認められた. 画像所見・髄液所見・ステロイドに対する反応性から, 本症例は溶連菌感染に関連する急性散在性脳脊髄炎であったと考えられた.
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