West症候群の経過中に微細なepileptic negative myoclonus (ENM) を認めた女児例を経験した. 生後8カ月からシリーズ形成性スパズムが出現し, 生後10カ月の時に微細なENMの存在が確認された. 発作時ビデオ脳波同時記録では, 入眠期から睡眠にかけて, 広汎性多棘徐波複合もしくは低振幅速波を重畳した広汎な高振幅徐波に一致して, 上下肢が一瞬脱力し, これに一致して両三角筋の筋放電が一瞬消失していた. West症候群の初期に部分発作や強直発作, ミオクロニー発作などを伴う報告はあるが, 本症例のような微細なENMを認め, さらに発作時に筋電図の消失が確認された報告は少なく, 稀な症例と考えられる.
抄録全体を表示