脳と発達
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47 巻 , 2 号
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巻頭言
特集
特集・第56回日本小児神経学会学術集会
会長講演
  • 杉江 秀夫
    2015 年 47 巻 2 号 p. 94-98
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/20
    ジャーナル フリー
     筆者らは主にグリコーゲンの代謝障害に起因する筋型糖原病, 肝型糖原病を400例以上診断してきた. 従来本症は “糖原病” と呼称しているが, 症例によってはグリコーゲンがほぼ正常あるいはグリコーゲンが逆に枯渇している疾患があることが判明し, 糖原病 (glycogen storage disease ; glycogenosis ; GSD) と呼ぶより, グリコーゲン代謝異常症 (disorders of glycogen metabolism ; DGM) と呼ぶほうがより正確な病態を表す診断名であることを提唱した.
     治療的な側面ではPompe病に対する酵素補充療法, McArdle病に対するビタミンB6療法などの成果が報告され, 患者の日常生活動作 (ADL) の顕著な向上を認めている. またグリコーゲン合成系の異常による新たな臨床病型も発見され, グリコーゲン代謝異常症は幅広い臨床スペクトラムを呈する症候群であることがわかってきた. それに加え脳におけるグリコーゲンの役割と, 脳性まひについてその発生起序について考察を加えた.
     グリコーゲン代謝異常症は1929年にはじめてI型が報告されて以来様々な酵素欠損が蓄積され現在15病型になっている. 古い疾患ではありながら, 最近その病態, 新たな酵素欠損, 病型の発見が次々となされ, 今後もさらに進展が期待される大変興味深い領域である.
特別講演
シンポジウム5:見逃してはならない治療法のある,あるいは今後期待できる小児神経疾患:診断と治療の最前線
  • 福田 冬季子, 下澤 伸行
    2015 年 47 巻 2 号 p. 105
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/20
    ジャーナル フリー
  • 水口 雅
    2015 年 47 巻 2 号 p. 106-111
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/20
    ジャーナル フリー
     結節性硬化症の病因はTSC1/TSC2遺伝子の機能低下, 病態はmammalian target of rapamycin (mTOR) 系活性の亢進である. 症状は多様であり, 年齢依存性に変化する. 診断は形態学的な基準にもとづくので, 画像診断を多用する. 治療は従来, 個別の病変や症状に対する対症療法に終始していたが, 近年, mTOR阻害薬の出現により様相が一変した. mTOR阻害薬は結節性硬化症の脳腫瘍・腎腫瘍の治療薬であるが, てんかんや自閉症などの神経症状, 皮膚腫瘍など全身の病変にも奏効する可能性がある. mTOR阻害薬の導入により結節性硬化症の診療体系は複雑化し, 新たなガイドライン策定が求められている.
  • 難波 栄二
    2015 年 47 巻 2 号 p. 112-116
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/20
    ジャーナル フリー
     脆弱X症候群 (FXS) はトリプレットリピート病の1つで, FMR1遺伝子の異常によって発症する. FXSは遺伝性知的障害の代表的な疾患で, 知的障害を引き起こすシナプス障害の分子メカニズムが解明されており治療法の開発が進んでいる. FXSはFMR1遺伝子のリピートの異常伸長 (200 CGG繰り返し以上) によって発症する. 現在, mGluR5阻害剤など, この異常を改善するための治療法が開発されつつあり, 臨床治験も開始されている. 我々は, FXSの遺伝子診断を行い患者さんの収集を行っているが, 日本では患者が少ない. 今後, より多くの患者さんを診断し登録する必要がある.
  • 下澤 伸行
    2015 年 47 巻 2 号 p. 117-121
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/20
    ジャーナル フリー
     副腎白質ジストロフィー (ALD) はABCD1遺伝子異常によるX連鎖遺伝性疾患で, 大脳半球の広範な進行性脱髄と副腎機能不全をきたす小児大脳型や, 20歳以降に痙性歩行で発症するadrenomyeloneuropathy (AMN) など, 遺伝子変異に規定されない多様な臨床型を有している. 大脳型では発症早期の造血細胞移植が唯一, 有効とされており, そのためには多彩な症状で発症するALDをいかに早く診断するかとともに, 遺伝カウンセリングを踏まえた上での発端者からの発症前患者の発見も重要である. 本稿では早期診断のためのポイントを中心に, ALDの診断と治療に, 本症を取り巻く様々な課題も併せて概説する.
  • 福田 冬季子
    2015 年 47 巻 2 号 p. 122-124
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/20
    ジャーナル フリー
     Pompe病は酵素補充療法の導入により, 見逃してはならない治療可能な疾患となった. 心肥大を伴うフロッピーインファントや肢帯型筋ジストロフィーが疑われる症例では, Pompe病を疑い積極的に酵素診断を行う必要がある. 長期的な効果が明確になりつつある現在, 多くの症例で筋力低下が存在することや, 生命予後が改善した乳児型Pompe病では, 心機能, 運動機能, 呼吸機能障害以外の臨床像が報告され, 酵素補充療法の課題や, Pompe病が多系統疾患であることが再認識されている. 治療に関するさまざまな取り組みがされている中で, モデルマウスの研究ではtranscription factor EB (TFEB) がautophagyの機能不全を改善する可能性が示唆されている.
夜間集会2:社会活動委員会主催セミナー
夜間集会3:薬事委員会主催セミナー
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