脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
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50 巻, 3 号
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巻頭言
特集・第59回日本小児神経学会学術集会
<シンポジウム2:遺伝学的検査に振り回されない小児神経診察:適応から結果解釈・説明まで>
  • 黒田 友紀子, 黒澤 健司
    2018 年 50 巻 3 号 p. 181-182
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/20
    ジャーナル フリー
  • 難波 栄二
    2018 年 50 巻 3 号 p. 183-188
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/20
    ジャーナル フリー

     次世代シークエンサーを用いた網羅的な遺伝子の情報による診断や治療 (ゲノム医療) が, 日本においても急速に普及してきている. これにより, 多くの稀少難病の遺伝学的診断が可能となってきており, 小児神経領域の診療には必須となっている. 本稿では, 我々の行ってきた遺伝学的診断, 次世代シークエンサーを用いた新たな遺伝学的診断, さらに具体例として保険診療として実施可能となった脆弱X症候群, 筋強直性ジストロフィー症の出生前診断などを紹介する. さらに, 稀少難病の遺伝学的診断を正しく理解するための一助として, よくある遺伝学的検査の誤解について解説する. 最後に, 新たなゲノム医療のための人材の育成についても述べる.

  • 石井 敦士
    2018 年 50 巻 3 号 p. 189-191
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/20
    ジャーナル フリー

     小児神経科医が遭遇する, 新生児から小児期発症のてんかんにおいて, てんかん性脳症を主として遺伝子検査は避けて通れない. 遺伝子検査で原因となる遺伝子異常が判明した場合, 診断のみならず, 治療や予後予測といった点で患者にもたらす利点は大きい. また, 不必要な検査や侵襲的検査を回避することが可能であり, これらは医療コストと患者や家族の心身的負担の軽減につながる. 医療コストに敏感な欧米では既に遺伝子情報を用いたてんかん診療は, 当然のごとく行われており, 適切な品質管理のもと商業的に実施されている. 遺伝子検査としてコストが発生する理由もあり, 臨床医は遺伝子検査の適応, 結果解釈について高い知識が求められる. 本邦では, 遺伝学教育の遅れもあり, 臨床医が適応を判断し, 結果解釈を行うことは困難な状況であり, 遺伝子解析を依頼された研究者が結果解釈まで行い, 臨床医はそれを患者に伝える状況が多々みられる. 本来, 解析機関からは客観的遺伝情報の結果の提供のみであり, それに意味付けをし, 解釈して患者に説明するのはすべて臨床医の役割である. 今後, 本邦でも商業的な検査となり, さらに臨床現場に近いものとなる一方で, 進歩し, 複雑となることが予測されるてんかんの遺伝子検査において, ここで一旦, 基礎的な遺伝学の知識の整理とともに, てんかん症例で遺伝子検査を行うべき症例の判断, 遺伝子検査の目的, 遺伝子検査方法とその結果の解釈について確認する.

  • 荒川 玲子, 日野 香織, 北村 裕梨, 斎藤 加代子
    2018 年 50 巻 3 号 p. 192-196
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/20
    ジャーナル フリー

     ゲノム医療の発展に伴い, ゲノム情報が診断のみならず, 臨床的重症度の把握, 治療に直結するようになってきた. 特に, 治療にあたり遺伝子変異の同定が必要となる脊髄性筋萎縮症などの疾患では, 遺伝学的検査による早期診断が求められる. 一方で遺伝学的検査を行う際には, ゲノム情報がもたらすメリットと共に, 血縁者へ及ぼす影響などの側面も考慮しなければならない. 小児期の遺伝性神経筋疾患で代表的な脊髄性筋萎縮症, Duchenne型筋ジストロフィー, 福山型先天性筋ジストロフィーにおける遺伝学的検査の進め方およびゲノム情報と臨床症状の関連について, 本学での25年間にわたるゲノム診療をもとに報告する.

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