脳と発達
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6 巻 , 6 号
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  • 大熊 輝雄
    1974 年 6 巻 6 号 p. 422-433
    発行日: 1974/11/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    1953年Aserinsky, Kleitmanによつて急速眼球運動を伴う特殊な睡眠期が発見されて以来, 睡眠は従来知られていた徐波を伴う睡眠 (徐波睡眠, NREM睡眠) と急速眼球運動を伴う睡眠 (REM睡眠, 逆説睡眠) との二つの睡眠から成り立つていることがわかつた. REM睡眠は夢と密接な関係にあることから, この時期の夢についての研究がDementその他によつて行なわれ, またREM睡眠, NREM睡眠の神経生理学的, 神経化学的機序がJouvetはじめ多くの人たちによつて研究され, 最近ではREM睡眠とcatecholamine, NREM睡眠とserotonineとのあいだに密接な関係があることがわかつてきた.
    REM睡眠は個体発生的には旧い睡眠であり, 胎児期, 出生直後にはヒトでは睡眠の50%以上を占め, しだいに減少して成人では約20%前後となる. REM睡眠の意義は十分に明らかにされてはいないが, 脳の発達に関係があるのではないかと推察されている. 胎動は胎児のREM期の体動であると考えられている.
    睡眠は各種の神経作用薬物によつて影響を受けるが, とくにREM睡眠はbarbituratesなどの睡眠薬によつて抑制され, 服薬中止時にREM期の反跳的増加がおこる. したがつて, 睡眠薬の検定にあたつては, REM睡眠, NREM睡眠など睡眠に及ぼす質的な影響を客観的に観察し, なるべく質的に自然睡眠に近い睡眠を生ずる薬物を見出すことが望ましいと思われる.
    各種の精神疾患, 脳器質疾患, 精神薄弱などの睡眠を客観的に研究することは, 今後これらの疾患の本態を解明するうえで有力手がかりを与えるものと思われる.
  • 高坂 睦年
    1974 年 6 巻 6 号 p. 434
    発行日: 1974/11/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
  • 森 昭胤
    1974 年 6 巻 6 号 p. 435-440
    発行日: 1974/11/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    抗てんかん剤の発作抑制機序に関する神経薬理学研究に関して, 1) エネルギー代謝, 2) 電解質代謝および3) 神経伝達物質代謝の立場から綜説を試みた.
    現在までに報告された多くの研究業績のうち, 特に抗てんかん剤の作用機能と密接に関係していると考えられるものに次のようなことがある.
    1) Diphenylhydatoin (DPH) およびtrimethadioneは電気刺激を加えたときにみられる酸素消費量や嫌気性解糖の増加を抑制する.
    2-A) DPHは細胞内Naの減少と細胞内K上昇を生ぜしめ, 神経終末の膜を安定化させることにより刺激閾値を上昇, 発作活動の拡延を阻止する.
    2-B) Acetazdamideは炭酸脱水酵素の活性を抑制してCO2を細胞内に保留し, その結果としてNaの流入を抑えるよう膜を安定化させる3-A) PhenobarbitalやDPHはacetylcholine生成を抑制し, また結合型acetylcholineの生成を増加させる.
    3-B) Trimethadioneはacetylcholineの放出を抑制するらしい.
    3-C) レセルピン投与によりカテコールアミンや5-HTが低下すると痙攣発作が促進されるが, 抗てんかん剤はそれに拮抗する.
    3-D) DPHは脳のglutamic acidを減少させglutamineとGABAの量を増加させる.
  • 高坂 睦年
    1974 年 6 巻 6 号 p. 441-443
    発行日: 1974/11/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    Olsen (1969) の薄層クロマト法を用いて, 血中フェノバルビタールとアレビヤチンの同時測定法を紹介した. ガスクロマト法と比較してみて, 日常臨床検査法として採用出来る点について述べた.
  • 宮本 侃治
    1974 年 6 巻 6 号 p. 444-455
    発行日: 1974/11/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    抗てんかん薬の測定は1968年以降著しい進歩を示して, 現状では殆どすべての抗てんかん薬の測定が可能となり, 薬物治療の適正さを確認する手段をえたといえよう.
    まず血中濃度に影響を与える諸因子について分析し, 次に測定法の変遷を比色法, 紫外部吸収測定法, 薄層クロマトグラフ (TLC), ガスクロマトグラフ (GLC), および最近登場したradioimmunoassay (RIA), enzyme immunoassayについてのべた.特に現在広く用いられているGLCの一方法について詳述し, それによつてえられた血中, 髄液中の濃度を報告し, いくつかの問題点についてふれた.
    混合使用中の薬物の個々の濃度を知ることにより, 次の諸条件に対して有効であると考える.
    1) 中毒症状を避けるためにはどの薬物が過剰量であるかを知ることができ, もし中毒症状をおこした場合にはそれに適応した薬物の種類とその量を定めることができる.
    2) 個々の患者の個体条件が変化した場合も, それに応じた薬物の種類とその量を定めて有効濃度に復元させることができる.
    3) 規定服用量でも血中有効濃度以下を示すことがあるが, その場合服用量を増加しないまま次の薬物に移行することを避けうる.一方どれが無効薬物であるかを決定して, 他の薬物へ変更する目やすとすることができる.
    4) 薬物の半減期を知れば, その服用間隔を適正に定めることができる.
    5) 薬物治療中に個々の患者の状態に応じて体液濃度を定期的に測定することが必要であるとともに, 妊娠中の服薬母体での血中濃度の定期的検診が催奇形成を防ぐ意味でも是非必要であることを提称する
  • 藤井 一貫, 竹下 研三, 渡辺 美知子
    1974 年 6 巻 6 号 p. 456-465
    発行日: 1974/11/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    抗てんかん剤は長期に亘つて投与する特性上, 最小の薬剤で最大の効果を挙げることが望まれる.われわれはこの原則を効果的に達成するため, 抗てんかん剤のうちの主としてPBとDPHについて,
    1. 投与量と血中濃度の関係 (単独および二者併用)
    2. 血中濃度と髄液中濃度の関係
    3. DPHについて投与量と生体内分布, 屎尿中に出現する代謝産物の動向
    4. 単独投与の場合の血中濃度と発作抑制効果の関係
    5. 併用薬剤がDPHの血中濃度および臨床像に及ぼす影響
    6.さらに14C-DPH投与ラッテについてその生体内分布を検討した.
  • 成澤 邦明, 本田 義侑, 荒川 雅男
    1974 年 6 巻 6 号 p. 466-473
    発行日: 1974/11/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    1) てんかんを有する妊婦に, 長期にDPHを投与することにより血清葉酸値の低下を来し, これが胎児への葉酸供給不足をもたらし, 奇型の発生の可能性を否定出来ない.この予防として, かかる妊婦に葉酸の投与は考慮さるべきであろうが, 同時に葉酸投与によるけいれん誘発の可能性も念頭におくべきである.
    2) 葉酸欠乏状態にしたratにDPHを投与した場合の肝におけるhistidineやformateなどからのsingle carbon poolへの, より効果的なとりこみがみられたことは, その生理学的, 生化学的意義について, 将来の研究がまたれる分野であると考えられよう.
    一方rat骨髄細胞の, 3H-thymidineのDNAへのとりこみに対する外因性dU添加による阻止効果に対するDPHの服用の作用について検討したが, 何等の影響もみとめられなかつた.これはDPH服用により, 骨髄細胞においてはmethyleneTHFの供給をより多くするということは考えられないということを示しているものと思われる.
  • 鈴木 徳治, 斎藤 侑也, 西原 カズヨ
    1974 年 6 巻 6 号 p. 474-482
    発行日: 1974/11/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    多くの薬物で薬物療法を効果的にすすめる手段として, 服用量と治療効果との関係よりも血中薬物濃度と治療効果との関係をたどる方法がより適切であると認められるようになつた. 血中薬物濃度は循環血への薬物の流入速度と循環血からの消失速度によつて決まる値である. したがつて, 血中薬物濃度は薬物が投与されてから排泄されるまでにみられるいくつかの過程, 消化管吸収, 体内分布, 肝臓における薬物代謝, 尿中排泄などを含む薬物の体内挙動によつて大きく影響を受けることになる. また, 一般に薬物の有効性と安全性を確保するため, その薬物の吸収, 分布, 代謝, 排泄のdataは欠かせない重要性を持つことが多くの人に認識されるようになつてきた. これらの内容は, 薬物の効果や毒性を考えるにあたつて, 薬物が単にどの程度吸収され, どの組織に分布し, どのような代謝物を生成するかというだけではない. 薬物の生体内挙動を速度過程とみて, 薬物濃度や薬物量をその経時的変化としてとらえることを含んでいる. Pharmacokineticsはこのような速度現象を解明する一つの手段である. 単純化された模擬i生体の数学モデルを仮定して, 生体内の薬物の速度過程を定量的に取扱うものということができる.
    いくつかの抗てんかん薬で, それらの血中濃度を調節しながら治療をすすめる方法は適切な投与量や投与方法を決めるための科学的な方法であるという証拠が提出されている. 本論文では抗てんかん薬として用いられるprimidoneの, 主にラットにおけるpharmacokineticsをとりあげた. primidoneは代謝物として抗けいれん作用を持つphenobarbitalとphenylethylmalonamideを生成する, 複雑な体内挙動を示す薬物である. 血中濃度および尿中排泄量のdataをいかに体内挙動のモデルに適合させるかを明らかにした.
  • 丸山 博
    1974 年 6 巻 6 号 p. 483-493
    発行日: 1974/11/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    抗てんかん剤の副作用はその内容により, 区別して考える必要がある. 中毒作用は薬剤の血中濃度と症状との相関を研究して治療に役立てることが望ましい. 過敏反応は健康を害することが多いため注意する必要があるが, 薬剤投与早期におこることが多いので, 投与初期に監視, 検査を充分にする必要がある. 中枢神経以外の副作用で問題となるのは歯肉腫大と便秘であるが重大なものはない.
    薬剤による代謝変化は最近次第に明らかになつたものであるが, 中でもくる病と貧血が大きな問題となつている. 環境や栄養の改善とともに治療が必要となる. 薬剤のあるものは胎芽や胎児に対し催奇性を有するため, 妊娠可能婦人に対しては催奇性の少ない薬剤を用いる必要がある.
    抗てんかん剤の副作用には未だ不明のものがありうるので, 患者の状態には充分注意を払い乍ら治療を続ける必要がある.
  • 折口 美弘, 埜中 征哉, 上野 留夫
    1974 年 6 巻 6 号 p. 494-496
    発行日: 1974/11/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    成熟雌ラッテに受胎第1日目よりdiphenylhydantoinを常用量投与群と大量投与群とに分け, 連日20日間経口投与した. その後, 胎仔を自然分娩させ, 約50日間飼育後, 電顕用に灌流固定し観察した. 大量投与群では4匹中2匹が出産せず, 中1匹は投与中止後6日目に死亡.他の2匹は正常に出産し, 常用量投与群・非投与の対照群と胎仔数及び外観的には大差なかつた. 光顕でも三群共差異なく, 著明な異常は認められなかつた. 電顕的には常用量・大量投与群共に, Purkinje細胞にてribosomeの増加, mitochondriaの変形・増加, lipofuscinの増加などの変化がみられた. 大量投与群では上記の所見がさらに顕著で, 他にいわゆる“honeycomb structure”が顆粒細胞層の有髄線維軸索内に認められた.
    以上の所見より, 何らかの脂質代謝と関係があると考えられるが詳細は不明である. いずれにしろ, 本剤投与を受けた動物だけでなく, 在胎期間に投与を受けた動物, しかも常用量投与においても上記の変化が認められたことは, 本剤が広く, かつ長期間使用される抗けいれん剤であるだけに妊婦投与は充分な注意が必要と思われる.
  • 安倍 泰夫, 江口 光興
    1974 年 6 巻 6 号 p. 497-502
    発行日: 1974/11/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    1) 1カ月から14年8カ月にわたり抗痙攣剤の投与を受けている小児153例を対象とし, その内の81例 (52%) に血清ACPの異常値を認めた.
    2) 異常値を示した者38例について血清ACPのIsozymeを検索した結果, 肝由来の者12例 (32%), 骨由来の者23例 (61%), 他の3例 (7%) は両者を含んでいた.
    3) 血清Ca, P又はGOT, GPT, ZTTなどの値より, 血清AL-P値の異常が肝由来か骨由来かを判定することはできず, Isozymeの検索は抗痙攣剤によるCa, P代謝や肝への影響をうかがう1つのparameterになるものと思われた.
  • 1974 年 6 巻 6 号 p. 503-504
    発行日: 1974/11/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
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