脳と発達
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6 巻 , 4 号
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  • 白井 鎮夫, 牧 豊, 林 幹朗, 藤塚 万里子
    1974 年 6 巻 4 号 p. 254-261
    発行日: 1974/07/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    頭蓋内感染症に合併する脳主幹動脈の閉塞ないし狭窄の原因としては, i) 動脈炎ii) 機械的圧迫iii) 血管攣縮などが挙げられている.
    今回, Ag上, 脳底部主幹動脈に閉塞像のみとめられた結核性髄膜炎および硬膜下膿瘍のそれぞれ1例の検索の結果, 前者では動脈炎が, 後者では膿瘍被膜による機械的圧迫がその原因と考えられた.
    2) 結核性髄膜炎および化膿性髄膜炎の従来の報告のAg所見を集計したところ, 両者とも血管狭窄ないし閉塞がもつとも頻度の高い所見であることがあらためて確認された.
  • 埜中 征哉, 三池 輝久, 上野 留夫, 三吉野 産治
    1974 年 6 巻 4 号 p. 262-270
    発行日: 1974/07/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    乳児期後半に発症し比較的慢性経過をとつた乳児脊髄性筋萎縮症の2例に筋生検を行ない電顕的観察を行なつて次のような結果を得た.
    1) 萎縮筋については, 従来いわれている通り, myofilamentの乱れと消失, mitochondriaや小胞体の消失ないし空胞化, Z-lineの乱れ, myofibril間の離開, 核の変化等がみられた.しかし, 初期病変が何れの小器官に由来するかは, この2症例の病変がかなり進行していたので不明であつた.
    2) satellite細胞については数も多くなく, 又活動的な状態を示すものはなく, むしろ筋の変化と共に変化しているようであつた.
    3) 萎縮筋内にみられる筋紡錘, 末梢神経には全く異常を認めなかつた.
  • 折口 美弘, 埜中 征哉, 上野 留夫
    1974 年 6 巻 4 号 p. 271-277
    発行日: 1974/07/01
    公開日: 2011/08/23
    ジャーナル フリー
    臨床的にSjogren-Larsson症候群と診断した10才男児の症例の末梢神経について組織学的に検索した.右尺骨神経の末梢神経伝導速度は, 19.3m/sec.と減少していた.生検材料は右腓腹神経より採取し, 1%OsO4固定後, エポン包埋した.光顕的には, 有髄線維は直径8μ 以下であり, Schwann細胞増殖を伴った“onion-bulb”形成, 神経線維内鞘のfibrosisが認められた.電顕的には無髄線維の大きさ及び形態の不整, 有髄線維では軸索の鋸歯状変化が著明であつた.髄鞘の増殖, 髄鞘の軸索からの離断, 層状構造離開なども認められた.神経線維周囲のcollagen fibrilsの増殖も著明であつた.
    これらの (末梢) 神経変化をSjogren-Larsson症候群が常に伴うものか, 又偶然伴つたものかどうかは不明であつた.この症例は最初Refsum病との移行型とも考えられたが, この症例での血清phytanic acid値は正常であつた.この症例での末梢神経病変は変性変化というよりむしろ先天的形成不全と考えられた. (以上より) Sjogren-Larsson症候群は皮膚や中枢神経系だけでなく末梢神経をも含めた広汎な外胚葉組織の障害と考えられる.
  • 鈴木 暘子, 谷村 玲子, 宮崎 幸枝, 瀬川 昌也, 福山 幸夫, 添田 早智子, 香川 和子, 稲田 信子, 矢島 邦夫, 石津 棟暎
    1974 年 6 巻 4 号 p. 278-294
    発行日: 1974/07/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    Prader-Willi症候群3例の生検大腿四頭筋の組織学的検索により, 次の結果を得た.基本構築の破壊, 変性線維, 再生線維は認められず, phagccytosisと中心核がわずかに認められた.
    しかし, 3例中1例にのみ, 著明なendomysium, perimysiumへの結合織の浸潤と, 著明な線維径の大小不同が認められた.
    組織化学的には, 3例共にtype II fiber atrophy, type II fiber grouping, type II predominanceが認められた
    電顕的には, 筋フィラメントの一部消失, ミトコントリアと筋小胞体の膨化, グリコーゲン顆粒の増加と, Z帯の局所的蛇行が認められた.
    これらの筋組織変化の原因については, 過去に文献上多くの説があるが, 我々は, 廃用萎縮によるものではなく, Engelの述べた, 中枢神経系のcerebral infiuence (type trophic influence) によるものと考えている.
  • 鳥居 昭三, 古田 睦広
    1974 年 6 巻 4 号 p. 295-303
    発行日: 1974/07/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    韓国人新生児女児で, 母体は妊娠初期に病因不明の強い頭痛に悩まされた以外, 著変はなかつた.生直後より泣かず, 四肢強剛, 牙関緊急, 眼球上転瞳孔散大, 対光反射なく, 両側視神経乳頭蒼白.経過中, 嘔吐, 全身間代痙攣, 発熱, 紫斑肝脾腫を来し, 3カ月時死亡.生下時の頭部X線単純撮影には何ら異常を認めなかつたが, 死亡直前の気脳写にて, 著明な脳室周壁石灰沈着及び側脳室の拡大, 脳皮質の菲薄化を証明.剖検により著明な脳炎, 間質性肺炎, 肝炎, 淋巴節腫大を認めた.検査所見として, 髄液の細胞増多及び蛋峰著増, IgMの増量を証明.病因として検索したToxoplasma, Cytomegalovirusなどに関する免疫血清学的反応は凡て陰性.他の既知の病原も証明されなかつた.しかし何らかの感染による全身系統疾患に由る髄膜脳炎と考えられ, その病因としてvirusも疑われた.
  • 中根 允文, 森田 武東, 藤井 薫, 渡辺 鈴子
    1974 年 6 巻 4 号 p. 304-312
    発行日: 1974/07/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    現在10才になる女児に認められた興味ある経過を示した亜急性硬化性全脳炎の症例を報告する.
    1965年4月麻疹に罹患し, その後約6年して, 6才10ヵ月の時から知能低下と尿失禁が出現し, 徐々に悪化, まもなく視力低下, 歩行障害, ミオクローヌス発作などの症状も加わつた.脳波所見は臨床像の経過にほぼ平行して変化し, 7~8秒間隔で出現する周期性徐波の群発といつた典型的所見を示すようになつた.
    血清中の麻疹ウィルス抗体価はNTにおいて1, 024倍, CFで128倍と上昇を認めた.脊髄液の電気泳動によりγ-Globulinが19~32%と高値を示した.
    患児は発病後1年半より徐々に軽度ながら全般的に寛解が認められ, ミオクローヌス発作は消失し, 歩行障害も著明に改善し, かなりの意志の疎通が可能となつた.1973年2月からAmantadine-hydrochloride5mg/kg/dailyの投与を開始したが, 開始数日前より軽度改善の微候は見え始めており, 本例ではその効果は長期的には認めえず, 発症後2年経てから再び増悪し, 現在 (発症後3年) はFreemanの分類に従えばII-Cの段階に至つている.
  • 児玉 荘一, 根岸 宏邦, 荻野 仁志, 松尾 保
    1974 年 6 巻 4 号 p. 313-319
    発行日: 1974/07/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    点頭てんかんに対して, その脳内セロトニン代謝を観察する目的でVan Praagが提唱したprobenecid負荷, 及びprobenecid, 5HTPの同時負荷後の脳脊髄液中5HIAA値の動態, 又Serotonergic Agentsの下垂体機能に及ぼす影響を見る目的で, 5HTP負荷後の血中コーチゾル, 成長ホルモンを測定した結果.
    1.probenecid, 5HTP同時負荷後の脳脊髄液中5HIAA増加量は, 対照群に比し有意に低値を示した.2.点頭てんかんに対するACTH, Steroid療法の作用機序解明の目的で5HTP負荷後の血中コーチゾルを測定したところ, 血中コーチゾルのみならず成長ホルモン分泌においても, 対照群に比し有意に抵値を示した.
    以上の結果より, 点頭てんかんにおけるセロトニン代謝異常の成因は, L-Aromatic AminoacidDecarboxylase活性抵下によるものと考えた.
  • 小西 ユミ子, 青山 正征, 瀬川 昌也, 鴨下 重彦
    1974 年 6 巻 4 号 p. 320-327
    発行日: 1974/07/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    才5ヵ月の男児で, 全身の筋緊張低下, 白痴, EMGにより筋原性パターンを示し, 血清CPK値中等度増加, 顔面筋罹患, 膝関節拘縮を示す福山型先天性筋ジストロフィー症の剖検を経験し, 中枢神経病変として両側頭葉の無脳回, 前頭葉下部での左右半球の癒合, 前頭葉及び小脳の小多脳回, 大脳皮質の細胞構築の不規則性, 脊髄前角細胞の変性などの多彩な変化を認めた.筋ジストロフィー症に脳病変はなしとする従来の定説に検討を加え, 今後の症例の集積を望みたい.
  • 藤谷 健, 鴨下 重彦
    1974 年 6 巻 4 号 p. 328-331
    発行日: 1974/07/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
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