Prader-Willi症候群3例の生検大腿四頭筋の組織学的検索により, 次の結果を得た.基本構築の破壊, 変性線維, 再生線維は認められず, phagccytosisと中心核がわずかに認められた.
しかし, 3例中1例にのみ, 著明なendomysium, perimysiumへの結合織の浸潤と, 著明な線維径の大小不同が認められた.
組織化学的には, 3例共にtype II fiber atrophy, type II fiber grouping, type II predominanceが認められた
電顕的には, 筋フィラメントの一部消失, ミトコントリアと筋小胞体の膨化, グリコーゲン顆粒の増加と, Z帯の局所的蛇行が認められた.
これらの筋組織変化の原因については, 過去に文献上多くの説があるが, 我々は, 廃用萎縮によるものではなく, Engelの述べた, 中枢神経系のcerebral infiuence (type trophic influence) によるものと考えている.
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