脳と発達
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7 巻, 4 号
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  • 特に水頭症の所見を中心に
    門脇 弘孝, 今永 浩寿, 喜多村 孝一
    1975 年 7 巻 4 号 p. 256-262
    発行日: 1975/07/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    脳シンチグラフィーは, 簡便で, 安全かつ有効な検査法である.特に小児に於ては, 脳血管撮影, 気脳撮影等を施行する前に, 患者への負担が殆どかからない本検査法をまず施行すべきである.
    1970年1月から1972年12月迄の3年間に15才以下の小児235名にTc-99m pertechne-tateを静注して脳シンチグラフィーを施行した.我々は, そのうち特に水頭症のシンチグラム所見に注目してみた.非腫瘍性水頭症のシンチグラムは, 29例であり, その内訳は, noncom-muicating hydrocephalus ; 9, hydroencephalodysplasia ; 4, Chiari Arnold malformation ; 1, cranium bifidum;2, communicating・hydrocephalus;13である.
    noncommunicating hydrocephalusのシンチグラムでは, 一般にmidline structureが正常の場合より太く描出される.それは拡大した脳室に於ては, 相対的にR.I.activityが低くなり, 上矢状静脈洞のR.I.取り込みが相対的に高くなる為である.極端に髄液貯留部が巨大になると, 基底核部が陽性dotとなつてシンチグラム上に浮き彫りされてくる場合がある.これは上記と同じ理由から, 相対的に正常構造物である基底核部のR.I.取り込みが高くなつた為のものである.
    hydroencephalodysplasiaの例に於て, シンチグラム上midline structureがdysplasia側から他方へshiftする.これは, dysplasia側で巨大な髄液貯留のcystがある為である.
    cranium bifidumの例では, transverse sinus及び, confluenceの位置が高くなつており, 左右のtransverse sinusの作る角度が鋭角に近づいてくる.
  • 関 亨, 広瀬 誠, 小島 正典, 土橋 光俊
    1975 年 7 巻 4 号 p. 263-270
    発行日: 1975/07/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    1960年1月より1973年12月までに, 慶大小児科, 横須賀共済病院小児科, 横浜市民病院小児科において経験した流行性耳下腺炎の神経合併症45例について検討し次の成績を得た.
    1) 季節別発生数をみると, 春から夏が大多数を占めた.
    2) 発症年齢は, 3~8才が大多数を占めた.
    3) 唾液腺腫脹と神経合併症発症時期との関連をみると, 2日前から7日後までが大多数を占めた.
    4) 臨床病型では, 無菌性髄膜炎が33例73.3%, 難聴, 脳炎・脳症, 熱性けいれん各々3例6.7%, 髄膜症2例4.4%, 一側性けいれん1例2.2%であつた.
    5) 無菌性髄膜炎は, 全例予後良好なのに対し, 難聴, 脳炎・脳症は予後不良であつた.
    難聴は3例共回復しなかつた.ただし, 2例は短期間しか経過観察していない.脳炎・脳症は3例中2例が死亡している.
    難聴, 脳炎・脳症について文献的考察を行ないMumps弱毒生ワクチンの必要性を強調した.
  • 小児のてんかんを中心として
    岩瀬 勝彦
    1975 年 7 巻 4 号 p. 271-278
    発行日: 1975/07/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    磁気記録した脳波を逆転再生し, 随意運動開始に同期させて平均加算することにより, ヒトの頭皮上から随意運動開始に先行するゆっくりした負の電位変化-準備電位が出現することが知られている.
    てんかん児10名, 知能障害1名, モヤモヤ病の1名について随意指運動について検討した.てんかん児10名中7名, 知能障害児には準備電位が認められた.準備電位は随意運動開始前730msec~1600 msecに出現した.これは成人に比較して早くから出現する.準備電位の頭皮上の分布も正常成人と異なり, 随意運動と対側の運動領野に頭頂部より電位が大きかつた.正常成人では準備電位は頭頂部で最大である.こうしたことはてんかん児の準備電位のあり方の特徴かもわからない.難治性てんかんの2例では準備電位が認められなかつた.見出し語: 準備電位, てんかん
  • 水野 美彦, 瀬川 昌也
    1975 年 7 巻 4 号 p. 279-284
    発行日: 1975/07/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    抗コリソエステラービ剤 (抗Ch-E剤) に抵抗を示す小児重症筋無力症患者16名に, プレドニゾロン隔日大量療法を試みた.結果は著効5例, 有効3例, 軽度改善2例, 無効6例であつた.重篤な副作用は認められなかつた.初期増悪と低カリウム血症との関連が示唆された.使用の適応としては1) 抗Ch-E剤に抵抗する全身型症例, 2) 抗Ch-E剤に抵抗し, 発症より3年以内の眼筋型症例であるが, それ以外の症例に対しても最低1ヵ月は試みる価値がある.
  • 橋本 俊顕, 河野 登, 宮尾 益英
    1975 年 7 巻 4 号 p. 285-292
    発行日: 1975/07/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    1) 患児は7才のとき右下肢の運動障害で始まり, 2年7ヵ月の経過で緩解増悪をくり返し, MSまたはARDEMを思わせるものであつた.SLEを思わせる症状はほとんどみられなかつた.症状はステロイドに反応し改善を示した.
    2) 検査所見では赤沈中等度亢進, LEテスト, LE細胞および抗核抗体陽性, 髄液細胞数増加, 血清IgM上昇, 総コレステロール上昇を示した.
    3) 以上の様な臨床症状および検査所見より, 本例はFulfordら9) の提唱したlupoid sclerosisに一致すると思われる.
    4) 本例はSLEとMSの中間型と考えられ, SLE, lupoid sclerosis, MS, ARDEN, ADEMの間には病因論的に何らかの免疫学的関連がある可能性が考えられ, この点について文献的考察を行なつた.
  • 青柳 訓夫, 土田 富穂, 早川 勲
    1975 年 7 巻 4 号 p. 293-299
    発行日: 1975/07/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    脊髄腫瘍症状で発症したganglionic crest原発と考えられるneuroblastomaの症例を経験した.脊髄原発のneuroblastomaの稀有な事と60CoとEndoxan及びVincristineの併用療法後, 発症より2年半再発の徴候もなく生存している事の二点に興味ある症例として若干の文献的考察を加えて報告した.
  • 免疫学的検討を中心にして
    玉川 公子, 長谷川 浩道, 林 直行, 石原 昂
    1975 年 7 巻 4 号 p. 300-307
    発行日: 1975/07/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    重症心身障害児は感染 (特に呼吸器感染) に罹患しやすく, またこれがしばしば直接死因となる.この点について明らかにするために, 二, 三の免疫学的検索を重心児20例につき行なつた.また経管栄養前・後の感染件数についても調べた.
    結果は以下の如くである.
    1) 血清IgG, IgM値の上昇しているものが多かつた.
    2) 遅延型皮膚反応は対照と比べ差がなかつた.
    3) リンパ球のin vitroのPHAに対する反応性は4例の軽度低下例を除いてほぼ正常であつた.
    以上より検索した例の免疫機能には著しい低下はみとめられなかつた.
    4) 15例に, 日常, 食物の誤嚥がみとめられた.経管栄養法を採用することにより感染件数は著明に低下した.これらのことより, 反復する気道感染の主因は誤嚥であろうと考えられる
  • 木村 清次, 三室 厚子, 宮内 直子, 福山 幸夫
    1975 年 7 巻 4 号 p. 308-315
    発行日: 1975/07/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    1才5ヵ月で発症し, 移動性皮下結節が顕著にみられた男児皮膚筋炎例を, 臨床的, 組織的, 電顕的に検討した.
    1) 移動性皮下結節は, 組織的には血管病変を基盤とした非化膿性脂肪織炎および虚血性脂肪織壊死であり, 小児皮膚筋炎の特徴の一つとされる全身性血管病変による皮下脂肪織の病的修飾像と思われた.
    2) 筋, 皮下組織の動静脈の電顕所見では, 血管内皮細胞の小胞体内に, 膠原病のウイルス引き金説の発端となつた約250Aの径を持つtubular cytoplasmic inclusionが容易に認められた.この封入体の本態に関しては現在不明であるが, 膠原病に高頻度に認められる事より, 膠原病との関連性, 特に診断的価値について注目される.
  • 藪田 敬次郎
    1975 年 7 巻 4 号 p. 316
    発行日: 1975/07/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
  • 上出 弘之
    1975 年 7 巻 4 号 p. 317-319
    発行日: 1975/07/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
  • 福山 幸夫
    1975 年 7 巻 4 号 p. 320-324
    発行日: 1975/07/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
  • 福山 幸夫
    1975 年 7 巻 4 号 p. 324-325
    発行日: 1975/07/01
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
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