急性皮質盲を伴った小児痙攣性脳症5例(原因不明の急性脳症2例,para-infectiousencephalopathy3例)につき,脳波および視覚誘発電位(V.EP)による経時的検査を行ない,脳症の回復過程の検討を行なった.
1)追跡調査の結果,重症心身障害児4例,重度精神薄弱児1例がみとめられ,全例に重篤な後遺症をみとめた.なおLennox症候群3例がみとめられた.
2)視力障害の永続したものは4例であり,1例は10ヵ月を要して正常視力に回復した.
3)急性期における経時的脳波検査において,diffuselowvoltageまたはoccipitalfocallowvoltageを示した4例の視力は回復せず,これらは視力の予後不良を示唆する脳波型と考えられた.
4)全例に後頭部脳波異常をみとめ,後頭葉の障害が特に強いことが推測された.
5)急性期のV.EP.は全例出現せず,視力回復例と盲例との間に差はみられなかった.
6)V.EP.の経時的検査では,まず100msec.以上の潜時を有する1atecomponentsが出現したが,これは視覚機能を直接反映していないものと考えられた.
7)earlycomponentsのうち,第III波(潜時55~70msec.)の出現にほぼ一致して視力回復がみられ,視覚認知における第III波の重要性を示唆する知見と考えられた.以上から,急性皮質盲の病態生理の理解と予後推測における視覚誘発電位の応用の重要性を指摘した.
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