反復性髄膜炎を生じる原因の一つである先天性奇形の中でも稀な疾患であるtrans-ethmoidalencephaloceleの2例を報告した.
1)症例1は24才の男性.8才時より計8回の髄膜炎を反復し,頭蓋断層撮影,RI-cisternography等にてtransethmoidalencephaloceleと診断し,intraduralpatchを施行し,術後再発を見ない.
2)症例2は17才の男性.2才5ヵ月にて発症,以来計5回の髄膜炎を反復.第1例同様頭蓋断層撮影,RI-cisternographyの結果,transethmoidalencephaloceleと診断し,intraduralapproachによる根治手術を施行した.
3)反復性髄膜炎の起炎菌は,肺炎双球菌,インフルエンザ菌が多いが,肺炎双球菌による反復および10才以上のインフルエンザ菌による髄膜炎は,髄膜近傍に病巣源のあることが多く,その発見に努力すべきである.
4)反復性髄膜炎の原因としては,外傷,先天性奇形,免疫不全等があるが,中でもtransethmoidalencephaloceleは稀なためと,鼻腔内に限局している場合はことに外観に異常を伴わないことより見逃されることが多いなど診断上の困難性がある.
5)transethmoidalencephaloceleの診断は,臨床症状(反復性髄膜炎,鼻閉,鼻腔内腫瘤,髄液鼻漏等)にもとづき,頭蓋断層撮影が有力である.6)この治療に関しては,前頭開頭により硬膜内に脳脱部を切除し,硬膜欠損部は広範に大腿広筋膜を用いて覆うことが最良である.
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