沖縄地理
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最新号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 沖縄県宜野湾市の湧水の例
    池原 宇則, 伊藤 拓馬, 田代 豊
    2025 年25 巻 p. 1-8
    発行日: 2025/07/31
    公開日: 2025/09/30
    ジャーナル オープンアクセス
    沖縄県宜野湾市の普天間飛行場周辺に位置する伊佐ウフガー,メンダカリヒーガー,ヒャーカーガーの3地点において,湧水中の有機フッ素化合物(PFAS)濃度と降雨量との関係を明らかにした.伊佐ウフガーでは,30日積算降雨量とΣPFAS濃度(PFOS,PFOA,PFHxS濃度の合計と定義)とに正の相関がみられ,メンダカリヒーガーでは負の相関が認められた.ヒャーカーガーでは明瞭な関係は確認されなかった.これは地下水の流出過程の違いが長期的な30日積算降雨量との関係に反映されていることを示唆する.一方,降雨イベント後には,PFAS濃度は数日程度の短期間のうちに応答し,伊佐ウフガーではΣPFAS濃度が増加したのに対し,メンダカリヒーガーではΣPFAS濃度が低下した.この差異は,湧水地点からPFAS汚染源までの距離に起因する希釈効果によって解釈できる可能性がある.
  • 田代 豊
    2025 年25 巻 p. 9-13
    発行日: 2025/07/31
    公開日: 2025/09/30
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は沖縄県竹富町波照間島の砂浜(ニシパマ)において,沖合の礁池内および礁縁外側海底の17地点における底質を採取し,シルト含有量(SPSS)を測定した.農地排水が流入する地点正面の礁池内およびその沖の礁縁外側海底において,シルト含有量が高い地点が見られ,礁縁外側海底地点の一つで最大値110 kg/m3が観測された.1980年代に土地改良事業が実施された隆起サンゴ礁島嶼において,現在,農地排水が沿岸海域に顕著な赤土汚染を生じていることが示された.
  • ケッペンの気候区分を用いて
    座間味 潤也, 羽田 麻美
    2025 年25 巻 p. 15-30
    発行日: 2025/07/31
    公開日: 2025/09/30
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿では, ケッペンの気候区分法を用いて南西諸島の計69地点の気候区を分析し, 20世紀以降の南西諸島における気候の地域特性を明らかにした. 分析には, 気象庁の気象観測地点 (58地点) およびダムの雨量観測所 (11地点) のデータを使用した. 1901~2020年の気温と降水量データに基づき, (a) 直近30年間の平年値, (b) 120年間の10期平年値から気候型を分析し, 南西諸島の6つの地域を比較検討した. その結果, 1941~1970年の平年値 (1970年平年値) では南西諸島全域が温暖湿潤気候区 (Cfa) であったのに対し, 1951~1980年の平年値 (1980年平年値) から八重山諸島で熱帯雨林気候区 (Af) が出現した. 以降その範囲は拡大を続け, 1991~2020年の平年値 (2020年平年値) では南琉球と大東諸島でAfが広がり, 中琉球においてCfaとAfとの境界領域 (遷移帯) が現れた. 南西諸島では, 1980年平年値以降に熱帯気候区や遷移帯が発生し, 温暖化傾向がみられた.
  • 堀本 雅章
    2025 年25 巻 p. 31-40
    発行日: 2025/07/31
    公開日: 2025/09/30
    ジャーナル オープンアクセス
    臥蛇島が集団離島により無人島化して55年を経た.本研究は,2名の元臥蛇島住民からの聞き取りと先行研究,さらに関係資料から臥蛇島が集団離島に至った要因について考察することを研究目的とする.臥蛇島が含まれる鹿児島県十島村は,屋久島と奄美大島との間に位置する村である.臥蛇島は,明治から昭和初期にかけてはカツオ漁とカツオ節製造を主産業とし,焼畑での自給的な麦・イモ作を組み合わせ,トカラ列島の中では比較的富裕な島であった.しかし,水産業の低迷,日本が高度経済成長期に入り,中学校を終えた若者を中心に人口の流出が加速し,最後は艀作業が住民だけでは困難になり,船員の協力が必要となった.その他にも経済的に厳しくなったこと,インフラ整備の遅れ,船の欠航が多いこと,教育の問題などから島を離れ,最後に残った4家族だけでは,島を維持することは不可能となり,1970年に集団離島に至った.
  • 石川 友紀
    2025 年25 巻 p. 41-46
    発行日: 2025/07/31
    公開日: 2025/09/30
    ジャーナル オープンアクセス
  • デジタルライフタイムライン法による年譜作成
    宮内 久光
    2025 年25 巻 p. 47-66
    発行日: 2025/07/31
    公開日: 2025/10/01
    ジャーナル オープンアクセス
    移民一世が渡航した後に移民先国・地域でどのような時空間移動を行っていたのかという問いに対して,移民の経年データの入手が困難なために研究事例は少ない.そこで,本研究はWeb 上の各種データベースを活用することで,デジタル情報を短時間に容易に収集し,それをもとに移民の詳細な年譜を作成することができるデジタルライフタイムライン法を紹介する.今回は,1906 年に沖縄県西原村我謝集落からハワイへ渡航をして,そこで生涯を閉じたある男性を取り上げ,この方法で年譜を作成してみたところ,取得された53 のデジタル情報から極めて短時間に容易に詳細な年譜を作成することができた.更に,移動経歴に関するデジタル情報を用いて,この男性のハワイ渡航後の生涯にわたる空間的軌跡を描くことができた.そのような軌跡をとった要因を,男性を取り巻く社会経済構造と関連付けて考察するとともに,年譜作成過程で得た数々のデジタル情報からホスト社会におけるエスニックグループ,祖国日本,居住国アメリカとの関係性を描くことができた.
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