オレオサイエンス
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1 巻, 1 号
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総合論文
  • 西岡 琢哉, 有村 隆志
    2001 年1 巻1 号 p. 9-15,122
    発行日: 2001/01/01
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    光合成反応中心では, スペシャルペアと呼ばれるポルフィリン誘導体の二量体が, 電荷分離の初期過程で重要な役割を果たしている。この二量体の性質の解明は, 人工光合成反応や光エネルギー変換デバイス開発において極めて重要となる。これまでに, 数多くのポルフィリン二量体がスペシャルペアのモデル化合物として合成され, その光物性が研究されてきた。また, ポルフィリン二量体は, 分子認識にも応用されるようになっている。本稿では, ポルフィリン二量体システムにおける電子移動および分子認識に関する最近の研究を中心に紹介する。
  • -生理活性物質から省エネルギー材料まで-
    北本 大
    2001 年1 巻1 号 p. 17-31,122
    発行日: 2001/01/01
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    微生物により生産されるバイオサーファクタント (BS) は, 合成界面活性剤に比べて, 生体および環境適合性を始め多くの優れた特性を有している。BSの研究は石油利用技術に端を発しているが, 現在では, 食品, 化粧品, 医薬品産業から省エネルギー, 環境保全技術まで, 幅広い分野への応用が検討されている。特に, 糖脂質系BSは, 再生可能資源からの生産性, 生化学的機能の多面性で優位にあり, 今後最も発展が期待されているBSである。マンノシルエリスリトールリピドは, 酵母の生産する糖脂質系BSの一つであり, 優れた界面化学的特性 (表面・界面張力低下能, ベシクル集合能) を示すばかりでなく, 特異な抗微生物活性, 細胞分化誘導活性も有している。最近, この糖脂質が氷蓄熱システムにおいて, 氷粒子に対して優れた凝集抑制効果を示すことが判り, BSの新たな技術分野への展開が期待されている。
  • 酒井 俊郎, 酒井 秀樹, 加茂川 恵司, 阿部 正彦
    2001 年1 巻1 号 p. 33-46,122
    発行日: 2001/01/01
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    もし, 界面活性剤を添加することなくエマルションやマイクロエマルションのような微細粒子が調製できるならば, その液滴は高い疎水性を有する内部とクリアーかつ疎水性の高い界面を持ち, 従来のマイクロエマルション滴とは異なった物性を示すことが予想される。サーファクタントフリーエマルションは, 界面活性剤などの安定化剤が存在しないため熱力学的に不安定であり, 過飽和溶質分子による核形成や水中への有機溶媒 (溶質) の強制的な分散によって過渡的に調製される。サーファクタントフリーエマルションは, 最もシンプルな液/液分散系であるため, エマルションの成長過程や安定性機構, 液滴サイズの決定因子などの解明に有効であると考えられる。この総合論文では, 油滴の離散的な粒子径分布, 微細粒子の形成 (あるいは分散安定性) と油の粘度 (あるいは蒸気圧) との関係, SクラスとMクラス油滴の成長過程の違い, 油分子自身の構造の分散安定性に及ぼす影響, 第二油の混合のよる油滴の分散安定性などについて述べる。
  • 松郷 誠一, 小西 徹也
    2001 年1 巻1 号 p. 47-54,123
    発行日: 2001/01/01
    公開日: 2013/04/25
    ジャーナル フリー
    約60年前にポテトの成長因子として発見され, ミトコンドリアのケト酸脱水素酵素複合体の補欠分子として働いていることが明らかにされてからは, 長らくエネルギー代謝に関わる分子としてその役割が認識されていたリポ酸であるが, 最近, 強い抗酸化活性を持つことが明らかにされたことをきっかけに, その多彩な生理活性に注目が集まるようになった。本稿では, 1, 2-ジチオラン環を有するリポ酸及びその還元体であるジヒドロリポ酸の抗酸化活性を中心にこれまでの研究を紹介するとともに, 新たな誘導体の開発や最近活発に解明の進んでいる細胞情報伝達系におけるリポ酸の役割などにも触れ, リボ酸の生理的役割について考察を加える。
総説
  • 日高 久夫, 堀越 智, 趙 進才
    2001 年1 巻1 号 p. 55-73,123
    発行日: 2001/01/01
    公開日: 2013/04/25
    ジャーナル フリー
    界面活性剤の廃水処理は水質保全の立場から地球規模で重要な課題である。微生物を用いた活性汚泥法による生分解が広く行われているが, 界面活性剤の中で陽イオン系界面活性剤は生分解が困難で, 深刻な環境汚染を引き起こしている。このためn-型半導体二酸化チタン触媒を用いた光酸化分解がもっとも有効な方法の一つである。界面活性剤は, TiO2微粒子の不均-分散系中で光触媒的に分解し, 数段階の酸化過程を経てCO2ガスへ無機i化される。光触媒酸化の原理, 酸化反応の経時変化や光酸化中間生成物の定性や定量の結果についてまとめた。界面活性剤の化学構造に対する光分解メカニズムを詳細に解説した。光触媒による分解速度は, 種々の実験条件に大きく支配される。すなわち, (i) 光の波長 (水銀ランプ・キセノンランプ・太陽光類似ランプ・太陽光照射), (ii) 見掛上の量子効率, (iii) TiO2微粒子の粒子サイズまたは表面積, (iv) TiO2結晶系 (アナターゼやルチル) または貴金属担時触媒, (v) 基質濃度と化学構造, (vi) 溶存酸素量, (vii) TiO2の使用量, (viii) TiO2微粒子表面への吸着 (ζ電位) および (ix) pH依存性の諸因子がある。界面活性剤の種類に対する光照射TiO2表面への吸着や光分解速度は陰イオン系, 非イオン系, 陽イオン系界面活性剤の順に低下する。界面活性剤の官能基に関しては, 芳香環, オキシエチレン基, アルキル基の順に遅くなる。従って, 芳香環を有する活性剤はアルキル基のみを有する活性剤より光分解が容易である。さらに, 界面活性剤中の親水基は, それらの疎水基と比較して急速に分解が進行する。
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