オレオサイエンス
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1 巻, 5 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
総合論文
  • 沢木 泰彦
    2001 年1 巻5 号 p. 471-478,468
    発行日: 2001/05/01
    公開日: 2013/04/25
    ジャーナル フリー
    活性酸素種の生成と反応性について, 最近の展開を中心に述べた。三重項および一重項酸素の性質について簡単にまとめ, 三重項酸素の反応がスピン保存則によって遅くなることを強調した。過酸化水素, スーパーオキシドイオン, ヒドロキシラジカル, ヒドロペルオキシラジカルの反応性について比較した。電子吸引基を導入することにより, 反応性が大幅に向上することを示した。Xと酸素の付加物の構造と反応性について考察した。Xが炭素であるカルボニルオキシドは求核的酸化剤であり, 環状のジオキシランとは対照的な反応性である。同様にXがイオウであるパースルポキシドは求核的な反応性を示すが, アルコールが付加すると求電子性に変換する。Xが窒素であるニトロソオキシドは求電子性ラジカルとしての反応性を示す。NOx類の反応性についても重要な点をまとめて述べた。
  • 新野 康幸, 若原 孝次, 赤阪 健
    2001 年1 巻5 号 p. 479-484,468
    発行日: 2001/05/01
    公開日: 2013/04/25
    ジャーナル フリー
    C60およびC70に代表されるフラーレンの酸素化およびC60による一重項酸素等の活性酸素種の生成と消去について最近の報告をまとめた。
  • 小槻 日吉三, 篠原 俊夫, 藤岡 真悟
    2001 年1 巻5 号 p. 485-490,468
    発行日: 2001/05/01
    公開日: 2013/04/25
    ジャーナル フリー
    Baeyer-VWger酸化は, ちょうど100年前の1899年, Alfred BaeyerとVictor Villigerによって発見された反応であり, カルボニル化合物の対応するエステルやラクトン体への変換反応として, 有機合成化学上非常に有用な反応の一つとなっている。その不斉合成反応への適用としては, 酸化酵素を用いる系がよく知られているが, 純粋に有機化学的な手法としては限られている。本総説では, それらの最近の研究例から, (1) 不斉金属触媒を利用して基質を活性化する方法, (2) 基質それ自身に不斉源を導入する方法, (3) 不斉源を導入した不斉酸化試薬を用いる方法, の三種の方法について, その特徴や有用性を紹介する。
  • 西野 宏
    2001 年1 巻5 号 p. 491-501,469
    発行日: 2001/05/01
    公開日: 2013/04/25
    ジャーナル フリー
    酢酸マンガン (III) は1, 3-ジカルボニル化合物と酢酸中容易に配位子交換反応を起こし, 新たにマンガン (III) -エノレート錯体が反応系中で生成する。このマンガン (III) -エノレート錯体とアルケン類を100℃以上で反応させるとエノレートがアルケンに結合した炭素ラジカルが生成し, 引き続きマンガン (III) による酸化的分子内環化を経て, 4, 5-ジヒドロフラン類が生成する。マロン酸やマロンアミドを用いてα, ω-アルカジエン類と同様の反応を行うと, 分子間および分子内環化が起こり, 二環性および三環性ラクトン類やラクタム類が得られた。オリゴメチレン=ジ (3-オキソブタノエート) 類とα, ω一アルカジエン類との同様の反応はジヒドロフラン環を2つ縮環した大環状化合物をよい収率で与えた。得られた大環状化合物のいくつかはアルカリ金属イオンを包接することが確認された。一方, マンガン (III) -エノレート錯体とアルケン類を空気下23℃で反応させると同様の炭素ラジカルがゆっくり生成し, 空気中の酸素を捕捉してペルオキシラジカルが形成される。このペルオキシラジカルはマンガン (II) によって還元されて閉環し, 1, 2-ジオキサン-3-オール類を定量的に与えた。この反応で, ピロリジンジオンやピペリドン誘導体を使うと, 窒素複素環を縮環した1, 2-ジオキサン-3-オール類が得られた。得られた1, 2-ジオキサン-3-オール類の酸触媒分解は相当する置換フラン類を与えた。一方, アザビシクロペルオキシド類のパラジウム触媒水素化分解はペルオキシ酸素の一つが取り除かれたテトラヒドロフラン誘導体を与えた。以上のことから, 1, 3-ジカルボニル化合物とアルケン類のマンガン (III) に基づく酸化反応では反応条件を制御することでジヒドロフラン類, ラクトン類, 環状ペルオキシド類などが合成でき, この反応は有機合成上有用な方法である。
  • 山本 順寛
    2001 年1 巻5 号 p. 503-508,469
    発行日: 2001/05/01
    公開日: 2013/04/25
    ジャーナル フリー
    脂質酸化反応の新展開についてまとめた。生体成分中で最も酸化されやすいのは高度不飽和脂肪酸を含む脂質である。高度不飽和脂肪酸の酸化はフリーラジカル連鎖酸化を受け, 一つのラジカルが数百の脂質ヒドロペルオキシドの生成をもたらす。アラキドン酸の酸化ではイソプロスタンを含む多数の酸素が付加した生成物が出来る。有機溶媒中の高度不飽和脂肪酸の酸化反応性は, 含まれるビスアリル水素の数に比例するが, 水溶性ミセル系では逆になる。基質減少量に対する酸素消費量の比をみると不飽和度が増すにつれて1から3.4へと増加するので, ドコサヘキサエン酸由来のペルオキシルラジカルはリノール酸由来のペルオキシルラジカルよりも極性が高いと考えられる。ミセル核の中に位置するブチルヒドロキシルトルエンの減少速度は不飽和度が増すにつれて低下した。したがって, より高度の不飽和脂肪酸由来のペルオキシルラジカルはミセル表面に拡散し, 結果としてフリーラジカル酸化の停止反応が亢進し, 成長反応が抑制され, 酸化反応性が低くなる。筆者らは分析操作中のアーチファクト酸化のない信頼できる, ヒト血漿中のコレステロールリノレートのヒドロ (ペルオ) キシドの立体異性体の測定法を開発した。健常人の血漿から全てのコレステロールリノレートヒドロ (ペルオ) キシドの立体異性体が検出できた。したがって, フリーラジカル連鎖酸素酸化が確実に健常人でも進行していることが明らかになった。
総説
  • 二木 鋭雄, 野口 範子
    2001 年1 巻5 号 p. 509-514
    発行日: 2001/05/01
    公開日: 2013/04/25
    ジャーナル フリー
    現代はストレスの時代と言われている。化学的, 生物的, 物理的ならびに社会, 人間生活的な多種多様なストレスにわれわれは常にさらされている。一方, ストレスも両刃の剣であり, 生体にとって悪いストレス (Distress) に加え, 良いストレス (Eustress) もある。これらストレスから自らを守り, あるいはそれを利用して, より健康で質の高い生活を送るためにも, ストレスに対する生体の応答メカニズムを科学的に正しく解明, 理解すること, ストレスの負荷を検出, 測定すること, そしてそれに対処する方策を見出すことが重要である。オレオサイエンスの役割も含めて, ストレスの生命科学は, これからの重要な研究課題の一つとなるであろう。
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