オレオサイエンス
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11 巻, 1 号
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総説
  • 竹田 邦雄, 森山 佳子
    2011 年 11 巻 1 号 p. 3-10
    発行日: 2011/01/01
    公開日: 2013/07/18
    ジャーナル フリー
    まず, 界面活性剤とタンパク質の相互作用の一般的な紹介をする。この紹介の中で, 次の点を強調する。 (1) タンパク質との相互作用において, イオン性界面活性剤は, ミセルや会合体としてではなくモノマーとして, その平衡濃度が臨界ミセル濃度に到達するまでに結合し, 結果的にミセル状の会合体を形成する。 (2) イオン性界面活性剤によるタンパク質の構造変化において, ミセル状に結合している界面活性剤の中のごく一部の界面活性剤の親水基がタンパク質の極性残基に静電的に結合していることが重要な要素になる。続いて, 高温の熱変性下にあるウシ血清アルブミン (BSA) とミオグロビンの構造へのsodiumdodecyl sulfate (SDS) の保護効果の例を紹介する。 BSAとミオグロビンの二次構造変化はそれぞれ50℃と75℃以下の熱変性においては可逆的で, 熱で壊れた分は冷却すると回復する。この可逆性を失う高い温度領域の熱変性で, 低濃度のSDSによるこれらのタンパク質の構造に対する保護効果は現れる。このような現象は, 単に界面活性剤とタンパク質の2成分系では観測されず, 熱変性など他の影響を受けているタンパク質の構造だけに対して現れる。これは, 界面活性剤の新規な機能を示唆するものである。
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