オレオサイエンス
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12 巻, 3 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
特集総説論文
  • 石川 俊次, 野口 律奈
    2012 年12 巻3 号 p. 99-105
    発行日: 2012年
    公開日: 2015/02/01
    ジャーナル フリー
    動脈硬化性疾患はわが国における主要死因の一つである。修飾可能な環境因子,とくに食事や生活スタイルが動脈硬化性疾患の発症に大いに関係しているが,個々の食事要因の役割が最近,ようやく明らかになりつつある段階である。前向き疫学研究のメタ解析によって,食事飽和脂肪酸が冠疾患や心血管疾患のリスク増加に関与すると結論できるだけの明白なエビデンスがないことが示されている。これは動脈硬化症のリスクが飽和脂肪酸を置き換えるために使われた他の栄養素に影響を受けることを意味している。飽和脂肪酸の代わりに多価不飽和脂肪酸を摂ると冠疾患が減少し,飽和脂肪酸を炭水化物で置き換えると冠疾患リスクが高まることが示されている。しかし,ある研究で飽和脂肪酸を低GI値の炭水化物で置き換えると冠疾患のリスクは低下することが示唆されている。血清LDLの増加のみならず,HDLの低下やしばしば小型高密度LDLの増加を伴うトリグリセライドの増加は動脈硬化の進展を加速させることが知られる。飽和脂肪酸や飽和脂肪酸を置き換えるために使われる他の栄養素の脂質代謝への影響を理解することは重要である。多くの研究で鶏卵摂取と冠疾患・脳卒中との間に有意な相関は認められていない。しかし,臨床研究でコレステロール吸収を低下させることにより,心血管リスクを減少させることが報告されている。適正なコレステロール摂取についてさらなる研究が必要である。
  • 池田 郁男, 加藤 正樹
    2012 年12 巻3 号 p. 107-114
    発行日: 2012年
    公開日: 2015/02/01
    ジャーナル フリー
    コレステロールが小腸上皮細胞へ吸収されるためには小腸内腔で胆汁酸ミセルへの溶解が必須である。胆汁酸ミセルは小腸上皮細胞表面を覆う不撹拌水層を通過し細胞表面の微絨毛に近づくと,コレステロールはミセルを離れ単分子として微絨毛膜から取り込まれる。難吸収性の植物ステロールとの比較から,ミセルへの溶解性とミセルに対する親和性がステロール吸収を決定する要因であることが示唆された。以前は,微絨毛膜へのステロールの取り込みは単純拡散と考えられていたが,最近,NPC1L1による取り込みが主であることが明らかとなった。取り込まれたコレステロールや植物ステロールの一部は,ABCG5/ABCG8 により小腸内腔へ排出されることが示唆されている。ABCG5あるいはABCG8の遺伝的変異はABCG5/ABCG8の機能を障害しステロール吸収を高め,体内に植物ステロールが蓄積すると考えられる。小腸上皮細胞の小胞体に到達したコレステロールはACAT2により80%程度がエステル化されカイロミクロンに取り込まれ,リンパへと放出される。
  • 佐藤 匡央, 城内 文吾
    2012 年12 巻3 号 p. 115-123
    発行日: 2012年
    公開日: 2015/02/01
    ジャーナル フリー
    酸化コレステロールに関する論文は現在まで約3,000 報近く報告されている。多様な疾病にかかわることが報告され,その生理的意義としては(1)ステロイドホルモンの合成・作用への干渉,(2)胆汁酸合成の中間体,(3)動脈硬化発症促進および抑制,(4)LXR のリガンド,(5)コレステロール合成抑制, (6)脳内のコレステロール代謝の中間体,(7)食事由来酸化コレステロールによる脂質代謝の攪乱,が挙げられる。これらの全体像を正確に把握するためには酸化コレステロールの分析が同時に再現性よく行われることが重要である。
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