オレオサイエンス
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13 巻, 7 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
特集総説論文
  • 大島 広行
    2013 年13 巻7 号 p. 291-297
    発行日: 2013年
    公開日: 2016/02/01
    ジャーナル フリー
    コロイド粒子分散系における界面動電現象(外部電場中におけるコロイド粒子の電気泳動等)の理論について解説する。とくに,Smoluchowski,Hückel,Henry,Overbeekのそれぞれの理論について述べる。粒子のゼータ電位と粒子周囲の拡散電気二重層の役割,電気泳動遅延効果,緩和効果について解説する。また,Smoluchowskiの理論とHückel理論との違い,Overbeek理論から予測される電気泳動移動度の極大の存在をめぐる論争について述べる。最後に,1993年に始まる界面動電現象に関する国際シンポジウムELKINの歴史と最近の話題について述べる。
  • 足立 泰久, 小林 幹佳, Lili FENG, 辻本 陽子, 山下 祐司
    2013 年13 巻7 号 p. 299-307
    発行日: 2013年
    公開日: 2016/02/01
    ジャーナル フリー
    電気二重層は,今から200年以上も前にReussによって報告された界面動電現象の実験結果に引き続く50年以上の試行錯誤の結果,明らかにされた概念である。当時は,水溶液中で物質がイオンへ解離することは知られていなかった。その後,Smoluchowskiによって理論的にも明らかになった電気二重層の考え方に,イオンのBoltzmann分布の考え方が組み込まれ,拡散電気二重層の描像が導かれた。この描像を液中で接近しあう2つの帯電表面の相互作用に導入することによって,コロイド分散系の安定性を解析する理論的枠組み,すなわちDLVO理論が構築された。DLVO理論の有効性はコロイド粒子の凝集分散の閾値となる塩濃度(臨界凝集濃度)におけるイオンの価数の依存性(Schulze-Hardy則)との整合性から強調され,表面間力の直接測定で決定的なものとなった。しかし,現時点においてDLVO理論だけで,実用的な観点から求められるコロイド粒子の凝集分散挙動の予測に対し満足できる精度の情報は提供されない。本稿では,界面動電現象に関する研究の長い歴史的展開1)を踏まえ,最も単純な1次元平板問題からコロイド粒子の凝集現象と電気二重層とのかかわりを整理し,残された課題について解説する。
  • 前田 悠
    2013 年13 巻7 号 p. 309-314
    発行日: 2013年
    公開日: 2016/02/01
    ジャーナル フリー
    高分子電解質の対イオン凝縮の概念の起源と歴史的な展開を述べるとともに,凝縮した対イオンの微視的状態について,二,三の例を紹介した。その際,この概念が棒状形態の高分子イオンに特徴的なものであることを強調した。添加塩系の相加律についても紹介した。動電現象としては,高分子電解質の電気泳動を取り上げ,素抜け挙動の簡単な解説と,対イオン凝縮に関係する特徴的な現象として,対イオンの負の化学量論的輸率と移動度の飽和効果を解説した。最後に,いろいろな形態のコロイドイオンの場合に,対イオン凝縮の概念を拡張することを議論した。まとめとして,対イオン凝縮の操作的定義を三種類提案した。
  • 武田 真一
    2013 年13 巻7 号 p. 315-320
    発行日: 2013年
    公開日: 2016/02/01
    ジャーナル フリー
    濃厚コロイド系での界面動電現象について,最近とくに注目されている超音波式ゼータ電位測定法を中心に歴史的背景ならびに理論的背景,測定例を紹介した。理論的背景は沈降電位で観察される電気二重層の変形問題に深く関係しているので,この点を説明したのち,その類似の考え方としてコロイド振動電流法(CVI法)と電気音響法(ESA法)の概念を説明した。濃厚系では,粒子間相互作用の有無により理論式が大きく異なるので粒子間相互作用の有る系とない系での理論式を簡単に紹介した。
  • ~非線形界面動電現象の解明と応用~
    杉岡 秀行
    2013 年13 巻7 号 p. 321-328
    発行日: 2013年
    公開日: 2016/02/01
    ジャーナル フリー
    非線形界面動電現象は,印加電界と分極によって形成される電気二重層との相互作用により,電界の2乗に比例する電気浸透流を発生する現象である。従来の直流(DC)電気浸透と異なり,①交流(AC)駆動によって電気分解等のDC電圧問題を回避できること,②低電圧(~V)で大きな流速(~mm/s)が得られることより,マイクロ流体素子への応用が期待される。本稿では,マイクロ流体における線形及び非線形界面動電現象の基礎概念を解説した後,その応用例と今後の発展に重要となるイオンダイナミクスの基礎的な研究成果について,我々の研究を中心に紹介する。
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