オレオサイエンス
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17 巻, 11 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
特集総説論文
  • 内田 良一
    2017 年17 巻11 号 p. 529-538
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/08/05
    ジャーナル フリー

    皮膚の最外層を覆う表皮は,紫外線,乾燥,化学物質や病原微生物などの外界からの刺激を直接受けている。これら外界の影響を軽減し,正常な生体機能を維持するため,表皮は,複数種の防御(バリア)機能を備えている。表皮は機能的と性状的に異なる基底層,有棘層,顆粒層および角層の計四層から構成されるが,角層に殆どのバリア機能が集約されている。脂質は,角層の細胞間で表皮透過バリアを形成している。特に,他の組織に類をみない多様な分子種からなるセラミドは,バリア形成に必須な脂質となっている。また,セラミドの代謝産物は,セラミドと同様に表皮透過バリアの形成に関与するだけでなく,有核の表皮層(基底層,有棘層,顆粒層)において,情報伝達物質として,抗菌ペプチドの産生を調節し,抗菌バリアの形成に寄与している。

  • 坂本 一民
    2017 年17 巻11 号 p. 539-548
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/08/05
    ジャーナル フリー

    角層は表皮細胞の代謝物として人体の最外部に位置する厚さわずか10~30 μmの薄膜層であるが,体内からの水の蒸散を制御し外部からの物質の侵襲を防ぎ,陸棲動物としてのヒトの生存の鍵となるバリアーである。その構造は煉瓦に例えられる角層細胞と,その周りを塗り固めたモルタルに例えられるラメラ状に配列した半固形水和ゲル状態の細胞間脂質(SCL)からなり,セラミドとコレステロールと遊離脂肪酸を主成分とし,他の生体膜に見られない構造と機能を持つ。本稿は角層のバリア機能の中心的役割を果たしている角層細胞間脂質(SCL)の構造と機能について物理化学的視点から解説する。

  • 杉林 堅次
    2017 年17 巻11 号 p. 549-558
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/08/05
    ジャーナル フリー

    簡便なDDSとしての外用剤と経皮吸収型製剤(TDDS)を今後さらに開発・発展させていくためには,皮膚の構造について理解し,薬物の経皮吸収について十分理解することが必要である。ここでは,経皮吸収経路とその速度論について,さらには特に外用剤の評価で重要となる皮膚中濃度動態について解説した。また,実用化に当たって重要である吸収促進剤の利用や外部エネルギーを利用した製剤化に関しても説明した。今後は,AIやIoTの発展に伴い全く新しいタイプのTDDSが世に出ると期待される。今はまさに将来のために過去を振り返る時であると思われる。

  • -局所作用や全身作用を目的とした貼付剤の有用性-
    山内 仁史
    2017 年17 巻11 号 p. 559-565
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/08/05
    ジャーナル フリー

    貼付剤としてのパップ剤と経皮吸収製剤の有用性について示す。ケトプロフェン含有パップ剤はアルミニウムとポリアクリル酸ナトリウムからなる網目構造からなる水和ゲルであり,ケトプロフェンのパップ剤中からの放出や皮膚への吸収は良好である。マイクロダイアリシス試験によりミニブタでの経皮吸収性の実験を行ったところ,パップ剤適用部位において,ケトプロフェンの経皮吸収性が認められ,局所投与の効果が確認された。また粘着力試験法も新たに日本薬局方に収載され,よりエビデンスの高い製剤となろう。経皮吸収製剤の開発において添加物としての粘着剤は重要である。新規アクリル系粘着剤のAAEM-adを開発し,ツロブテロールをモデル薬物としたときに,薬物の放出性や皮膚透過性は良好な結果を示した。 さらに経皮投与時のヒトでの血中濃度を既販売の製品と比べたときに,生物学的同等性が得られた。第17改正日本薬局方では粘着力試験法が,皮膚適用製剤の放出試験方法とともに収載され,より高いエビデンスのある製剤として確立されてゆくであろう。

  • 勝見 英正, 権 英淑, 神山 文男, 山本 昌
    2017 年17 巻11 号 p. 567-574
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/08/05
    ジャーナル フリー

    マイクロニードルは数百ミクロンの微細針を皮膚に適用することにより,微細針に表面塗布または内部に含有された薬物を皮膚内で放出させる経皮投与法である。1990年代にHenryらが初めてマイクロニードルを経皮吸収の研究に用いて以来,薬物の経皮送達を目的として,様々な素材,形状及びサイズのマイクロニードルが製造されている。本稿では,新しい経皮吸収製剤として注目を集めているマイクロニードルを用いた薬物の経皮吸収促進法について,開発の歴史,製剤学的特徴や開発動向の観点から概説するとともに,臨床応用に向けてのマイクロニードルの要求性能についても議論する。

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