オレオサイエンス
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2 巻 , 2 号
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総合論文
  • 井上 良計, 金田 輝之
    2002 年 2 巻 2 号 p. 67-74,65
    発行日: 2002/02/01
    公開日: 2013/04/25
    ジャーナル フリー
    DHA結合型リン脂質 (DHA-PL) の原料と抽出方法および濃縮方法ついて, 魚またその卵を用いて検討した。DHAを含有した卵黄油については, DHAを鶏に食べさせる事で得られ, 卵黄油中のDHA含有量は含水アルコールで抽出する事により増大した。
    DHA-PLは血漿コレステロール濃度の低下作用や赤血球の変形能を向上させる事が報告されている。また脳卒中易発症自然発症高血圧ラット (SHR-SP) にDHA-PLを15週間投与すると寿命が明らかに延長した。DHA-PLを投与する事による血圧の変化は観察されなかった。DHA-PLの美白効果についても報告されている。
    DHA-PLはDHAのエチルエステルやDHAを含むトリグリセリドと比べて酸化されにくい。
    本総説では, DHA-PLの生理作用に関する最近の研究についてまとめた。
  • 日比野 英彦
    2002 年 2 巻 2 号 p. 75-84,65
    発行日: 2002/02/01
    公開日: 2013/04/25
    ジャーナル フリー
    2-ドコサヘキサエノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン (2-DHA-PC) は有益な生理効果を持つことが示されて来た。分化誘導活性化、学習能促進活性化、睡眠時間延長及び記憶維持延長に関する2-DHA-PCの有益な生理効果がインビトロやインビボの研究で実験されてきた。
    2-DHA-PCは以下の工程で半合成した。
    1.DHAは一10~+1℃でオキサリルクロライドとの反応によって高収率でDHAクロライドに変換される。
    2.天然権造のsn-グリセロ-3-ホスホコリン (GPC) はメタノール中でナトリウムメチレートによるメチル化でホスファチジルコリン (PC) から造られる。
    3.1構造既定PCは50℃で4等量ヘキサメチルリン酸トリアミド (HMPT) によってsn-1位結合予定脂肪酸クロライドとGPCによって造られる。1-アシル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン (LPC) はホスホリパーゼA2によって構造既定PCの加水分解で調製される。
    3.2LPCは40℃で1.2等量HMPTによってsn-1位結合予定脂肪酸クロライドとGPCによって造られる。
    4.2-DHA-PCはクロロホルム中で触媒4-ジメチルアミノピリジンを用いてDHAクロライドをLPCに導入することによって調製される。
  • 酒井 正士, 片岡 豪人, 工藤 聰
    2002 年 2 巻 2 号 p. 85-90,66
    発行日: 2002/02/01
    公開日: 2013/04/25
    ジャーナル フリー
    ホスファチジルセリン (PS) は脳に存在する主要な酸性りん脂質であり, 古くから脳機能との関連で研究が進められてきた。
    1986年にはDelwaideらが, 牛脳由来ホスファチジルセリン (牛脳PS) を老人性痴呆症患者に経口投与することにより症状が回復することを初めて報告した。これ以後, 欧米で10件を超える二重盲検試験が行われ, いずれの場合にも老人性痴呆症に対する有効性が確認されている。特に494人の老人患者を対象としたイタリアにおける臨床試験では, 抗痴呆剤として牛脳PSを摂取することにより, 副作用は認められず行動と知的能力のパラメータが改善されることが示されている。
    しかしながら, 牛脳には感染性スポンジ脳症を媒介する恐れもあることから, 安全性の観点から見て食品素材としては適していない。また, 牛脳から得られるPS量はそれほど多くなく, 安全で充分な量を確保できる天然素材は他に見当たらない。この問題を解決するため, ホスホリパーゼDを用いて大豆レシチンとL-セリンとを原料にPS (大豆転移PS) を製造する技術が開発された。
    大豆転移PSの脂肪酸組成は牛脳PSとはかなり異なるが, 牛脳PSと同様にスコポラミンで誘発した齧歯類の記憶障害を回復させた。さらに, 老齢ラットに大豆転移PSを連日投与した結果, 牛脳PSと同様に水迷路試験の成績が回復したことから, 大豆転移PSも牛脳PSと同様の効果を持つことが期待される。
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