オレオサイエンス
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4 巻, 1 号
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総合論文
  • 大矢 裕一
    2004 年4 巻1 号 p. 5-10,3
    発行日: 2004/01/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    生体系では, 多数の分子・高分子が非共有結合的な相互作用によって組織化しており, 同種あるいは異種の分子や原子団 (官能基) が集合・配列化すると同時にそれらが動的かつ協同的に働くことにより, 単独の分子が持ち得ない高次の機能を発生せしめている。意図した順序や間隔で分子を並べることができれば, bottom-up型のナノテクノロジーへの大きな貢献が見込まれる。天然の光合成システムでは適切な間隔と配向でポルフィリン類縁体が空間配置することで, 高効率な光エネルギー移動を可能にしている。従って, 蛍光性クロモフォアをエネルギー順位の順で空間的に配置させれば, 天然の光合成システムに倣った人工光合成システムのモデルが構築できると考えられる。DNAは相補的水素結合による高い認識能と結合能を有し, そのシーケンスを変化させることにより容易に結合基の組み合わせ (binding donor, binding acceptor) を調製できるので, 分子と分子をプログラマブルに配列化させる「分子のり (molecular glue) 」として, 自己組織的にナノメータースケールの分子組織体を構築するのに極めて有効である。筆者らは, こうしたDNAの特性を利用してクロモフォアモデルとして芳香族化合物をコアとして2本のoligo-DNA鎖を逆方向に伸長したoligo-DNAdimerを用いて一次元の多重会合体を構築することに成功した。また, 末端を蛍光性クロモフオアで修飾した10残基oligo-DNAと30-40残基のマトリックスDNAを用いることにより, シーケンシャルなクロモフォア・アレイを構築し, そのクロモフォア問での多段階の光エネルギー移動が起こることも確認した。こうしたoligo-DNAとクロモフォアからなる分子組織体は, 人工光合成システムのモデルとしての光エネルギーの伝達・変換システムの構築やナノメータースケールの機能分子組織体構築に有用であろうと考えられる。
  • 友廣 岳則
    2004 年4 巻1 号 p. 11-17,3
    発行日: 2004/01/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    物質がナノサイズまで小さくなると表面積/体積比が増大するだけではなく, 例えばブラウン運動など運動性や反応性は熱的な揺らぎや量子的な揺らぎに支配されるようになる。半導体物質では発光特性などに量子サイズ効果等が生じ, 磁性現象における量子トンネル効果など多様な独特な物理的性質を示す。最近ではこれらをバイオ領域に応用しようとする技術が展開している。例えば機能性高分子や磁性粒子による生体分子の分離システムや金粒子を使ったバイオセンシング技術, また量子ドットによる標識化技術など, ここでは主に数nmから数百nmサイズの粒子を用いた生体分子の検出と精製, バイオシステムへの応用等について最近のトピックスを中心に解説する。
  • 今堀 博
    2004 年4 巻1 号 p. 19-24,4
    発行日: 2004/01/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    光合成を模倣したナノサイズの光電変換デバイスの構築は, 分子デバイスを開発していく上で重要な知見を与えるであろう。著者らはポルフィリンとフラーレンを用いると, 光合成のように電荷分離状態を効率よく生成し, 一方で逆電子移動による失活を抑制できることを見出した。その原理を適用して, ポルフイリン・フラーレン連結系で秒レベルの超長寿命電荷分離状態の生成に成功した。さらに光合成のような超分子複合体を人工的に構築するにあたり, 自己組織化単分子膜が有効であることを実証してきた。特に電極上で自己組織化単分子膜を用いて, 人工アンテナ分子と電荷分離分子を共役させ, 高い光電変換効率を達成した。今後, ナノ構造を制御することで, 実用的なレベルの人工光合成を達成することが期待できる。
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