オレオサイエンス
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4 巻, 4 号
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総合論文
  • 東城 博雅
    2004 年 4 巻 4 号 p. 147-156,146
    発行日: 2004/04/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    エレクトロスプレーイオン化 (ESI) 質量分析法の進歩によって多種類の脂質の分子種組成を迅速に評価できるようになってきた。脂質は表面活性化合物であるため, イオン性のリン脂質だけでなく多くの中性脂質がESIにより高い効率でイオン化できる。常法の二層分離法により抽出した脂質を直接分析して各種脂質の分子種組成を調べるのに二つの方法が用いられている。ひとつは、他の分離技術を用いずに特定の脂質群のイオン化効率が高くなる溶媒条件下に、プリカーサイオンスキャンやニュートラルロススキャンなどのタンデム質量分析の技術を駆使する方法である。もう一つは、順相高速液体クロマトグラフィーで中性脂質からリン脂質にわたり一斉分離して質量分析計にオンライン接続して分析する方法である。これらの方法により効率の良い脂質メタボローム解析が可能になる。病態解析・創薬研究の牽引役であるプロテオミックスのパートナーとして脂質メタボロミックスの活躍が期待できる。
  • 森山 達哉
    2004 年 4 巻 4 号 p. 157-166,146
    発行日: 2004/04/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    近年, 様々な新しい蛍光試薬が開発されてきている。これらは核酸やタンパク質などの染色や標識に多用されている。また, これらの新しい蛍光試薬の検出のための高感度蛍光検出装置の発展もめざましい。とくに, 蛍光スキャナや蛍光イメージャーはその汎用性などから近年広く普及してきた。これらの装置は, TLCなどで分離された脂質種を蛍光試薬で染色し, 定量することにも用いられる。中性脂質やリン脂質をTLCにて分離した後, ローダミン, ジクロロフルオレセイン, プリムリンなどの蛍光試薬にて染色し, レーザー蛍光スキャナにて検出・定量した。また, 最近では多くの種類の蛍光標識脂質が開発されており, さまざまな実験に用いられている。これらの脂質の蛍光検出を用いた実験手法は, ポストゲノム時代の脂質研究に有益に適用できるものと考えられる。
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