薬物送達システムの一分野である微粒子製剤は, 過去数十年間にリボソーム, マイクロカプセル, マイクロエマルション等の研究が盛んに行われ, アムホテリシンBやドキソルビシンのリボソーム製剤等が実用に至っている。その後の微粒子製剤に用いられる素材や製剤技術の進歩により, 現在では様々なナノサイズでの微粒子製剤の作製が可能となり, 薬物固有の治療上の問題を解決する一助となることが期待される。本稿では, 2種の抗悪性腫瘍薬パクリタキセルおよびドキソルビシンを事例として取り上げた。薬物の性質, 現在の製剤処方と用法, 臨床使用上改善が望まれる点を示し, 最近のin vivoの研究成績を紹介してこれらの問題点を解決するための微粒子製剤の応用について論じた。最適な技術や付加機能を用いて作製した微粒子製剤は, 薬物の治療効果を高め, 副作用を軽減する有用な手段となりうると考えられる。
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