オレオサイエンス
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5 巻, 5 号
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総合論文
  • 高田 十志和
    2005 年5 巻5 号 p. 209-217
    発行日: 2005/05/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    この総説では新しい超分子ポリマーであるポリ [3] ロタキサンとポリロタキサンゲルの開発研究を中心にまとめた。実際の結果に入る前に, ロタキサンやカテナンといったインターロック結合化合物の構造特性と応用性について述べた。また, ロタキサンの合成法について分類し, それぞれの方法について紹介した。ポリ [3] ロタキサンとポリロタキサンゲルの基礎として, チオールージスルフィド交換反応をダンベル型ジスルフィドとクラウンエーテルの混合物に適用する新しいロタキサン合成法を開発した。この方法で [2] ロタキサンと [3] ロタキサンをそれぞれ90%の収率で得た。チオールージスルフィド交換反応は平衡反応であったので, ロタキサンの生成は温度や濃度によってコントロール可能であった。ついでこのロタキサン合成法を2官能性のダンベル分子とクラウンエーテルに応用し, ポリ [3] ロタキサンを得た。その分子量は20000-60000であった。さらに, 単官能のクラウンエーテルの代わりにポリクラウンエーテルを用いることでポリロタキサンゲルを定量的に合成した。このゲルはDMFやDMSOのような有機溶媒で膨潤し, 透明で弾力のあるゲルとなった。この系が平衡であることを利用して, 架橋ポリマーとしてのゲルポリマーのリサイクル性を検討した。その結果, ゲルをDMF中70℃で処理することで出発原料を含む均一溶液となり, このゲルの架橋高分子としてのリサイクル性が示唆された。
  • 英 謙二
    2005 年5 巻5 号 p. 219-228
    発行日: 2005/05/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    溶媒に添加すると増粘現象を起こしたりゲル化したりする低分子化合物を紹介した。前者は増粘剤とよばれ, 後者はゲル化剤と呼ばれる。増粘現象やゲル化の原動力はともに水素結合や静電相互作用, ファンデルワールスカ, π-π相互作用などの非共有結合である。
    昏たとえば, トリ3, 7-ジメチルオクチル1, 3, 5-ベンゼントリカルボキサミドはシクロヘキサンを増粘し, 30gL1の濃度では20℃で20,000cPになる。トリ3, 7一ジメチルオクチルcis-1, 3, 5-シクロヘキサントリカルボキサミドもまた四塩化炭素, シクロヘキサン, ベンゼン, ピリジンなどに対し増粘を惹き起こす。5-アミノイソフタル酸ジメチルから合成した1一オクタデシルアミノー3, 5一ビス (2一エチルヘキシルアミノカルボニル) ベンゼンはヘキサン, シクロヘキサン, 芳香族溶媒, メタクリル酸メチル, スチレン, 軽油などを増粘化する。特に15gL-1のトルエン溶液の粘度は20℃では38,500cPである。また, その粘度は温度上昇とともに劇的に低下する。
    ゲル化剤としてアミノ酸誘導体, 環状ジペプチド, アミホープLL(R)誘導体, trans-1, 2-シクロヘキサンジァミン誘導体を紹介した。ゲル化剤によるゲル化はゲル化剤分子が水素結合や静電相互作用, ファンデルワールスカ, π-π相互作用などの非共有結合をとおして自己会合し高分子様の巨大会合体に成長し, 絡まって3次元網目構造を作るために起こる。一方, 増粘現象は3次元網目構造ではなく高分子様の超分子集合体を形成する。3次元網目構造を形成できないとき増粘剤としての性質が現れると考えられる。
  • 森川 全章, 君塚 信夫
    2005 年5 巻5 号 p. 229-236
    発行日: 2005/05/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    異種の分子が会合して両親媒性を獲得する場合, 分子ペアを基本単位構造とするメゾスコピック系超分子組織体が得られる。単独で低秩序の会合体しか形成しないカチオン性のアミノ酸誘導体とアニオン性の発色団が相互作用すると, 光捕集機能を示す分子組織性ハイドロゲルが自発的に形成される。この分子ペアリングに基づく両親媒性獲得の概念は広く適用でき, コンビナトリアル的な分子ペアリングにより, 生命分子であるアデノシン三リン酸 (ATP) が機能性ナノワイヤーの構成要素となることを明らかにした。分子集合構造を分子レベルでプログラムすることが可能な系としては, DNA鎖をサブユニットとするアプローチが有名であり, その最近の展開についても述べる。異種のサブユニット分子のペアリング技術は, ナノ材料科学の展開に資するものと期待される。
    本稿ではさらに, 界面の特徴を活かした生体高分子の集積技術として, 有機溶媒/水マイクロ界面におけるヘリックス性ポリペプチドの中空マイクロ粒子形成について紹介する。
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