オレオサイエンス
Online ISSN : 2187-3461
Print ISSN : 1345-8949
ISSN-L : 1345-8949
6 巻, 4 号
選択された号の論文の2件中1~2を表示しています
総合論文
  • 脂肪酸組成の改良を中心として
    山守 誠
    2006 年6 巻4 号 p. 189-194
    発行日: 2006/04/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    ナタネ油は日本の主要な食用油であり, ほとんどはカナダおよびオーストラリアから輸入・搾油される。国内のナタネは1960年代以降激減したが, 東北農業研究センターは5つの無エルシン酸品種を育成してきた。そのうちキラリボシはグルコシノレートも少ないダブルロー品質である。これらの品種は秋まき型であり, 収量は10aあたり300kgの試験成績を示している。世界的にはダブルロー品質がナタネの標準であり, 育種利用を目指して, 数種の脂肪酸に対するDNAマーカーの開発が進んでいる。突然変異育種はナタネのオレイン酸の高含量化, あるいはリノレン酸の低減化を可能としている。さらに高オレイン酸と低リノレン酸の成分特性を併せ持ち, 油が酸化しにくい高品質な品種も生まれている。また, 油の合成経路が解明されるにつれて, 関連酵素の遺伝子組み換えによってラウリン酸, ミリスチン酸またはステアリン酸が高まった新規なナタネも作出されるようになった。我々の研究室のナタネ育種目標は, 高収量が第一であるが, 栽培の振興に役立てるためにダブルローや高オレイン酸などの特徴ある油も重視している。
  • 高木 胖, 穴井 豊昭
    2006 年6 巻4 号 p. 195-203
    発行日: 2006/04/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    ダイズ油は, マーガリン, ショートニング, サラダ油, 揚げ物用に使用されており, 消費量の多い食用油脂である。ダイズ油中の多価不飽和脂肪酸を減少させる改良 (オレイン酸含量を増加させリノール酸とリノレン酸含量を減少させる) は, 人の健康にまたダイズ油の酸化安定性の向上には極めて有効である。しかしながら, ダイズでは, オレイン酸とリノレン酸の含量を変える遺伝資源が限られていることから, 突然変異体の利用が有効であると考えられ, 化学物質やX線照射等による遺伝変異の拡大が図られてきた。その結果, これまでに, 高・低のパルミチン酸含量, 高ステアリン酸含量, 高オレイン酸含量, 低リノレン酸含量の諸種の突然変異が得られるとともに, これらの脂肪酸組成を支配する主動遺伝子の支配が明らかにされてきた。現在では, これらの突然変異遺伝子を組合せることで, これまでにない新しい脂肪酸組成を持つダイズの育種が可能となっている。本報告では, ダイズの脂肪酸組成を大きく変える新しい遺伝子の発見を中心として, 50%を越える高オレイン酸含量で3%以下の低リノレン酸含量となるダイズの作出に至る最近の育種の進歩について述べる。
feedback
Top