オレオサイエンス
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8 巻, 11 号
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特集総合論文
  • 野口 俊治
    2008 年8 巻11 号 p. 479-485
    発行日: 2008/11/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    本稿では, 変化する生活環境や消費者ニーズを捉え, 絶え間なく進歩してきた日本における衣料用粉末洗剤の商品・技術について紹介する。日本における衣料用洗剤は, 年間約77万t生産されており, われわれの生活に密着した製品である。1987年にコンパクトタイプの衣料用粉末洗剤が発売され, 日本市場において瞬く間にコンパクト洗剤へと置き換わって行った。その後も更なるコンパクト化や新形態の洗剤が発売された。一方, 2001年には洗濯環境や消費者ニーズの変化を捉えて溶解性を飛躍的に向上させ, 洗浄性能も一層強化した新型洗剤が発売された。近年では, 洗剤の基本性能に漂白・除菌・柔軟性等の付加機能を付与した洗剤が相次いで発売されている。これら進歩する洗剤の背景には, 新しい製造技術や洗剤原料の技術開発が積極的に進められてきた。
  • 洗浄力評価法および新しい洗剤機能に関して
    蓼沼 裕彦
    2008 年8 巻11 号 p. 487-493
    発行日: 2008/11/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    衣料用洗剤に求められる最も基本となる機能は, 衣料に付着した汚れを除去する洗浄性能である。衣料に付着する汚れは千差万別で, 繊維や洗濯条件によっても洗浄性能は大きく変化するため, 特に合成洗剤が市販されて以降, 洗浄力の試験法についても活発に研究されてきた。最近では, 洗濯環境の変化に伴い, 洗剤に求められる機能の幅も広がっている。本稿では, 今年40回を迎える洗浄に関するシンポジウムを振り返りながら, 汚れや試験法, 及び近年の洗剤の機能について述べる。
  • 長谷川 富市
    2008 年8 巻11 号 p. 495-501
    発行日: 2008/11/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    洗濯洗浄における機械力を, 布の変形と摩擦に対する寄与および洗液の流れに対する寄与に分け, それぞれについて従来の研究結果を紹介し, その位置づけと意味するところを述べた。また, 機械力を積極的に利用して洗浄に必要なエネルギーや洗剤を減らす方法についても言及した。さらに, 洗液の流体力学的特性や動的表面張力についても記した。とくに, 布に与えたエネルギーはある値以下では洗浄に有効に働くけれども, その値以上では洗浄に有効に働かないこと, および, 洗剤水溶液は汚れの付着力を弱めるという化学的作用の他に, 糸あるいは繊維問流れの流動抵抗を減少させ水に比べて大きな流量を実現させることにより汚れを落とす効果のあることが述べられている。
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