オレオサイエンス
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8 巻, 7 号
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特集総合論文
  • 渡辺 啓
    2008 年8 巻7 号 p. 285-291
    発行日: 2008/07/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    界面活性剤は溶媒中で会合してさまざまな会合体を形成する。会合体の特性を理解することは, 工業製品の性能や品質の向上に繋がる。本稿では, HLB (親水性-親油性バランス) を制御することによるスポンジ相の生成およびマイクロエマルションキュービック相への油の可溶化量の向上について検討した結果を紹介する。親水性の高いアニオン性界面活性剤のHLBを制御する目的で, オレイン酸をコサーファクタントとして用いた。その結果, オレイン酸は, 親油性の臨界充填パラメータによるHLB制御効果に加え, 親水基同士の静電的な反発を抑制するという複合的な効果を有することが明らかになった。オレイン酸の添加は, 使用できる成分に制限のある系においても適用できる新しいHLB制御法であることが明らかになった。これらの結果を踏まえ, 高洗浄力な環境対応型洗浄剤の開発に繋げた。
  • 大口 健司
    2008 年8 巻7 号 p. 293-298
    発行日: 2008/07/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    メラニンは, アミノ酸の一種であるチロシンを出発物質として, さまざまな酸化反応を経て生じた化合物が重合した高分子有色物質である。メラニンの生合成 (メラノジェネシス) は, 皮膚色素細胞 (メラノサイト) により行われる。メラノジェネシスは, 細胞内外のシグナリングにより厳密に制御されているが, その詳細な分子メカニズムについては十分に明らかにされていない。これまでにわれわれは, メラノジェネシスを調節する細胞内分子機構の解析研究を進めており, リン脂質分解酵素の一種であるホスホリパーゼD1 (PLD1) が, メラニン生成を抑制するレギュレーターとして機能することを見出した。PLD1は, 細胞膜の主成分であるホスファチジルコリンを加水分解し, ホスファチジン酸 (PA) を産生する。 PAは, 種々の細胞内シグナル伝達分子を活性化する脂質性シグナル因子として機能することが知られている。PLD1によるメラノジェネシス調節の作用機序について解析を進めた結果, PLD 1はホスファチジン酸の標的タンパク質のひとつであるMammalian target of rapamycin (mTOR) を介して, メラニン生合成の鍵酵素であるチロシナーゼの発現をmRNAレベルからネガティブに制御し, メラニン生成を抑制することが分かった。
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