Organ Biology
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最新号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 編集委員会
    2024 年 31 巻 2 号 p. 077-082
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/09/18
    ジャーナル フリー
  • 2024 年 31 巻 2 号 p. 083
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/09/18
    ジャーナル フリー
  • 松野 直徒, 石井 大介, 中條 哲也, 金子 太樹, 寺口 博也, 岡田 陽子, 鳥海 飛鳥, 小原 弘道, 暮地本 宙己, 稲永 由紀子 ...
    2020 年 31 巻 2 号 p. 084-087
    発行日: 2020年
    公開日: 2024/09/18
    ジャーナル フリー

    移植医療の大きな課題の一つであるドナー不足を解決するために,欧米では高齢者,心停止ドナーなどの臓器に対し単純冷却保存ではなくポンプを用いて臓器内に保存液を循環させる機械灌流保存が急速に臨床に導入されてきている.その理由は,灌流保存中に臓器機能(Viability)を客観的に測定して安全な移植手術が可能となること,臓器保存液に酸素や栄養や薬剤を入れることにより機能を改善させ,虚血再灌流障害を軽減することができる事にある.特に,代謝臓器である肝臓は,低温領域や酸素運搬体のない灌流液においてさえ酸素化(Hypothermic oxygenation perfusion;HOPE)することの重要性が近年提唱され,複数の臨床比較試験において証明された.さらに,その有効性は内因性免疫反応の抑制にもあるという新しい概念が提唱された.我々は,ヒト由来ヘモグロビンをリポソーム化した人工赤血球を用い,ブタ肝臓を使用し,人工赤血球含有灌流保存液の有用性を示してきた.近年,常温灌流保存は1週間保存の成功例など,長期間保存が現実味を帯びてきており,その先には障害臓器に対する遺伝子,細胞などの体外治療による臓器創出に拍車がかかるものと考える.機械灌流保存技術は,移植外科領域において保存に留まらず保存免疫ともいうべき領域を開き,臓器修復まで可能性を秘めた技術と考えられるようになった.

  • 広瀬 貴行
    2020 年 31 巻 2 号 p. 088-092
    発行日: 2020年
    公開日: 2024/09/18
    ジャーナル フリー

    近年腎移植の成績は向上しているものの,カルシニューリン阻害剤(CNI)による腎毒性の克服が大きな課題であり,共刺激分子阻害剤(CB)はCNIの代替薬として期待されている.抗CD154抗体はアロ免疫抑制において効果的であるものの,Fc受容体を介した血小板活性化による血栓形成作用のため臨床使用不可となっている.この副作用を克服するため,これまでに様々な抗CD154抗体が開発されてきたが,十分な免疫抑制効果が得られていなかった.今回新規開発された抗CD154抗体であるTNX-1500を用いて,カニクイザルのアロ腎移植モデルに使用し,副作用なく拒絶反応を抑制することを示した.さらに,AT-1501も同様の効果を示した.これらの新規薬剤の臨床応用による腎移植の成績向上が期待される.

  • 菅 さくら, 森田 紗布, 岩竹 真弓, 佐藤 和秀, 馬場 嘉信, 湯川 博
    2020 年 31 巻 2 号 p. 093-098
    発行日: 2020年
    公開日: 2024/09/18
    ジャーナル フリー

    肺線維症は,間質性炎症によって引き起こされる進行性の疾患である.治療法は極めて乏しく,治療薬や移植療法はドナー不足などの理由から広く普及していない.近年,肺線維症に対する根治療法として,幹細胞を用いた治療法が飛躍的に進歩している.特に間葉系幹細胞を用いた幹細胞治療は安全性高く,既に臨床応用の段階まで進んでいる治療法として確立されている.しかし,移植された幹細胞の生体内動態を調べる高感度イメージング技術は確立されておらず,未解明のままである.本研究では,ナノ量子センサーである量子ドット(QDs:8.0 nM)で標識した脂肪組織由来間葉系幹細胞(ASCs)をブレオマイシン誘発肺線維症モデルマウスに投与し,生体内動態と治療効果の関係を明らかにすることを試みた.QDs標識ASCsを,ブレオマイシン投与後にC57BL/6マウスの気管に注入し,移植幹細胞の生体内動態の経時的イメージングを行なった.集積効率と治療効果については,in vivoイメージング,CTイメージング,肺切片H&E染色により評価した.その結果,QDs標識ASCsは正常肺と比較して,ブレオマイシンモデルマウス肺により長く留まり,炎症を抑制することが分かった.また,3Dイメージングの結果,移植幹細胞は肺の線維化領域に集積していることを明らかにした.これらの結果は,ASCsが肺線維症の治療効果に重要な役割を果たす可能性と,QDs標識がin vivo動態を評価するのに適した高感度イメージング技術であることを示唆する結果である.

  • 深井 原
    2020 年 31 巻 2 号 p. 099-105
    発行日: 2020年
    公開日: 2024/09/18
    ジャーナル フリー

    障害を受けた移植ドナー臓器の機械灌流による修復と評価を臨床利用し,その有用性を報告する研究が飛躍的増えてきた.種々の温度での灌流の有用性示されたが,灌流温度を比較する研究はほとんどなく,最良の灌流法を選別するのは困難である.臓器保存は,単純冷却,低温灌流,常温灌流を組み合わせ,また,低温灌流保存後に緩徐に復温する方法もある.しかし,それらの過程で直面する各温度における至適pHは不明である.本稿では,灌流液や細胞内外液のpHは,温度によって変化することを理論的に示し,臓器灌流における温度を考慮した至適pHを求める道筋を提示する.

  • 中村 有紀, 三木 克幸, 横山 卓剛, 福田 ミルザト, 田中 希穂, 神家満 学, 岩本 整, 石井 保夫
    2020 年 31 巻 2 号 p. 106-112
    発行日: 2020年
    公開日: 2024/09/18
    ジャーナル フリー

    In May 2023, NHK’s “Close-Up Today” program aired a report regarding the “Organ Mediation Case” and the unknown reality of travel transplantation, highlighting the shortage of organs. Despite the influence of COVID-19, there is an inherent reluctance to donate organs from donors after circulatory death (DCDs). Several reasons attributed to this reluctance include the following: declining number and aging of donor physicians, a necessity for rapid and reliable procedures (humans), criteria for selecting recipients with long waiting times (expectant), lack of incentives (financial), and responsibility for successful or unsuccessful transplantation (psychological). Unlike donation during brain death, DCD necessitates a certain degree of experience since the timing of the cardiac arrest and subsequent removal is not fixed; removal is sudden; and the circumstances vary for each case, including cannulation, intravascular perfusion, and autopsy, and requires flexible and rapid removal techniques. Owing to the efforts of JOT and others, the use of ECMO in cardiac arrest donation, machine perfusion preservation, and mutual aid systems for extractions has been steadily improving. The key to increasing the number of DCDs is to stop the prolonged mediation process and the declining birth rate and aging of transplant physicians. DCD will increase if the number of transplant physicians is increased through organ donation standardization via sharing human and time resources in organ transplantation, reforming and standardizing surgical materials and protocols, and changing the selection of recipients to allow for shorter placement timeframes.

  • 岩本 整, 伊藤 泰平, 木村 信, 沖原 正章, 赤司 勲, 今野 理, 湯沢 賢治
    2020 年 31 巻 2 号 p. 113-117
    発行日: 2020年
    公開日: 2024/09/18
    ジャーナル フリー

    The number of donation after cardiac death (DCD) has fallen dramatically in Japan. Meanwhile, some Western countries compensate for organ shortages by increasing the DCD. The main factors for this are the legislation allowing the withdrawal of life-sustaining therapy for end-stage patients and the induction of normothermic regional perfusion before retrieval. Unlike brain death, there are no strict rules for DCD in Japan, such as the timing of heparin administration, canulation, and handling of life support equipment for DCD. This European experience could provide a strategy for increasing the number of DCDs in Japan.

  • 野口 洋文
    2024 年 31 巻 2 号 p. 118
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/09/18
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