耳鼻咽喉科展望
Online ISSN : 1883-6429
Print ISSN : 0386-9687
ISSN-L : 0386-9687
34 巻 , Supplement4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 間島 雄一, 斎田 哲, 林 秀俊, 坂倉 康夫
    1991 年 34 巻 Supplement4 号 p. 281-287
    発行日: 1991/08/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ホスホマイシン (以下FOM) のヒト鼻粘膜繊毛機能に及ぼす影響をin vitroとin oivoで検討した。
    1) In vitroに於ける影響
    種々の濃度のFOM溶液中に健常成人より採取した繊毛細胞を入れ, 経時的に繊毛打頻度 (以下CBF) を測定した。1, 3%FOM溶液は60分の観察期間中CBFに影響を示さなかったが, 5%FOM溶液は観察20分後にCBFを停止させた。
    5%FOM溶液のCBFに対する影響がFOM自体によるものなのか浸透圧の影響によるものなのかを知るため1, 3, 4, 5%の各FOM溶液と同じ浸透圧を有するNaCl溶液を作製し, CBFに及ぼす影響を検討した。3, 4, 5%のFOM溶液と同じ浸透圧を有するNaCl溶液はCBFを有意に低下させ, 5%FOM溶液のCBFの低下には浸透圧の関与が大であることが明らかとなった。
    2) In vivoに於ける影響
    健常成人鼻腔に5%FOM溶液を直接投与し, 投与前と投与後の鼻粘膜粘液繊毛機能をサッカリン法で測定した。5%FOM投与前と投与後で鼻粘膜粘液繊毛機能に変化を認めなかった。
    以上によりFOMはヒト鼻腔繊毛上皮および繊毛機能に障害を与えないことが明らかとなり, 本剤の鼻・副鼻腔への局所投与の可能性が示唆された。
  • 松本 達始, 石田 稔, 八田 千広, 田矢 直三, 柴田 忠良, 牧野 正直
    1991 年 34 巻 Supplement4 号 p. 289-293
    発行日: 1991/08/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ラット肥満細胞を用いて, ヒスタミン遊離に対する小青竜湯の効果について検討した。ヒスタミン遊離刺激にはDNP-Asを抗原とした抗原抗体反応, およびchemical releaserであるcompound48/80を用いた。
    1) 倒立位相差顕微鏡下にラット肥満細胞からの脱顆粒の過程を観察した。小青竜湯で前処置した肥満細胞では脱顆粒が抑制された。
    2) 小青竜湯はラット肥満細胞からのヒスタミン遊離を濃度依存的に抑制した。
    3) ラット抗DNP-As・IgE抗体を含む血清を用いて48hr homorogous PCA (passivecutaneous anaphylaxis) 反応を行った。小青竜湯を経口投与したラットではPCA反応が抑制された。
  • Ketotifen fumarateを対照薬とした二重盲検比較試験
    奥田 稔, 菊池 恭三, 鳥山 稔, 関谷 透, 大山 勝, 犬山 征夫, 間口 四郎, 高木 摂夫, 形浦 昭克, 相馬 新也, 小崎 秀 ...
    1991 年 34 巻 Supplement4 号 p. 295-312
    発行日: 1991/08/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    通年性鼻アレルギーに対するastemizole 1回5mg, 1日1回投与の有効性, 安全性および有用性をketotifenを対照薬とした二重盲検比較試験により検討した。
    解析対象はastemizole投与群119例, ketotifen投与群122例の合計241例であった。全般改善度 (2週後, 4週後) および最終全般改善度に有意差は認められなかったが, 4週後と最終の全般改善度では「中等度改善」以上の改善率で約10%astemizole投与群がketotifen投与群より勝っていた。また, 副作用の発現頻度はastemizole投与群がketotifen投与群より有意に低かった。副作用の主なものは眠気と倦怠感で, 眠気がastemizole投与群に5.0%, ketotifen投与群に19.7%認められ, 倦怠感がketotifen投与群にのみ3.3%認められた。全般改善度および安全度から総合的に評価された有用度は,「有用」以上の有用率がastemizole投与群53.2%, ketotifen投与群37.2%であり, 両群問に有意差が認められた。
    以上の成績より, astemizoleは1日1回の投与で, 1日2回投与のketotifenとほぼ同等の効果が得られ.安全性および有用性に優れた薬剤であることが示された。
  • スギ花粉大量飛散年での検討
    田端 敏秀, 榎本 雅夫, 垣内 弘, 加藤 寛, 輿田 順一, 九鬼 清典, 嶽 良博, 木下 和也, 林 泰弘, 岩橋 大介, 横田 昌 ...
    1991 年 34 巻 Supplement4 号 p. 313-330
    発行日: 1991/08/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    スギ花粉症患者124例を対象としてソルファ ® 錠をスギ花粉飛散開始前予防的に投薬した群および飛散開始後発症してから投与した2群を比較して, 鼻症状, 眼症状, 鼻腔所見, 鼻汁中好酸球の経日的変動について検討した。その結果は次の通りであった。
    1.鼻症状, 眼症状などの症状で花粉飛散初期から中期にかけて症状の悪化の程度が, 予防投与群において抑えられ, 予防効果がみられた。とくに, くしゃみ発作, 鼻汁量, 日常生活の支障度でその効果は顕著であった。眼症状ではそう痒感, 流涙, 充血の症状で予防効果が認められた。
    2.鼻腔所見でも, 下鼻甲介の腫脹, 下鼻甲介の色調, 鼻汁の性状, 水性分泌量で, 花粉飛散初期から中期にかけて, 予防効果が認められた。
    3.鼻汁中好酸球数でも, 予防投与群にはその数が有意に少なかった。
    4.副作用は4例に認められた。專麻疹 (2例), 嘔吐 (1例), 口腔・咽頭乾燥感と視力異常感 (1例) であった。また, 1例に臨床検査値異常 (GOT, GPT) を認めたが, いずれも薬剤の投与中止により正常に復した。
    以上のことから, ソルファ錠はスギ花粉症の予防に対して優れた臨床効果が期待できる薬剤であると結論した。
  • 中澤 勉, 久松 建一, 岸保 鉄也, 上條 篤, 薬袋 真理, 村上 嘉彦, 飯田 祐起子, 岡本 和人, 調所 廣之
    1991 年 34 巻 Supplement4 号 p. 331-341
    発行日: 1991/08/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    慢性副鼻腔炎の治療薬には種々あるが, 今回我々は, chemical mediator遊離抑制剤として開発された塩酸Azelastine(商品名: Azeptin)の慢性副鼻腔炎に対する効果を検討し若干の知見を得た。効果判定には, 自覚症状(鼻漏, 後鼻漏, 鼻閉, 嗅覚障害, 頭重)と他覚所見(鼻粘膜の発赤・腫脹の程度, 鼻汁の量・性状, 後鼻漏の量, 鼻茸の大きさ)とX線所見に加えデンシトメータを用い定量的に評価した。その結果, デンシトメータを用いた判定では, 32.6%でOM値の改善が認められた。全症例の平均OM値は, 投与前56.55%, 投与後64.12%と, 有意な改善が認められた。自覚症状では95.7%に, 他覚所見では90.7%に, X線の肉眼的判定では48.8%に, 総合効果判定では91.3%に有効性が認められた。
  • 関 守広, 石田 博義, 小松崎 篤
    1991 年 34 巻 Supplement4 号 p. 343-348
    発行日: 1991/08/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    眩量症例30例に対し, 塩酸ビフェメラン (アルナート ®) 50mgを1日3回8週間投与し臨床効果を検討した。本剤は薬理作用から, i) 脳神経伝達改善作用, ii) 脳代謝賦活作用, iii) 脳虚血性障害改善作用, iv) 低酸素障害改善作用などが確認されている。このことから末梢前庭障害において, 中枢からは代償機構の促進, 末梢からは前庭機能の回復を期待できる。その結果, 自覚的, 他覚的症状ともに有意差が得られ, 8週間という比較的短期の検討ではあるが副作用を示さず, 末梢性めまい疾患の諸症状の改善に有効な薬剤であると思われた。
  • 坂本 裕, 紀太 康一, 小形 章, 山本 美奈子
    1991 年 34 巻 Supplement4 号 p. 349-356
    発行日: 1991/08/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ニューキノロン剤の1つであるNY-198 (Lomefloxacin) の0.3%耳用液の化膿性中耳炎芝よび外耳炎23例に対する臨床評価を行い, 以下の結果を得た。
    1. 臨床効果は, 有効以上の有効率で100%であった。
    2. S.aureusおよびP. aeruginosaに対する有効率は, いずれも100%であった。
    3. 細菌学的効果は, 消失率で87.0%であった。
    4. 副作用は, 全症例において全く認められなかった。
    5. 以上の結果より, NY-198耳用液は化膿性中耳炎および外耳炎に対する局所療法剤として極めて有用な薬剤であると考えられる。
feedback
Top