加齢による聴力変化については過去に多くの報告があったが, 1982年にオージオメータのJIS規格が改訂されてからの報告は少ない。東京慈恵会医科大学健康医学センター相談部を訪れた, 人間ドックならびに入社検診受診者6922人 (13844耳) の気導純音聴力検査データについて, 平均値, 標準偏差, 最頻値, 中央値を求め, 検討した。
いずれの値も高年齢, 高音域ほど増加し, 中-低音域では加齢変化は少なかった。
平均値, 最頻値, 中央値ともに代表値として一長一短があった。平均値, 標準偏差は他の報告と比較してやや大きい場合が多かったが, 大差はなかった。最頻値は特に高年齢, 高音域で二峰性を示すものがみられた。
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