耳鼻咽喉科展望
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37 巻 , 3 号
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  • 病態と発症機転に関して
    森山 寛, 荒井 秀一, 関 哲郎, 小島 博巳, 上出 洋介, 山口 龍二, 志和 成紀, 本多 芳男
    1994 年 37 巻 3 号 p. 261-269
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 吉田 ひかり
    1994 年 37 巻 3 号 p. 270-287
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    頭頸部領域における節外性non-Hodgkin lymphoma (NHL) 65例について免疫組織学的に分類し, 発生部位別に年齢・性別・予後・治療等を検討した。それぞれについて, 生存率を求め, 比較した。発生部位は, 扁桃25例, 舌根10例, 上咽頭5例, 鼻腔9例, 上顎洞5例, 篩骨洞3例, 顎下腺2例, 喉頭2例, その他軟口蓋, 歯肉, 涙嚢, 頸部軟組織が各々1例であった。予後を左右する因子として, 性別, 発生部位, 免疫形質, 組織の壊死の有無が関与していると考えられた。また, 5例の境界病変についてもNHLとの関連を検討した。
  • 岡田 真由美, 西田 裕明
    1994 年 37 巻 3 号 p. 288-299
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    聴力正常例17耳および感音難聴症例23耳を対象に, EOAEおよび蝸電図CMを記録した。正常耳では, 刺激後20msのEOAEの記録上, 反応は潜時が約9msの速い成分 (fast comp.) と, 約13msの遅い成分 (slow comp.) の二つの成分に分けることができた。蝸電図CMにおいてもCMと, 弱音刺激で認められる遅延性反応 (delayed CM) が記録できた。slow comp.とdelayed CMはそれぞれfast comp.およびCMより検出閾値が低く, 入出力曲線の傾きも緩やかであった。感音難聴耳では, 聴力の悪化に伴って検出閾値の上昇が認められたが, その傾向はslow cornp.およびdelayed CMに顕著であった。臨床において, EOAE及び蝸電図CMの遅い反応は関係を有し, かつ有毛細胞の機能の状態のより詳細な把握と, 蝸牛病態の客観的評価に役立ち得るものと考えた。
  • 湯川 久美子
    1994 年 37 巻 3 号 p. 300-310
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    人工内耳によりコミニケーション手段を再獲得した聾患者の心理的な変化を手術前後で比較検討した。対象は1986~1992年の問に手術を行った患者のうち, 日常的に人工内耳を使用している患者25人で, 心理検査はY-G, CMIおよび風景構成法 (LMT) を用いた。
    結果: 1.Y-Gテストにおける12の性格特性では抑鬱性のみが術後に有意に高くなり, 人工内耳の影響は主に情緒面の変化となって現われた。2.LMTでは音を回復した喜びや, 人工内耳を通したコミニケーション能力による外界認知の変化が, 作風の変化となって現われたと考えられる。
  • 菅家 稔, 井上 貴博, 大平 達郎, 川崎 篤, 加藤 英行, 向井 万起男
    1994 年 37 巻 3 号 p. 311-316
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    全周性頸部腫脹をきたす頭頸部疾患は, 数少ない。悪性腫瘍の頸部転移は, 多発性のリンパ節転移を生ずることはあるが, 全周性の転移を示すことは, きわめて稀である。症例は65歳女性, 全周性頸部腫脹を主訴として来院し, 頸部生検の結果, 転移性未分化癌の病理診断を得た。一連の検索では原発巣を認めなかったが, 最終的に頸部および肺転移をきたした皮膚筋炎合併, 進行乳癌であることが判明した。原発不明転移癌およびMRI所見を中心に若干の考察を加えた。
  • 原 浩貴, 今手 祐二, 遠藤 史郎, 高橋 正紘, 下郡 博明
    1994 年 37 巻 3 号 p. 317-321
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    皮膚付属器から発生する悪性腫瘍は稀であり, なかでも毛器官由来の悪性腫瘍である外毛根鞘癌の発生頻度は皮膚腫瘍の0.05%であり極めて稀な疾患とされている。今回耳後部に発生した1例を経験したので報告した。
    症例は79歳男性。腫瘍は左耳介原発であったが皮膚科にての腫瘍切除後, 耳後部皮膚に転移していた。頸部リンパ節転移も疑われたため, 全身麻酔下に左根治的頸部郭清, 耳介及び耳後部皮膚切除, 耳下腺全摘, 乳突洞削開を施行した。術後2年間を経過したが再発, 遠隔転移もなく経過良好である。
  • 竹下 元, 中川 士郎, 作本 真, 古川 仭
    1994 年 37 巻 3 号 p. 322-325
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    骨腫は頭蓋骨や顔面骨など膜性骨よりおこる稀な腫瘍である。鼻中隔を構成する鋤骨より発生した骨腫の1症例を経験したので報告する。
    1992年12月, 65歳女性が左鼻の鼻閉にて当院を受診した。左鼻腔に表面を浮腫性の粘膜で被われた骨様硬の腫瘤を認めた。CTスキャンでは左鼻中隔鋤骨に基部を有する骨様陰影の腫瘍であった。鼻内視鏡下に腫瘍を全摘出した。
    鼻中隔鋤骨原発骨腫報告例は渉猟し得た限り私達の報告例が初めてである。
  • 長舩 宏隆, 高橋 博文, 吉田 友英, 谷野 徹, 寺山 善博, 小田 恂, 野中 博子
    1994 年 37 巻 3 号 p. 326-332
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    鼻中隔より発生する腫瘍は稀である。特に悪性腫瘍は少ない様である。我々は最近3年間 (1991~1993年) に5例の鼻中隔腫瘍を経験した。その内訳は多形腺腫1例, 血管腫2例, 移行上皮癌2例であり, これらの症例について, 統計的, 組織学的に検討を加えた。最近10年間 (1983~1992年) に報告されている良性腫瘍は73例, 悪性腫瘍は48例であった。そのうち多形腺腫は36例, 血管腫10例, 移行上皮癌は2例のみであった。
    鼻中隔発生の腫瘍は少ないが比較的容易に発見出来る。しかし悪性の場合もあり, 念のために病理組織検査を行うべきである。
  • 大橋 伸也, 吉田 知之, 奥平 唯雄, 荒木 進, 佐藤 春城, 吉浦 宏治, 北村 真紀, 萩原 晃, 笹谷 文香, 舩坂 宗太郎
    1994 年 37 巻 3 号 p. 333-340
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    一次治療後に再発を認めた頭頸部癌患者18例について, 癌再発直前および直後に免疫パラメータの変動があるかを検討した。免疫パラメータは末梢血におけるIAP, SCC, リンパ球数, OKT4, 0KT8, 0KT4/8, Leu7, Leu11, PFAリンパ球幼若化反応を用い, これらを一次治療後, 再発直前および再発直後に測定し, その変動を検討した。
    IAP, SCC, OKT8, Leu7は再発直前, 直後の値が上昇傾向を示した。リンパ球数, PFAリンパ球幼若化反応, OKT4, 0KT4/8, Leu11は再発直前, 直後の値が低下傾向を示した。
    IAPは再発直前の変動が有意であり, 再発を予測する指標であることが示唆された。SCC抗原は再発直前で有意な上昇を示したが比較的軽度であった。しかし再発直後の上昇は著しかつた。OKT4, OKT8, OKT4/8は再発直前で有意な変動を示したが, これらは再発直後を含めても個々の値は概ね正常範囲内にあり, 再発の指標とすることは困難であった。
  • 辻 富彦, 山口 展正, 八代 利伸, 関 哲郎, 島田 千恵子, 太田 史一
    1994 年 37 巻 3 号 p. 341-347
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    後部副鼻腔嚢胞は鼻症状の乏しいことが多く, その症状の大半は眼症状, 頭痛のように隣接組織に起因するものである。今回我々は30歳男性で持続する三叉神経痛を訴えた原発性蝶形骨洞嚢胞の1症例を報告した。本症例は脳神経外科を受診, MRIにて嚢胞が指摘され当科を紹介された。嚢胞は右蝶形骨洞から右翼口蓋窩および眼窩外側部に進展していた。内視鏡下鼻内手術にて嚢胞を開放すると三叉神経痛は消失した。三叉神経第2枝の刺激症状は嚢胞が翼口蓋窩へ浸潤していたためと推定された。後部副鼻腔, 翼口蓋窩のような深部組織の診断にはMRIが有用であると考えられた。とくに副鼻腔ではT2強調像を用いれば炎症性病変と腫瘍性病変の鑑別が可能である。
  • 矢部 武, 森山 寛
    1994 年 37 巻 3 号 p. 348-354
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    昭和59年より平成4年までの9年間に, 当科でsmall fenestra stapedectomyを試みた耳硬化症例58例66耳について検討した。
    性別は, 男性26例32耳, 女性が32例34耳であった。
    術前聴力は骨導聴力においてCarhart's notichを認めたものが26耳 (39.4%) であった。気導聴力では37耳 (50.1%) がstiffness curveを呈していた。
    術後の聴力の改善はほぼ満足できるものであった。しかし, small fenestra stapedectomyがmedium fenestra stapedectomyやtotal stapedectomyより良好であったとは言えなかった。
    使用ピストンの長さは4.25mmのものが最も多く37耳 (56.1%) であった。
  • 上出 良一
    1994 年 37 巻 3 号 p. 355-364
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    掌蹠膿庖症は手掌, 足底に限局する再発性の膿疱形成と, それに続く落屑性紅斑性皮疹を特徴とする疾患である。本症の10-15%に胸肋鎖骨異常骨化症を伴うが, 骨シンチグラムを行うと更に高頻度に潜在性の骨関節炎が見出される。大多数の患者では扁桃や歯肉などの細菌感染を基盤とした病巣感染が病因として考えられ, また扁桃上皮と掌蹠皮膚の角層で交差反応を示す抗ケラチン抗体が検出されている。少数の患者では歯科金属除去により軽快する。今後スーパー抗原の関与やサイトカインネットワークの乱れなどについて検討すべきである。治療の第一選択としてステロイド剤の外用が最も行われているが, PUVA単独あるいはレチノイドとPUVAの併用 (Re-PUVA) も用いられる。シクロスポリン内服 (5mg/kg日以下) は極めて有効で難治例に試みてよいであろう。完治には基盤となる病巣感染を扁桃摘出, 歯科処置などで除去することが推奨されているが, 信頼性のある術前の評価法が未だ確立されていない。皮膚科, 耳鼻咽喉科, 歯科, 整形外科その他関連科の密接な連携が本症患者にとって診療上大切である。
  • 棚橋 汀路
    1994 年 37 巻 3 号 p. 365-370
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    中枢神経障害に原因する咽頭期嚥下障害は誤嚥を伴う搬送能力の低下として特徴づけられる。音声機能を保存し, 呼吸器系から上気道を脱落させることなく誤嚥を防止し, 搬送能力を回復させるための病態に応じた手術方法が提案され実用化されている。また重度の誤嚥を伴う著しい嚥下機能低下のときには呼吸器系の損傷を防ぐため音声機能の喪失を伴う方法がある。これらは局所的, 全身的および社会的条件をも含めて検討すべきものである。
  • 大西 信治郎, 澤木 修二, 土屋 幸造, 柊 光一, 谷内 晶子, 古川 政樹, 和田 廣巳, 田中 洋二, 伊藤 真郎, 坊野 馨二, ...
    1994 年 37 巻 3 号 p. 371-379
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    12病院の外来に来院した種々の原因からなる耳鳴患者150例に対してTJ-107を投与し, その臨床的効果を調べた。投与量は1日7.5gで投与期間は4週間から8週間である。TJ-107の臨床的効果は改善以上は39.3%, やや改善以上は66.7%であった。耳鳴が消失したり, とても軽快したと自覚した例数は4週間後の時よりも8週間の方が増加した。
    著明改善に関する検定では, 無難聴性, 感音性, および伝音性難聴の順で有意であった。6例に主として消化器系の軽度の副作用が生じた。
  • 原田 勇彦, 加我 君孝, 水野 正浩, 奥野 妙子, 飯沼 寿孝, 堀口 利之, 船井 洋光, 井上 憲文, 安倍 治彦, 大西 信治郎, ...
    1994 年 37 巻 3 号 p. 380-387
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    鼓膜炎, 慢性化膿性中耳炎, 真珠腫性中耳炎の感染時, 中耳術後の再感染症例を対象として, オフロキサシン (OFLX) 耳用液の有用性と耳浴時間に関する臨床的研究を行った。研究参加施設を無作為に2群に分け, 1群では1回6-10滴, 1日2回, 7日間以上の点耳を行い, 毎回点耳後約10分間の耳浴を行うよう, II群では同様の点耳後に2-3分間の耳浴を行うよう患者に指示した。総投与症例は258例で, 全体では83.3%の改善率, 86.7%の菌消失率 (143例中) が得られた。副作用は1例もなく, 全体としては82.9%の有用率であった。統計学的検定により1群とII群の比較を行ったところ, すべての項目で両群間に有意の差はみられなかった。以上の結果から, OFLX耳用液は鼓膜, 中耳の炎症性疾患に対して極めて有用かつ安全なものであり, その点耳後の耳浴時間は2-3分でも十分な効果が得られるものと考えられる。
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