耳鼻咽喉科展望
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38 巻 , 3 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 茂木 五郎, 黒野 祐一
    1995 年 38 巻 3 号 p. 285-295
    発行日: 1995/06/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • これら細胞の機能的協調性について
    久松 建一, 上條 篤, 寺川 進, 岸保 鉄也, 水越 昭仁, 村上 嘉彦
    1995 年 38 巻 3 号 p. 296-303
    発行日: 1995/06/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    鼻粘膜上皮表層には粘液繊毛輸送系に携わる二つの細胞-杯細胞と繊毛細胞が存在する。今回, ラット鼻粘膜上の2種類の細胞をビデオ強化式顕微鏡法によってリアルタイムに高倍率で観察し, 杯細胞分泌顆粒のエキソサイトーシスによる分泌反応及び繊毛運動を同時に定量化することを試みた。知覚神経伝達物質の中で, カルシトニン遺伝子関連ペプタイド (CGRP) は杯細胞のエキソサイトーシス反応及び繊毛運動に影響を与えなかったが, サブスタンスP (SP) 及びニューロキニンA (NKA) は杯細胞のエキソサイトーシス反応数を増加させた。またSPは繊毛運動も有意に充進させ, NKAも繊毛運動を充進する傾向が認められた。SP, NKAによる杯細胞からの分泌増加は繊毛運動の充進とほぼ同時もしくはやや遅れて認められ, 杯細胞と繊毛細胞が協調して働いていると考えられた。知覚神経が粘液繊毛運動系において重要な働きを担っていることも再認識された。
  • 斉藤 彰治, 鈴木 秀則
    1995 年 38 巻 3 号 p. 304-309
    発行日: 1995/06/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    我々は同種乾燥硬膜および組織接着剤を用いて, 新川法に準じた保存的鼓膜形成術を1泊2日の入院管理下に, 慢性中耳炎・外傷性鼓膜穿孔・チュービング術後の穿孔例など46耳に行った。手術方法は保存的鼓膜閉鎖法と同じ, 鼓膜穿孔辺縁のみの上皮を除き, 同種乾燥硬膜を鼓室鼓膜面に組織接着剤で接着させる, いわゆる新川法による術式で行った。初回手術での鼓膜穿孔閉鎖率は67.4%で, 複数回手術例も含めると84.8%であった。しかし術前耳漏の既往が頻回の症例における, 単回手術での鼓膜穿孔閉鎖率は30%であった。合併症としては術後感染を4例に認めた以外, 術中・術後に重篤な合併症は1例も認められなかった。
  • 原口 秀俊, 石川 紀彦, 辺土名 仁, 中村 弦, 小松崎 篤
    1995 年 38 巻 3 号 p. 310-315
    発行日: 1995/06/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    最近舌に発生した神経鞘腫の1症例を経験したので画像診断を中心に考察し報告した。症例は15歳の女性で, 約3cm大の舌背ほぼ正中の粘膜下球形腫瘤を主訴としていた。術前の画像診断として超音波断層撮影, CT, MRIを行ったが, MRIでは病変がより明瞭に描出され, また病変を3次元的に把握することが最も容易であった。舌背正中切開にて被膜外に摘出した。母地神経は不明であったが, 病理組織学的検索にて, 神経鞘腫 (Antoni A+B) と診断された。
  • 青木 信子, 湯川 久美子, 大橋 伸也, 平出 文久, 舩坂 宗太郎
    1995 年 38 巻 3 号 p. 316-321
    発行日: 1995/06/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    節骨洞に発生した良性骨芽細胞腫症例を経験した。症例は24歳女性で難治性の頭痛を主訴に来院となった。諸検査では, 左前部節骨洞から一部後部節骨洞にかけ骨腫瘍陰影を示した。節骨洞骨腫が疑われ, 経上顎洞的にアプローチし腫瘍摘出術を施行した。病理標本は多数の骨芽細胞腫が存在し異型のみられない良性骨芽細胞腫であった。頭痛の発生した機序として, 腫瘍が前飾骨神経を直接圧迫したことによると考えられた。
  • 村岡 秀樹, 小島 雅浩, 合津 和央
    1995 年 38 巻 3 号 p. 322-328
    発行日: 1995/06/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    蝶形骨洞嚢胞の3症例を報告する。3症例とも蝶形骨洞嚢胞と診断される30年前に経上顎洞的な副鼻腔手術の既往を有する経手術例であり, 鼻内から手術を施行した。症例1は47歳女性で, 急性の視力低下にて症状発現し, 視力低下発現後3日目に手術を行い, 症状の改善をみている。術後反対側の視力・視野の改善があり, 嚢胞による視神経症状は両側に及んでいた症例である。症例2は53歳女性で, 手動弁まで視力の低下がみられ, 症状発現後2日目に手術をしたが, 症状は変わらず。1年前から, 緩徐に視力低下していたことが術後に判明し, 慢性の経過をとった症例である。症例3は, 6ヵ月来の頭痛が主訴で, 近医でMRIにて診断され, 手術により症状は消失している。臨床症状, CT所見, 発生機序を中心に若干の文献的考察をまじえながら, 報告した。
  • 浅井 和康, 鴻 信義, 柳 清, 深見 雅也, 遠藤 朝彦, 森山 寛, 伊藤 裕之, 大橋 正洋
    1995 年 38 巻 3 号 p. 329-334
    発行日: 1995/06/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    頸髄損傷患者3症例について, 体位変換時および排尿前後での鼻腔通気度の変化を調べた。その結果, 坐位から仰臥位に体位変換することによって鼻腔抵抗値は上昇し, 排尿することによって低下をみた。これは, 頸髄損傷患者に特有の自律神経過反射 (autonomic hyperreflexia) と呼ばれる現象に伴うものと考えられた。すなわち, 膀胱内の尿の充満などによる麻痺域への刺激が交感神経反射を惹起して全身性の血圧上昇を起こす現象であり, これによって非麻痺域すなわち鼻腔の血管拡張を招き鼻閉をきたす。また健常者でも坐位から仰臥位に体位変換することによってわずかに鼻腔抵抗が増大するが, 頸髄損傷患者では顕著にこの現象が現れることも, 外傷に伴う交感神経系の機能障害が関与していることが示唆された。
  • 深見 雅也, 吉川 衛, 鴻 信義, 斉藤 孝夫, 小島 博巳, 林 成彦, 上出 洋介, 森山 寛
    1995 年 38 巻 3 号 p. 335-342
    発行日: 1995/06/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Toxic Shock Syndrome (TSS) は, 黄色ブドウ球菌の毒素によって引き起こされ, 多臓器を障害して, 致死的となり得る疾患である。欧米では鼻副鼻腔手術後に発症した報告も多い。我々は最近3年間に, 副鼻腔手術後に発症したTSS症例2例を経験した。本報告が, 我が国における副鼻腔炎手術後のTSS発症の初めての報告である。しかし実際には, 発症しても診断されなかった症例が過去にもあった可能性がある。副鼻腔炎手術後のTSSの治療には, 適切な補液, 感受性のある抗生剤の投与, 洗浄による鼻副鼻腔内の黄色ブ菌感染の制御, およびガンマグロブリン製剤の投与が重要である。副鼻腔炎手術後の重症感染症は稀ではあるが, 十分な予防と院内感染防止対策が必要であると考えられた。
  • CONSERVATIVE UVULOPALATOPLASTY(CUPP)の提唱
    仁保 三四次, 仁保 美和子
    1995 年 38 巻 3 号 p. 343-348
    発行日: 1995/06/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    故池松武之亮の口蓋垂軟口蓋形成術の切除予定部位を予め弱い高周波電気凝固をする事により簡易化し, 無出血で外来で行える方法を考案した。本法の適応は, 巨大な口蓋垂や幅の広い後口蓋弓を持った症例で, 舌圧子を用いないで行う咽頭視診で軟口蓋が見易いもの, 鼻腔経由の喉頭ファイバースコープで狭窄部が外鼻孔から10-12cmにあるもの等である。161例中, 治癒25%, 著効37%, やや良好29%, 無効9%の成績を得た。睡眠時無呼吸やいびきで悩んでいる人は多数いるので, 前述の適応の症例には, もっと保存的手術が行われるべきだと考える。著者等は本法を保存的口蓋垂軟口蓋形成術, Conservative Uvulopalatoplasty (CUPP) と名付けたい。
  • 好中球機能不全
    立澤 宰
    1995 年 38 巻 3 号 p. 349-357
    発行日: 1995/06/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 高橋 廣臣
    1995 年 38 巻 3 号 p. 358-368
    発行日: 1995/06/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • informed consent理論の背景
    畔柳 達雄
    1995 年 38 巻 3 号 p. 369-373
    発行日: 1995/06/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 家兎急性副鼻腔炎に対する効果
    小林 武弘, 山本 真一郎, 宮本 直哉, 馬場 駿吉
    1995 年 38 巻 3 号 p. 374-381
    発行日: 1995/06/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    FOM鼻科用剤のネブライザー療法による効果を実験的家兎副鼻腔炎モデルを用いて検討し以下の結果を得た。
    1) 黄色ブドウ球菌 (108CFU/ml) を1日1回, 3日間連続して家兎の両側上顎洞に注入し急性副鼻腔炎を発症させた。最終菌接種の翌日より, 1%, 3%, 5%に調製したFOM鼻科用剤を超音波式ネブライザーを用いて7日間吸入させた。最終投与の翌日に上顎洞の肉眼的観察および上顎洞粘膜の光顕的観察と走査電顕的観察を行った。
    2) 肉眼的観察,光顕的観察,走査電顕的観察では3%, 5%FOM投与群はコントロールに比して明らかな病態改善が認められた。
    以上の結果より, 3%, 5%FOM鼻科用剤のネブライザー療法は副鼻腔炎に対して有用な治療法であることが明らかになった。
  • 枝松 秀雄, 村田 英之, 荒木 伸彦, 山下 公一
    1995 年 38 巻 3 号 p. 382-391
    発行日: 1995/06/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    イネ科のカモガヤ花粉は, 北陸地方では地域的に限局して集中飛散するため, 当科におけるアレルギー性鼻炎患者の頻度では, 最多の花粉抗原である。
    Terfenadine (Triludan ®) は, piperidine-butano1型の経口抗アレルギー剤で, 速効性で眠気の少ないのが特徴である。本剤のスギやハウスダストのアレルギー性鼻炎に対する臨床検討はなされているが, 北陸地方に多く見られるカモガヤ花粉症への有効性は未だ確認されていないため, カモガヤ花粉症43例に対する治療効果の検討をオープン試験法にて行った。
    治療成績は, 著明改善 (16.3%), 中等度改善 (41.9%), 軽度改善 (37.2%), 不変 (4.7%) で, 副作用は1例もなく, 軽度改善以上はくしゃみ (83.7%), 鼻汁 (81.4%), 鼻閉 (44.2%) である。この成績は, 本剤の他の花粉抗原での従来の報告よりも良好で, カモガヤの減感作治療と比べても差のない結果であり, 薬物療法として有効であることが確認された.
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