耳鼻咽喉科展望
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38 巻, 6 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 井上 鐵三, 中之坊 学, 田部 哲也
    1995 年 38 巻 6 号 p. 683-689
    発行日: 1995/12/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 佐竹 究
    1995 年 38 巻 6 号 p. 690-701
    発行日: 1995/12/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    誘発耳音響放射(EOAE)を蝸牛機能の他覚的検査に応用するために, 900耳の感音難聴耳を原因疾患別に分類し,聴力像,耳鳴,EOAE,および自発耳音響放射(SOAE)を検討した。疾患別では突発性難聴が最も多く,次いで音響障害,メニエール病,機能性難聴の順に多かっ。これらの主要な原因疾患のうち,内耳に起因すると考えられる難聴耳群では,純音聴力閾値とEOAE検出閾値には有意な相関が認められた。内耳に器質的障害がないと考えられる機能性難聴耳群では,両閾値の間の相関は弱かった。閾値散布図における回帰直線の傾きはメニエル病では音響障害や突発性難聴に比べ緩やかであった。耳鳴ピッチとSOAEの周波数が一致する耳は極めて少なかった。感音難聴におけるEOAEの検出閾値は内耳障害の指標として,他覚的な蝸牛機能検査に応用できる。
  • 楠 正恵, 高橋 明美, 甲能 直幸, 山村 彰彦
    1995 年 38 巻 6 号 p. 702-709
    発行日: 1995/12/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    耳下腺に発生したいわゆる癌肉腫の1例を経験した。症例は50歳の女性で昭和41年に左耳下部腫瘤摘出術を受けたが,詳細は不明である。1年後,再び同部位に腫瘤が出現したが,近医にて経過観察されていた。平成4年8月より腫瘤の急速な増大傾向を認め,左顔面神経麻痺および痺痛も出現したため,当科紹介され,摘出術を施行した。手術は左耳下腺拡大全摘出術に加えて左頸部リンパ節郭清術,腓腹神経移植術,遊離腹直筋皮弁による顔面皮膚再建術を施行した。病理診断はいわゆる癌肉腫であった。術後,放射線療法を追加して経過観察中であるが,平成7年4月現在,再発・転移は認めていない。
  • 鼻腔所見と鼻閉感の関係
    岩田 重信, 近藤 由香, 近藤 正道, 竹内 昌宏, 小森 真由美
    1995 年 38 巻 6 号 p. 710-718
    発行日: 1995/12/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    鼻呼吸障害の評価法としての鼻腔通気度検査の普及は日耳鼻調査委員会の報告によればまだまだ不十分である。その理由として鼻閉感の程度と測定値の不一致や測定法の相違により正常値が異なっているためと考えられる。そこで正常鼻腔と鼻閉患者の150鼻側を対象として, 鼻閉の程度 (4段階) と鼻腔所見を8段階にスコア化しAnterior Rhinomanometeryによる通気度パラメータ値と比較検討した。正常範囲を鼻閉感のない鼻腔所見1点以下とすると吸気時のPeak Flowは0.32から0.40L/sec, 鼻腔内圧は0.85から1.42cmH2O, 鼻腔抵抗は2.70から4.58cmH2O/L/secの範囲を示し, 呼気時はPeak Flowは, 0.35から0.47L/sec, 鼻腔内圧は0.48から1.76cmH2O, 鼻腔抵抗は2.48から3.44cmH2O/L/secの範囲内で, 呼気時とほほ伺様な成績を示した。鼻閉感の程度と通気度測定値, 特に鼻腔抵抗値とは必ずしも一致しないが, 客観的な検査法として鼻腔所見を参考にして日常診療にもっと応用されるべきと考えた。
  • 石川 紀彦, 辺土名 仁, 中村 弦, 杉本 太郎, 原口 秀俊, 小松崎 篤
    1995 年 38 巻 6 号 p. 719-723
    発行日: 1995/12/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    20例の頭頸部扁平上皮癌症例に対しCDDP, 5-FU, THP-ADM併用療法を施行し, その有効性と副作用につき検討した。CDDPは13mg/m2を5日間, 5-FUは600mg/m2を5日間, THP-ADMは20mg/m2を1日目にそれぞれ投与した。対象症例の内, 新鮮症例が12例, 再発症例が8例であった。その結果, 全体の奏功率は65%(CR: 2, PR: 11) であった。なかでは, 放射線治療前にneoadjuvant chemotherapyとして施行した, 上咽頭癌, 中咽頭癌症例でとくに有効であった。
    副作用としては骨髄障害が約半数の症例で認められたが, 重篤な合併症は生じなかった。嘔気・嘔吐は12例に認めたが多くは軽度であった。grade2の脱毛を2例で認めた。
    頭頸部扁平上皮癌に対するCDDP, 5-FU, THP-ADM併用療法は有用であると思われた。
  • 上村 隆一郎, 川浦 光弘
    1995 年 38 巻 6 号 p. 724-728
    発行日: 1995/12/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    耳掻きによる外傷性鼓膜穿孔は, 臨床上しばしば経験する疾患であるが, 耳小骨連鎖障害や外リンパ瘻を合併することは比較的稀とされる。今回, 我々は耳小骨連鎖障害を伴った外傷性外リンパ瘻を経験したので報告する。症例は14歳男性。竹製の耳掻きで右耳を掃除していた時受傷した。症状はめまい, 耳鳴, 難聴であり, めまいは保存的治療にて改善したが, 耳鳴, 難聴は改善せず受傷後15日目に試験的鼓室開放術を行った。きぬた・あぶみ関節が離断し, あぶみ骨が卵円窓内に陥入していた。あぶみ骨を摘出し, 卵円窓を閉鎖し, 耳小骨連鎖を再建した。術後, 耳鳴はほぼ消失し難聴もかなり改善を示したが, 一部感音難聴が残った。
  • 中川 雅文, 相馬 新也, 渡邊 一正, 影井 兼司, 馬渕 滝男
    1995 年 38 巻 6 号 p. 729-734
    発行日: 1995/12/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    下咽頭に発生したHemangiopericytorna (血管外皮腫) の1例を経験したので報告する。症例は66歳男性, 主訴はのどのつかえ感。初診時下咽頭悪性腫瘍を疑い, 直ちに生検を施行した。病理学的検査の結果, 下咽頭原発のHemangiopericytomaと診断された。この腫瘍は臨床的に良性なものと悪性のものとがあるが, 両者の間に組織学的に大差はなく, すべて悪性に準じた治療を要するといわれている。
    放射線治療後, 全麻下に食道直達鏡で摘出術を施行した。腫瘍は周囲組織への浸潤は認めず, 一塊にして摘出できた。摘出標本はわずかに毛細血管の増生を認めたが, 器質化しており, 明らかな腫瘍性病変は認めず, 放射線療法が奏効した症例と思われた。現在まで術後10ヶ月になるが, 局所再発および遠隔転移を認めず, 経過良好である。
  • 臼井 信郎, 原 逸雄, 川野 和弘, 金沢 博俊, 武田 広誠
    1995 年 38 巻 6 号 p. 735-744
    発行日: 1995/12/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    睡眠時無呼吸症候群 (SAS) の終夜睡眠検査データを分析してみると, 同一被験者においても閉塞型, 中枢型, 混合型の各無呼吸発作が混在して出現してくる。それ故に, SASの病型分類は一般に50%以上を含む型をその病型として分類している。しかし, 手術前後で病型を検討してみると, 閉塞型から混合型あるいは中枢型に変化する症例や, 混合型から中枢型や閉塞型に変化する症例もある。今回はOSAS症例のUPPP前後における各無呼吸発作成分の推移から, UPPP前後で病型が変るのはなぜか, またUPPPによってOSASは治るのか治らないのかといった点について検討した。その結果, UPPP前後で病型が変るのは, 術後閉塞型無呼吸発作成分のみが著しく減少するためであり, OSASの病態それ自身には変化はみられなかった。
  • 大久保 仁, 山田 麻里, 辺土名 仁, 奥野 秀次
    1995 年 38 巻 6 号 p. 745-753
    発行日: 1995/12/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    中耳腔のガス分圧測定は, チンパノメトリがB・C型の滲出性中耳炎34耳を選び, 鼓膜切開直後の11耳と鼓膜換気チューブ挿入の効果ありと判定される23耳を対象とした。また, 鼓膜切開後から生じる中耳腔内圧変化を観察するために, C型6例とB型9例の15耳を選び耳鏡を利用した圧測定装置で測定した。
    結果: 滲出性中耳炎は, 鼓膜切開や鼓膜換気チューブ挿入により, 閉鎖腔化が幾らかでも解消されると, 中耳腔のガス産生能が活発化して中耳腔内圧が大気圧よりも陽圧化した。この効果は, 体空洞換気の生理学的立場から見ると, 中耳腔の閉鎖腔化を鼓膜換気 (外耳道換気) で一時的に解消し, この閉鎖腔化の解消は, 中耳腔のガス代謝を活発化して換気効果を高めると考えられた。
    また, 中耳腔のCやB型の過渡的陰圧化の現象は, 滲出液中にCO2が溶け込みHCO3-イオン化が生じて粘膜表面と気層問で行われるセンサー効果を外乱し, 中耳腔粘膜の変化とガス産生能の低下を招くものと考察した。
    すなわち, 滲出性中耳炎に対する鼓膜切開や鼓膜換気チューブ挿入の効果は, 中耳腔換気を外耳道換気 (穿孔鼓膜換気) に置き換えた効果であり, 真に耳管機能不全を基礎に持つ遷延する滲出性中耳炎には, 耳管の機能改善治療を施さない限り改善は望めないと結論した。
  • 早川 浩
    1995 年 38 巻 6 号 p. 754-761
    発行日: 1995/12/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 池田 稔, 生井 明浩
    1995 年 38 巻 6 号 p. 762-768
    発行日: 1995/12/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 畔柳 達雄
    1995 年 38 巻 6 号 p. 769-784
    発行日: 1995/12/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 高坂 知節, 稲村 直樹, 中林 成一郎, 中塚 滋, 橋本 省, 大山 健二, 小野寺 亮, 荒井 英爾, 八木沼 裕司, 鈴木 雅明, ...
    1995 年 38 巻 6 号 p. 785-799
    発行日: 1995/12/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    小児の通年性アレルギー性鼻炎に対するTBX (ペミロラストカリウム) 2.5mg錠の有効性, 安全性及び有用性を検討した。試験は, 2.5mg錠を1回1錠1日2回4週間連続服用で実施した。
    総症例数は35例で, 概括安全度採用例数35例, 最終全般改善度及び有用度採用例数は試験規約違反例2例を除いた33例であった。
    最終全般改善度では「中等度改善」以上が57.6%(19/33) であった。副作用の発現は35例中1例 (2.9%) に軽度の湿疹が認められたが, 服用中止により消失した。有用度においては「有用」以上の有用率が57.6%(19/33) であった。
    以上の成績より, TBX2.5mg錠は小児アレルギー性鼻炎に対して高い有効性と安全性が認められた。
  • 飛散後投与との比較
    遠藤 朝彦, 森山 寛, 山口 展正, 片山 昇, 関 哲郎, 実吉 健策, 宇田川 裕之
    1995 年 38 巻 6 号 p. 800-817
    発行日: 1995/12/15
    公開日: 2011/08/10
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