耳鼻咽喉科展望
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40 巻, 5 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
  • 扁平苔癬
    西山 茂夫
    1997 年 40 巻 5 号 p. 508-509
    発行日: 1997/10/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 平衡訓練を中心として
    宮田 英雄, 澤井 薫夫, 伊藤 八次
    1997 年 40 巻 5 号 p. 510-517
    発行日: 1997/10/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    めまいや平衡障害例には一般に薬物治療や手術療法が行われるが, めまいや動揺視あるいは平衡障害が長く残存する例がある。そのような例には平衡訓練が有効である。これまで報告された平衡訓練と我々の経験について述べた。一側前庭障害例では, めまいや平衡障害はしだいに代償され改善するが, 代償が遅れ, 日常生活の動作に支障をきたしている例には平衡訓練を行っている。日常生活の支障を認めなくなり, 他覚的にも平衡機能検査での障害が改善した。両側前庭障害例では, 一側前庭障害例より動揺視や平衡障害の程度は強く, 日常生活の支障は強い。能力低下が数年来続いている両側前庭障害例には平衡訓練が必要である。日常生活の支障や平衡機能検査での障害の程度が強かったが, 長期間の平衡訓練及び経過観察を行い, 訓練後には能力低下は改善した。
  • 関 哲郎, 山口 龍二, 森山 寛
    1997 年 40 巻 5 号 p. 518-526
    発行日: 1997/10/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    癒着性中耳炎の成因については未だ不明な点も多く, 過去に多くの研究者が癒着性中耳炎の成因を解明するためにさまざまな実験モデルの作成を試みてきたが, 未だその成功はみていない。今回我々は耳管機能障害と中耳腔粘膜の障害という二つの条件を設定し, スナネズミの耳管鼓室口を電気焼灼し耳管を閉塞させた後に, 中耳腔粘膜を掻爬し中耳腔粘膜を障害させるモデルを作成したところ, その一部において鼓膜の癒着性病変が招来されたので報告した。この二つの条件が鼓膜の癒着性変化を来す重要な条件であることが推察され, 本方法が癒着性中耳炎の実験モデルになりうる可能性があることを指摘した。
  • 植田 宏
    1997 年 40 巻 5 号 p. 527-534
    発行日: 1997/10/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    人工内耳装用後の聴取能とそれらに影響する様々な因子との関係について検索し考察した。またそれらの因子を用いて重回帰分析を行い術前の聴取能予測を行った。対象は人工内耳装用者のうち聴取能判定可能な63例で, 聴取能は術後3~6ヵ月間に行われた福田版ビデオ語音認知能検査の結果を用いた。この聴取能に寄与すると考えられる因子として, 手術時年齢, 性差, 手術側, 失聴原因, 難聴期間, 失聴期間, 使用電極数, 読話能, プロモントリーテストの結果, 性格検査の10項目を選択し考察した。これらのうち聴取能と有意の相関を認めるものは難聴期間, 失聴期間と性格検査の一部のみであった。手術時年齢, 性差, 手術側, 失聴原因, 使用電極数, 読話能, プロモントリーテスト等の各因子には明らかな相関はなかった。これらの因子による重回帰分析では術前の術後聴取能予測は困難であると推察された。
  • 鈴木 衞, 林 直樹, 林 賢, 夜陣 紘治
    1997 年 40 巻 5 号 p. 535-538
    発行日: 1997/10/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    外側半規管型のBPPV症例に対し独自に考案した頭位変換療法を行い, その有効性を検討した。症例は13例で, いずれも方向交代性下向性眼振をみとめた症例である。頭位変換療法の効果は, めまい症状の改善度では, 76.9%, 眼振の軽減度では84.6%, 全体としての有効率は84.6%であった。後半規管型のBPPVのみならず, 外側半規管型のBPPVに対しても頭位変換療法はまず試みるべき治療法と考えられた。
  • 臼井 信郎, 渡辺 光弘, 原 俊彰, 大越 俊夫
    1997 年 40 巻 5 号 p. 539-545
    発行日: 1997/10/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎手術症例の下気道過敏性に及ぼす影響について, メサコリン鼻吸入試験前後の換気機能検査をもとに経過を追って調べ, 治療効果判定のための指標と, それによる術後治療期間を検討することを目的とした。対象は鼻茸摘出術と鼻内鯖骨洞開放術を受けた22症例 (男性14例, 女性8例) であった。結果 : 1) 鼻茸を伴う副鼻腔炎手術症例の気道過敏性評価の指標としては1秒率が適していた。2) 術前のメサコリン鼻吸入試験陽性群の下気道過敏性は術後12ヵ月で最も亢進していた。3) 術前のメサコリン鼻吸入試験陽性群の下気道過敏性は術後18ヵ月で最も低下していた。4) 術前のメサコリン鼻吸入試験陰性群においても術後12ヵ月で吸入後1秒率の下降が認められた。5) アレルギー検査陰性群においては術後6ヵ月と12ヵ月でメサコリン鼻吸入後1秒率の下降が認められた。6) 鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎術後治療に要する期間は18ヵ月前後と考えられた。
  • 安田 秀男, 深谷 浩大, 大石 剛資, 相川 通, 大谷 巌
    1997 年 40 巻 5 号 p. 546-550
    発行日: 1997/10/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    上顎洞に発生した線維炎症性偽腫瘍の1例について報告した。線維炎症性偽腫瘍が上顎洞に発生することは極めて稀であり, 自験例を含めても10例の報告を数えるに過ぎない。
    症例は68歳の女性で右の鼻閉を主訴に近医耳鼻科を受診し, CT, MRIにて右上顎洞を中心に骨破壊を伴った腫瘍陰影を認められ当科へ紹介された。鼻内からの組織検査ではfibrovascular polypで悪性所見は認められなかった。しかし, CT上は骨破壊を伴った腫瘍であったため悪性腫瘍を完全に否定することができなかった。上顎部分切除術を施行し腫瘍を完全に摘出した。病理組織診断は線維炎症性偽腫瘍であり悪性所見は認められなかった。術後約3年を経過しているが, 再発は認めていない。
  • 西川 益利, 西川 恵子
    1997 年 40 巻 5 号 p. 551-556
    発行日: 1997/10/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    鼓室内誘導法による蝸電図検査を24症例に行った。針電極を鐙骨に近い部位に挿入した場合と, 正円窓に近い部位に挿入した場合において, SP・AP混合波形より, AP, SP, SP/AP振幅比を比較検討した。APは鐙骨に近い部位より, 正円窓に近い部位からの誘導波形にて大きかった。SP/AP振幅比は誘導位置により影響を受けなかった。陽性SPは11症例において, 正円窓に近い部位からの誘導波形のみに認められた。SPの極性は誘導電極の位置により影響を受けるものと思われた。
  • 川野 和弘
    1997 年 40 巻 5 号 p. 557-563
    発行日: 1997/10/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対しての外科的治療法としては口蓋垂口蓋咽頭形成術 (以下UPPPと略す) が一般に行われている。UPPPの治療効果を上気道の気流動態より判定するため, 呼吸抵抗を測定した。測定にはマイクロライノグラフを使用した。測定は座位・仰臥位にて各々鼻呼吸抵抗と口呼吸抵抗を測定した。その結果, 座位・仰臥位ともに鼻呼吸抵抗・口呼吸抵抗は術前に比べて術後は有意に減少した。また, 上気道抵抗 (鼻呼吸抵抗一口呼吸抵抗) を術前術後で比較すると, 座位では有意差は認められなかったが, 仰臥位では有意に減少した。このことによりUPPPによる中咽頭領域の拡大が体位の影響を受けやすいOSAS患者の上気道に改善をもたらしたものと考えられた。
  • 都丸 香緒, 斉藤 秀樹, 藤森 正登, 加納 昭彦, 石川 正治
    1997 年 40 巻 5 号 p. 564-567
    発行日: 1997/10/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    サルコイドーシスは, 壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫形成を主徴とする原因不明の全身性疾患である。今回我々は歯性上顎洞炎の診断で, 上顎洞手術を施行し, 病理組織診断がサルコイドーシスであった症例を経験したので報告し, さらに, 文献的考察を行った。鼻サルコイドーシスの臨床症状は鼻閉が最も多く, 鼻出血, 鼻漏, 嗅覚障害等を認める。また, 1905年以降, 我々が検索し得た鼻サルコイドーシスは87例であり, 好発部位は鼻粘膜 (下甲介, 鼻中隔粘膜) であった。副鼻腔に病変を認めたのは当症例を含め, 9例と稀であった。
  • 気道確保困難と体外循環
    小野澤 裕史
    1997 年 40 巻 5 号 p. 568-573
    発行日: 1997/10/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 尾尻 博也
    1997 年 40 巻 5 号 p. 574-576
    発行日: 1997/10/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 本多 芳男, 添田 一弘, 柳 清, 飯田 誠, 月館 利治, 大田 正治, 梅澤 祐二
    1997 年 40 巻 5 号 p. 577-582
    発行日: 1997/10/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • β-ラクタム薬について
    北村 正樹, 景山 茂
    1997 年 40 巻 5 号 p. 583-586
    発行日: 1997/10/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 佐々木 邦, 豊田 由香, 馬場 廣太郎
    1997 年 40 巻 5 号 p. 587-591
    発行日: 1997/10/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    スギ花粉症患者14名を対象としてスギ花粉症初期の状態を再現しIPD-1151Tの有効性について検討した。スギ花粉抗原ディスクを用いて鼻粘膜連続誘発を行うとIPD-1151T非投与群では即時相反応であるくしゃみ回数, 陽性度スコアは増強したがIPD-1151T投与群ではこれが抑制された。また遅発相反応である鼻閉スコアも非投与群では高度化を示したのに対し投与群では抑制された。
    IPD-1151Tの作用機序は (1) Th2細胞からのIL作4, IL5産生抑制, (2) lgE抗体産生抑制, (3) 肥満細胞からのケミカルメディエーター遊離抑制, (4) 好酸球組織浸潤抑制であり季節性アレルギー性鼻炎において即時相および遅発相反応を抑制する薬剤であると考えられた。
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