耳鼻咽喉科展望
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41 巻, 1 号
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  • 薬疹
    西山 茂夫
    1998 年 41 巻 1 号 p. 6-7
    発行日: 1998/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • Verbo-Tonal Methodに関連して
    舩坂 宗太郎
    1998 年 41 巻 1 号 p. 8-14
    発行日: 1998/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    一般に100デシベルを越えた難聴には, 補聴器では言語音の聞き分けができず, 会話を覚えることは不可能である。言語を操れるのは, 乳幼児時代に聴覚を通して学習して, はじめて可能なのである。人工内耳が先天聾乳幼児に適用されるようになって, まだ数年しか経ていないが, その効果は目覚ましい。先天聾児の真の幸福を考えれば, 「2歳では可哀相」, 「残存聴力があるので補聴器で頑張る」などは, 事実からも学問上からも間違っている。このことは親自身も体験から感じ取っており, 疑問を抱いている。したがって, 先天聾には1~3歳代に人工内耳を施行し, Verbo-Tonal Methodに基づいた言語訓練を開始するのがよい。これは臨床的にも確かめられており, 言葉を覚える脳の働きが0~3歳でもっとも活発という, 最新の大脳生理学の成果にも合致している。
  • 上顎洞粘膜の組織像と内視鏡所見から
    柳 清
    1998 年 41 巻 1 号 p. 15-37
    発行日: 1998/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    慢性副鼻腔炎に対する内視鏡下鼻内手術では副鼻腔粘膜を可及的に保存するため, 術後副鼻腔の病的粘膜がどのような治癒経過をとるのかを検討することは, 臨床的に非常に重要である。そこで上顎洞の術中の内視鏡所見や病理組織学的所見と, 術後の副鼻腔粘膜の改善経過とを比較した。対象は慢性副鼻腔炎の初回手術例122例 (216側) で, このうち両側性病変例は94例 (188側), 片側性病変例は28例 (28側) であった。鼻アレルギー合併例は18例 (33側), 喘息合併例は16例 (31側) で, そのどちらも合併しない症例 (非合併例) は88例 (152側) であった。術後1年が経過した時点での上顎洞粘膜の改善の評価を内視鏡所見で治癒, 良好, やや不良, 不良の4段階で判定し, 治癒と良好を改善とした。今回の対象症例 (N=216側) の改善率は全体の82.9%であり, やや不良が14.3%, 不良が2.8%であった。片側性副鼻腔炎の改善率が92.9%であったのに対し, 両側性副鼻腔炎の改善率は79.3%であった。鼻アレルギー合併症例は97.0%と良好な改善率を示したが, 喘息合併症例は48.4%と不良であった。内視鏡所見では粘膜の厚い症例, ポリープが存在する症例で改善率が不良であった。光顕像においては浮腫の程度, 線維化の程度, 炎症細胞の浸潤程度によっては改善率に差は認めなかった。上顎洞粘膜中に好酸球が優位な症例と単核球が優位な症例に分けて改善率を比較したところ好酸球が優位な症例で不良であった。以上から慢性副鼻腔炎の手術の予後不良因子として内視鏡的には粘膜の厚い症例, ポリープが存在する症例, 臨床的には喘息合併症例, 組織学的には好酸球浸潤の優位な症例が考えられた。
  • 細川 朋子, 吉田 博一, 豊田 由香
    1998 年 41 巻 1 号 p. 38-47
    発行日: 1998/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    鼻アレルギーにおける抗原に対する鼻粘膜の過敏性を, 感受性と反応性に分けて考えることができる。この反応性を非飛散期のスギ花粉症における鼻粘膜誘発試験により検討した。また, 実際の季節時の症状との相関についても検討した。
    同一抗原量に1日のうちに何度も反復曝露されることを想定し, スギ花粉非飛散期に18名のボランティアを対象に1時間毎6回の連続誘発試験を行った。有意差はないものの誘発ごとに症状はやや軽減化傾向を示した。6時間までの鼻洗浄液中のトリプターゼ値に変化はみられなかったが, ECP値は誘発高度群において5時間目, 6時問目に有意な上昇を認めた。
    同一抗原量が連日反復曝露されることを想定し, スギ花粉非飛散期に23名のボランティアを対象に6日間連続誘発試験を行った。誘発症状は経日的に有意な上昇を示し, 鼻洗浄液中のトリプターゼ値は誘発高度群で有意な上昇を認め, 誘発症状の高度化と一致した。ECP値は誘発高度群で有意な上昇を認め, 反応性の充進に関与するものと思われた。また, スギ花粉季節時に約3ヵ月間6日問連続誘発を行った者のうち8名を対象に無治療で観察した。この飛散期における無治療での経過観察を自然経過とした。くしゃみ回数の変化は誘発高度群と軽度群は明らかに分離し, 軽度群では飛散数に応じた症状を呈するのに比べ, 高度群では症状は有意に高度で飛散ピーク後の減少期にも症状は持続しており, 反応性の充進によるものと思われた。
    反応性および反応性充進の個人差は, 非飛散期の連続誘発によって知りうることを証明し, 誘発高度群, 軽度群の分類は実際の花粉飛散時の症状経過と一致するものであった。
  • 千葉 伸太郎, 足川 哲夫, 徳永 雅一, 森山 寛, 林 成彦, 宮崎 日出海
    1998 年 41 巻 1 号 p. 48-53
    発行日: 1998/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    小児の睡眠呼吸障害と睡眠時の成長ホルモン (GH) 分泌への影響について検討した。1995年7月~1996年6月にadenotonsillectomyを行った小児のうち, いびきのエピソードを認めた21例に術前後で朝起床時の尿中成長ホルモン値を測定した。結果は21例中9例で増加を認め, 不変例6例, 減少6例であった。術前, 努力性呼吸を認めた群では努力性呼吸を認めなかった群に比較し, 術後, 有意な増加を認めた。アデノイド, 口蓋扁桃肥大による努力性呼吸を伴う小児では睡眠呼吸障害のため深睡眠の出現が影響を受けGH分泌が減少し, 手術により睡眠呼吸障害が改善するとGH分泌が増加すると推察した。
  • 白居 芳幸, 石塚 洋一, 寺島 邦男, 鈴木 雅一, 山崎 竜一
    1998 年 41 巻 1 号 p. 54-59
    発行日: 1998/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    頭頸部腫瘍の中で耳下腺腫瘍の頻度は比較的低いものとされてきた。理由としては患者側として腫瘍が緩徐に進行し経過をみることが多いこと。医療側として部位診断, 悪性度診断等が容易でなかったこと, 摘出術を行うときの解剖学的位置関係により顔面神経損傷などがおこりやすいなどの理由により積極的な手術治療がおこなわれなかったこと等があげられる。しかし, 耳鼻科医にとって耳下腺腫瘍は日常診療において見逃してならず, 近年診断技術とくに画像診断の向上, 手術技術の進歩により, 積極的な治療が行われるようになってきた。今回我々は, 1991年から1996年の6年間に当教室で治療を行い病理組織学的に診断された耳下腺腫瘍33例を臨床的に検討した。33例中, 良性腫瘍は29例 (88%), 悪性腫瘍4例 (12%) であった。年齢は25歳から77歳に及び, 60歳代にピークが見られた。性差では, 男性が16例 (48%), 女性が17例 (52%) であった。組織型は, 良性腫瘍では多形腺腫が最も多く15例, 次いで腺リンパ腫7例, 悪性腫瘍では, 腺様嚢胞癌, 中分化型扁平上皮癌, 腺房細胞癌, 悪性リンパ腫がそれぞれ1例ずつであった。これらの症例につき臨床症状, 腫瘍の性状, 治療とその経過について検討を加えて報告する。
  • 太田 和博, 松永 喬
    1998 年 41 巻 1 号 p. 60-66
    発行日: 1998/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    咽喉頭異常感患者81例に心理テストCornell Medical Index (以下, CMIと略す) とSelf-Rating Depression Scale (以下, SDSと略す) を同時に施行しその結果を検討した。CMIは深町による分類で, 領域132例 (39.5%), 領域II35例 (43.2%), 領域III11例 (13.6%), 領域IV3例 (3.7%) であり, 領域1, 領域IIの正常領域が大半を占めた。SDSの粗点は, 平均は35.6点で, 標準偏差は7.6点で, 異常群 (粗点が39点以上) が28例 (34.6%), 正常群 (粗点が38点以下) が53例 (65.4%) となり, 心理的偏りがない群が多かった。これらの心理テストの結果と罹病期間の間には関係はなかった。また心理テストと薬物の治療成績との関係をみると, CMIでは, CMIの結果と薬物の治療成績には関係がないように思われた。SDSでは, SDS異常群のほうがやや治療成績が悪かったが, 統計学的有意差はなかった。
  • 鷹合 秀輝, 原口 秀俊, 野口 佳裕, 角田 篤信, 前原 浩史, 小松崎 篤
    1998 年 41 巻 1 号 p. 67-70
    発行日: 1998/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    上顎洞異所性歯牙の1症例を報告した。主訴は後鼻漏であった。単純レントゲンにて右上顎洞内に異常陰影を認め, CTにて骨と同じdensityをもつ腫瘤を認めた。内部には歯髄を思わせる低吸収域を伴っていた。Helical-CTにより, 腫瘤は下壁から後壁にかけ茎を有し, 洞壁と連続していることが確認できた。以上の所見より, 異所性歯牙の可能性が高いと思われたが, 骨腫なども否定できず, また慢性副鼻腔炎も合併していたため, 摘出術を施行したところ, 結局臼歯様の歯牙であった。発生学的には幼少時に翻転した上顎智歯の歯胚が, 後にそのまま上顎洞内に萌出したものと考えられた。
  • 石川 弘
    1998 年 41 巻 1 号 p. 71-77
    発行日: 1998/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    海綿静脈洞は各眼球運動神経を含む多くの神経, 血管が走行しており, 眼窩はこれらに眼球や外眼筋が加わり, ともに複雑な構造を示す。眼窩は上顎洞, 箭骨洞, 前頭洞と接しており, 海綿静脈洞も蝶形骨洞や飾骨洞と接している。副鼻腔の病変が眼窩や海綿静脈洞に進展すると, 眼球運動障害をはじめとする多彩な眼症状が出現する。本稿では, 眼窩と海綿静脈洞の連続切片標本を用いて, これらと各副鼻腔との解剖学的関係について解説した。さらに, 各副鼻腔病変で引き起こされる眼症状の特徴とその発現機序について, 臨床解剖学的な面から考察を加えた。診断と治療に際しては, 耳鼻咽喉科医と眼科医の協力が必要であることを強調した。
  • 井上 聖啓
    1998 年 41 巻 1 号 p. 78-83
    発行日: 1998/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 大山 勝, 洲崎 春海, 高坂 知節, 馬場 駿吉, 茂木 五郎
    1998 年 41 巻 1 号 p. 84-91
    発行日: 1998/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 辰野 聡, 小林 はる美, 多田 信平
    1998 年 41 巻 1 号 p. 92-93
    発行日: 1998/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 北村 正樹, 景山 茂
    1998 年 41 巻 1 号 p. 94-96
    発行日: 1998/02/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
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