耳鼻咽喉科展望
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43 巻, 3 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 口唇の炎症 (I)
    西山 茂夫
    2000 年 43 巻 3 号 p. 180-181
    発行日: 2000/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 新川 秀一
    2000 年 43 巻 3 号 p. 182-185
    発行日: 2000/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    先天性真珠腫の一つであると考えられている多発性中耳真珠腫について, その頻度, 分類, 発生機序などについて概説した。多発性真珠腫の中には明らかに複数の先天性真珠腫が認められるものと, 先天性と後天性真珠腫の形態を合併するものとに分類できることが判明した。後者の原因としては, 1) 先天性真珠腫が後天性真珠腫を誘発し結果的に多発性となった, 2) 以前から多発性真珠腫があり, その一方が炎症などの刺激で増大し鼓膜へ穿孔した.などが椎測された.
  • 井上 真規, 古川 滋, 松田 秀樹, 河野 敏朗, 高橋 優宏, 遠藤 亮, 佃 守
    2000 年 43 巻 3 号 p. 186-191
    発行日: 2000/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    扁桃摘出後に生じた縦隔気腫の1例を経験した。全身麻酔下に両側口蓋扁桃摘出術を施行した。右扁桃床の筋層に古い膿汁が変化したものと思われる黄白色塊を認め, 可及的に吸引除去した。術後, 鼻かみの後に, 右頬部, 両側頸部, 前胸部, 背部に広がる皮下および縦隔気腫が生じた。筋層に存在した膿栓を除去した後に空気の流入経路が残ったことと, 鼻かみによる口腔, 咽頭内圧の上昇が誘因となって気腫が引き起こされたと考えられた。
  • 春名 眞一, 鴻 信義, 佐野 真一, 森山 寛, 神尾 正巳
    2000 年 43 巻 3 号 p. 192-198
    発行日: 2000/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    下垂体腫瘍に対する篩骨洞・蝶形骨洞経由内視鏡手術 (endoscopic transethmoidal・trans-sphenoidal apProach) は明るく広い視野で蝶形骨洞全体のみならず, 種々の視野角の内視鏡を用い鞍内を観察し残存腫瘍なく手術を施行できる。さらに最大の特徴は後日同じルートを使って容易に再手術が可能であることである。慢性副鼻腔炎を合併した下垂体腺腫では鞍内に感染の危険性があり, 一期的な手術は禁忌である。まず慢性副鼻腔炎の手術を行い病態の改善を待ってから腺腫の手術をすべきであり, この場合, 篩骨洞・蝶形骨洞経由法を選択すれば, 慢性副鼻腔炎の手術後に下垂体腫瘍に対しても同じルートを用いて再開放することなく, 手術可能である。
    今回, 副鼻腔条を合併した下垂体腫瘍3例に対して, 第一に内視鏡下鼻内手術を施行し, 副鼻腔粘膜の良好な上皮化を認められた数ヵ月後に同じルートを用いて下垂体腫瘍を摘出できた。したがって, 慢性副鼻腔炎を合併した下垂体腫瘍などの再手術が必要と予期される症例には節骨洞・蝶形骨洞経由内視鏡手術は, 有効なアプローチ法であると考えられた。
  • 井出 里香, 小川 郁, 熊埜御堂 浩, 松延 毅, 亀山 香織, 神崎 仁
    2000 年 43 巻 3 号 p. 199-203
    発行日: 2000/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    結節性筋膜炎 (nodular fasciitis) は筋膜 (主に浅在性筋膜) や皮下深部の線維性組織に孤立性の結節を生じ, 周囲皮下組織に急速な腫瘍性増殖を示す線維芽細胞や組織球の反応性増殖である。病理学的に悪性疾患との鑑別が問題となるが, 転移がなく局所の腫瘍切除で治癒し得る疾患である。
    今回われわれは免疫組織化学染色を含めた病理組織検査により結節性筋膜炎と診断された症例を経験した。臨床所見や画像所見から本疾患を診断することは困難であり, 耳後部にみられる腫瘤性病変の一つとしては本疾患も念頭に置くべきものと考えられた。
  • Keratoacantoma ? verrucous carcinoma ?扁平上皮癌?
    八代 利伸, 田中 康広, 宇井 直也, 丹羽 洋二, 森山 寛
    2000 年 43 巻 3 号 p. 204-208
    発行日: 2000/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    今回我々は, 外耳道原発腫瘍で経過中に数回行った病理組織学的検査にて悪性の診断がつかず, 最終的に不幸な転機をとった高分化型扁平上皮癌の1症例を経験した。経過中の診断としてはkerato-acanthomaが疑われたが, 過去の類似症例の文献的考察などから推察するとverrucous carcinomaに酷似しており, 本症例もverrucous carcinomaであった可能性が強く示唆された。
    扁平上皮癌, keratoacanthoma, verrucous carcinomaの3疾患の鑑別は非常に困難とされる。したがって, その最終診断にはかなりの混乱が生じているものと考えられた。本症例はなかなか悪性の診断がつかず経過をみているうちに, 積極的に拡大あるいは広範囲切除を行う時期が遅れてしまった反省がある。病理的に診断が難しく, 診断に苦慮し, keratoacanthomaやverrucous carcinomaなどを疑わせる病理所見や臨床経過がみられた場合, 速やかに根治的治療を行うべきであると思われた。
  • 吉山 友二, 菅家 甫子
    2000 年 43 巻 3 号 p. 209-214
    発行日: 2000/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    ネブライザー専用の薬剤である塩酸セフメノキシムを試験薬剤として, ネブライザー療法における薬剤安定性および噴霧特性について比較検討した。塩酸セフメノキシムは超音波式ネブライザーにより, 約93%の薬剤噴霧率を示し, フィルターや薬液槽, 振動子にわずかに付着残存するのみであった。一方, コンプレッサーネブライザーでは超音波ネブライザーに比べ, 薬液槽への薬物残存量が多く, 薬剤噴霧率が低下した。また, 噴霧薬剤の粒子径は, 超音波ネブライザーではコンプレツサーネブライザーに比べ, より均一で微細であることが明らかとなった。塩酸セフメノキシムは超音波ネブライザーに対して安定であり, 治療上有効な薬剤であることが示唆された。総じて, 塩酸セフメノキシムを用いたネブライザー療法は大変有用であり, 薬剤安定性を保持し, 利便性が向上した超音波ネブライザーの登場と相侯って, 多くの患者に福音をもたらすことを強調したい。
  • 内視鏡が誘う未知との遭遇
    小澤 仁
    2000 年 43 巻 3 号 p. 215-219
    発行日: 2000/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 大久保 憲
    2000 年 43 巻 3 号 p. 220-224
    発行日: 2000/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    感染対策の基本は, 患者の人権を尊重し, コストベネフィットを考慮し, かつ科学的な根拠に基づく方策でなくてはならない。非科学的で誤った過剰な予防策の実施は, 患者や医療従事者に有害であるばかりか経済的にも不合理なものとなる。感染対策としての環境微生物汚染の調査, 入院時や術前のスクリーニング検査, 一律な予防策の実施などを見直して, 既知の感染症の有無にかかわらず, すべての患者に対して適応できる有効なバリアプリコーションの確立が求められている。一方では, 医療従事者が職務上で重大な疾患に感染するという痛ましい職業感染の報告が散見され, スタッフの安全対策にも目を向けていかなくてはならない状況にある。
  • 戸崎 光宏
    2000 年 43 巻 3 号 p. 225-226
    発行日: 2000/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 2000 年 43 巻 3 号 p. 227-244
    発行日: 2000/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 北村 正樹, 景山 茂
    2000 年 43 巻 3 号 p. 245-247
    発行日: 2000/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 榎本 雅夫, 嶽 良博, 嶋田 貴志, 河合 康雄, 山本 哲郎, 白川 太郎
    2000 年 43 巻 3 号 p. 248-252
    発行日: 2000/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    乳酸菌Entercoccus faecalis FK-23株を酵素および加熱処理したLFK (FK-23菌抽出物) のスギ花粉症に対する効果を検討するため, LFK群とプラセボ群を設け, 二重盲検法による比較対照試験を実施した。スギ花粉症患者22名を無作為に2群に分け, LFK群には, LFKを0.59配合する顆粒食品を1日2回摂取させ, プラセボ群は, LFKをデキストリンに置き換えたものを同様に摂取させた。鼻症状, 眼症状および薬剤の使用量をアレルギー日記による自己申告によって調査した。その結果, 試験期間中, LFK群はプラセボ群と比較して, くしゃみの発作で抑制傾向を, 鼻閉で有意な抑制を示し, 鼻および眼の合計スコアの推移でも抑制傾向が認められた。さらに, 抗ヒスタミン薬の内服使用量がLFK投与群で少なくなる傾向を示した。
  • 河野 英浩, 山田 昌宏, 山岡 秀之, 佃 守
    2000 年 43 巻 3 号 p. 253-257
    発行日: 2000/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    スギ花粉症の鼻炎症状に対する小青竜湯エキス錠の効果を検討した。投与期間はスギ花粉が飛散した2月から3月までの期間で, スギ花粉による鼻アレルギー症状を訴えて来院した患者15名に対して小青竜湯エキス錠 (EKT-19) を原則として2週間経口投与し, 投与前と投与後の症状を比較して, 試験薬剤の鼻炎症状に対する効果を検証した。その結果, 鼻汁に対しては14.3%が改善, 42.9%がやや改善以上を示し, 改善傾向を示した (P=0.053) 。鼻閉に対しては改善が21.4%, やや改善以上が50.0%で有意な改善 (P=0.008) を, くしゃみに対しては14.3%が改善, やや改善以上が71.4%で有意な改善を示した (P=0.005) 。眼掻痒感に対しては14.3%が改善, やや改善以上が42.9%で有意な効果を示した (P=0.014) 。後鼻漏, 流涙の項目では有意な効果は認められなかった。これらの結果から判定した全般改善度は改善が46.7%, やや改善以上が73.4%であった。スギ花粉症患者の約半数に対して一定の効果を示したことにより, 小青竜湯は花粉症に対して有効な薬剤であると考えられた。
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