耳鼻咽喉科展望
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43 巻, 5 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • 口唇の炎症 (III)
    西山 茂夫
    2000 年 43 巻 5 号 p. 358-359
    発行日: 2000/10/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 中野 雄一
    2000 年 43 巻 5 号 p. 360-365
    発行日: 2000/10/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    中耳炎の手術を行ったが, その後の経過が不良で, 再び治療や手術を必要とする症例がある。原因はいろいろであるが, 手術を必要とする症例としては, 病変残存例や再発例.合併症例などがある。合併症として多いのは術後の開放乳突腔障害である。
    再手術にあたって重要なのは, 前回手術の術式, すなわち施行された術式と現在の病態である。それにはCTとMRIが有力な情報を提供してくれる。適応する術式は再手術ということもあって改善する確率が100%に近いものでないと患者の同意を受けることはできない。
    乳突腔障害や再形成真珠腫では乳突腔の充填などによる腔の縮小をはかるのが望ましい。
  • 島田 千恵子
    2000 年 43 巻 5 号 p. 366-380
    発行日: 2000/10/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    慢性副鼻腔炎の病態および重症度を客観的, 定量的に示す, 病期分類 (staging) を試みた。両側性, 成人例, 副鼻腔手術既往のない慢性副鼻腔炎例を対象として, 画像所見 (R : Radiographic findings), アレルギーの合併 (A : Allergic examinations), 鼻内所見 (N : Nasal findings) の3因子について評価し, StageIからVまで分類した。さらに本stagingを臨床例 (保存的治療群94例, 手術的治療群350例) に適用し, R, A, N各因子の相互の関係, R, A, N各因子と治療成績およびstage別の治療成績を検討した。その結果, JR, A, N各因子は, それぞれ相関関係を持たず独立しており, stagingに適切な因子であると考えられた。保存的治療群においてはAとNの重症度が有意に予後に影響し, 手術的治療群においてはRとAの重症度が有意に予後に影響し, R, A, Nの各因子を考慮することより適切な治療法の選択が可能となることが示唆された。保存的治療, 手術的治療ともにstageが高くなるにつれ, 有意に予後が不良となった。以上より, 本stagingは慢性副鼻腔炎の臨床病態を的確にあらわし, 治療成績へ反映し, 臨床的に有用度の高い分類法と考えられた。
  • 井口 芳明, 八尾 和雄, 西山 耕一郎, 山本 一博, 鈴木 立俊, 佐藤 賢太郎
    2000 年 43 巻 5 号 p. 381-386
    発行日: 2000/10/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    アレルギー性鼻炎の鼻粘膜には特異的刺激 (抗原) や非特異的刺激に対する反応性に個体差があり, その違いが症状の重症度を決定すると考えられる。今回スギ花粉症の花粉非飛散期の非特異的刺激として, 蒸留水鼻腔刺激に対する鼻粘膜の反応性について検討した。対象は未治療のスギ花粉症患者で健常者をコントロールとした。花粉非飛散期に蒸留水で鼻腔を刺激して, 洗浄液を回収し, 鼻内所見, 鼻症状を観察した。また, その回収液は生理食塩水で鼻腔を洗浄した症例と比較した。鼻腔洗浄液中の蛋白質定量はLowry法で, 蛋白質成分の分析はSDS-PAGE法で行った。蒸留水刺激後の鼻内所見に変化はなく, 鼻症状ではくしゃみ, 水様性鼻汁, 鼻閉の出現はなかったが, 健常者を含む全例で痛みが出現し10~20秒間持続した。回収液の分析では, 鼻腔洗浄液の成分のアルブミンと推定分子量26kDの蛋白質に着目した。総蛋白質濃度は鼻汁量を反映し, アノレブミンは血管透過性因子であり, 26kD蛋白質はピロカルピン刺激で増大するので腺分泌性因子である。アレルギー性鼻炎症例を蒸留水で刺激すると, 生理食塩水洗浄例と比較して, アルブミン濃度, 26kD蛋白質の濃度は増大し総蛋白質濃度も増大した。なかでも血管透過性充進は有意差をもって増大した。このことは蒸留水に対する鼻粘膜の反応性の一つであり, 非特異的刺激に対する鼻粘膜の過敏性の一つである。
  • 千葉 伸太郎, 足川 哲夫, 内田 亮, 徳永 雅一, 森山 寛
    2000 年 43 巻 5 号 p. 387-392
    発行日: 2000/10/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症候群 (Obstructive Sleep Apnea Syndrome) に対する軟口蓋部分切除術 (Intrapalatine resection) の効果について検討した。対象は軟口蓋部分で咽頭腔の前後径が狭窄あるいは閉塞するタイプの閉塞性睡眠時無呼吸症候群と診断された成人男子8例。無呼吸低呼吸指数は術前平均45.93±16.02times/hourから術後平均15.27±10.81times/hourと有意に減少した。%stage3+4は, 2.09±2.24から5.14±3.60と有意な増加を示した。Mean SaO2, %90<SaO2, mean MSLTは改善傾向を示したが, 統計学的な有意差は認めなかった。全体でApnea Hypopnea Indexの改善率は66.75%であった。
  • 黒石川 泰, 川島 慶之, 喜多村 健
    2000 年 43 巻 5 号 p. 393-397
    発行日: 2000/10/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    今回我々は, 1988年から1999年の12年間で当教室において経験した術後性上顎嚢胞全150例中なんらかの眼症状を呈した21症例について眼症状の種類と頻度, 局在と症状の関連を検討した。局在の内訳は上内側型9例, 上部中心型5例, 内側型1例, 洞中心型6例, 外側型なしであり, 眼症状の種類と頻度については流涙11例, 眼球上転11例, 複視10例, 眼球突出8例, 視力障害2例, 視野障害2例であった。嚢胞の位置と眼症状の関係についてみると, 上内側型で流涙を伴うものが, 洞中心型で眼球突出を示す症例が多くみられた。また, 代表的な2症例の病態を比較することで, 出現頻度の少ない上顎嚢胞による視力障害について考察した。その結果, 画像上での眼球の変形, 眼圧の上昇, 眼底変化は続発する視力障害の出現を左右することがわかった。
  • 重田 泰史, 深見 雅也, 歌橋 弘哉, 内田 亮, 中村 敏久
    2000 年 43 巻 5 号 p. 398-402
    発行日: 2000/10/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    内視鏡下鼻内手術を行った喘息を合併する慢性副鼻腔炎の病態と, 術後経過について検討した。1年間の副鼻腔炎手術のうち, 266例中38例 (14.3%) が喘息合併例であった。内視鏡下鼻内手術により, 副鼻腔炎は大多数で改善し, 喘息にもなんらかの改善が見られた。成人発症の非アトピー型喘息合併例では, 副鼻腔炎が高度であり, 末梢血好酸球数も高値で, アスピリン喘息の既往と, 中耳炎合併をもつものが多いという特徴があり, 術後1年前後で再燃する例も少なくなかった。喘息を合併する慢性副鼻腔炎, とくに成人発症の非アトピー型喘息合併例では, 術後長期の経過観察と治療が必要であると考えられた。
  • 飯野 孝, 三谷 幸恵, 矢部 武, 小島 博己, 吉田 隆一, 佐藤 英明, 飯村 慈朗, 和田 弘太, 梅澤 祐二
    2000 年 43 巻 5 号 p. 403-410
    発行日: 2000/10/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    腎細胞癌の転移は, 肺, 骨, 肝の頻度が多く, 耳鼻咽喉科領域への転移は稀であるとされている。今回, 腎細胞癌で上顎洞および肺転移を来しながら, 保存的治療のみでQOLは不良ながらも, 7年7ヵ月生存し得た1症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。
    腎細胞癌の上顎洞, 篩骨洞転移症例では, 輸血を頻回に必要とする大量鼻出血に悩まされることが多い。また腫瘍の増大に伴い眼球突出や皮膚浸潤などにより複視や顔貌の変化, 口腔内進展による摂食障害などを来してくる。以上のような苦痛によるQOLの低下を考慮し, 肺などの他臓器転移を認めても十分なインフォームドコンセントのもと, 腫瘍摘出術の適応について次のように考察した。
    (1) 大量の鼻出血を繰り返しているもの, (2) 腫瘍が, 眼窩内, 頭蓋底, 上咽頭, 蝶形骨洞, 前頭洞, 鼻背皮膚へまで進展していないもの, 原発腫瘍ではないが副鼻腔癌のTNM分類ではT3までの進展であること, (3) 腫瘍細胞型が紡錘細胞型ではない, (4) 細胞の異型度がgrade1である, (5) 腫瘍の進展が遅延型である, (6) 核内DNAのploidy patternの分析からdiploid腫瘍群である, (7) 腫瘍摘出術に加え他臓器転移巣に対し, Interferon療法, 化学療法などの補助療法を施行すること。以上の条件を満たす場合, 鼻副鼻腔単独転移のみならず多臓器転移の際も鼻副鼻腔腫瘍摘出術も有効な選択肢の一っであると考えた。
  • 國分 武彦
    2000 年 43 巻 5 号 p. 411-414
    発行日: 2000/10/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 林 良寛
    2000 年 43 巻 5 号 p. 415-420
    発行日: 2000/10/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 加地 正英
    2000 年 43 巻 5 号 p. 421-428
    発行日: 2000/10/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    日常診療で最も頻繁に遭遇する疾患であるかぜ症候群の病因は多岐にわたる。その多くはウイルスであるが, その病原ウイルスにしても多くの種類がある。ごく最近までこれらの病原ウイルスに直接作用する治療薬はなかったが, 1997年に我が国で初の抗インフルエンザ薬としてアマンタジンが認可され, さらに新たな抗インフルエンザ薬のノイラミニダーゼ阻害剤も近く登場する。インフルエンザウイルス以外に呼吸器ウイルスに対する抗ウイルス薬の開発も進んでおり, 他のかぜ症候群に対する治療も, 対症療法から原因療法へ変わる可能性が期待され, かぜ症候群の診療にも新たな局面を迎えようとしている。
  • 成人例を中心に
    森山 寛, 山中 昇, 石戸谷 淳一, 吾妻 安良太, 小澤 仁
    2000 年 43 巻 5 号 p. 429-438
    発行日: 2000/10/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 2000 年 43 巻 5 号 p. 439-469
    発行日: 2000/10/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 橋本 透, 木村 雅子, 尾尻 博也, 多田 信平
    2000 年 43 巻 5 号 p. 470-471
    発行日: 2000/10/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 北村 正樹
    2000 年 43 巻 5 号 p. 472-474
    発行日: 2000/10/15
    公開日: 2011/08/16
    ジャーナル フリー
  • 藤倉 輝道, 秋元 利香, 佐地 富砂子
    2000 年 43 巻 5 号 p. 475-480
    発行日: 2000/10/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    2000年度のスギ花粉症症例129例を対象に,粘膜付着型のプロピオン酸ベクロメタゾン点鼻液ナイスピー®の治療効果を検討したる種々の経ロアレルギー治療薬とナイスピー®の併用治療を行い,1日2回投与で61.0%,4回投与で80.0%の症例において,中等度ないし著明改善が得られた。ナイスピー®の単剤治療においても1日2回投与で50.0%,4回投与で7217%の症例において,中等度ないし著明改善が得られた。ナイスピー®は,基剤の有する粘性が薬剤の付着性,停滞性を向上させ,かつ刺激性を低下させることで吸収効率を高め,スギ花粉症治療の上で有用であると推察された。
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