耳鼻咽喉科展望
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43 巻 , Supplement1 号
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  • 小川 晃弘, 山根 辰生, 岸本 朋之, 曽田 益弘
    2000 年 43 巻 Supplement1 号 p. 5-10
    発行日: 2000/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    MRSAによる副鼻腔炎も治療に困難を伴うことが多い。このたび姫路聖マリア病院においてMRSA感染による副鼻腔炎5症例に対して, 1回8.3mgのABKをネブライザーを用いて直接局所に作用させて除菌を試みた。ネブライザーは外来で週1回の施行を原則としたが, 副作用を発現した症例はなかった。
    治療後2回連続して中鼻道の細菌検査でMRSAが検出されない状態で, 除菌を得られたと判断した。対象の5症例はABKを用いたネブライザー療法の開始後4--29回 (平均11.4回) 実施した時点で, 除菌が得られた。
    除菌が得られた後にも2例で間隔をおいて再びMRSAが検出された。しかしこれらについても再びABKを用いたネブライザー療法で除菌が得られた。ABKネブライザーの反復施行により耐性を獲得した症例はなく再燃症例にも有効であることが判明した。
    今後はMRSA感染による副鼻腔炎に対し, さらに的確なネブライザー治療法の確立が望まれる。
  • 上顎洞, 篩骨洞について
    西城 隆一郎, 間島 雄一, 兵 昇, 高野 頒, 國貞 智弘
    2000 年 43 巻 Supplement1 号 p. 11-14
    発行日: 2000/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    鼻内副鼻腔手術患者を対象として下甲介前端, 上顎洞内, 後部箭骨洞へのエアロゾル到達濃度の検討を超音波ネブライザーとジェットネブライザーを用いて行った。結果は, 下甲介前端, 上顎洞内, 後部篩骨洞の順に高い薬物濃度を示し, 後部節骨洞においても副鼻腔炎起炎菌に対して充分な薬物濃度を示した。また, ジェットネブライザーを用いた方が超音波ネブライザーを用いた方より高い薬物濃度を示した。
  • 木村 裕, 八十島 唯幸, 井関 琢哉, 矢野 さゆり, 米本 正明, 寺山 善博, 内藤 丈士, 長舩 宏隆, 小田 恂
    2000 年 43 巻 Supplement1 号 p. 15-20
    発行日: 2000/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    耳鼻咽喉科の日常診療で鼻漏を認める症例は多い。それらの症例に対して, 初診時には起因菌が明らかではないまま投薬の薬剤を選択しエアロゾル療法を施行することになる。有効ではない抗生剤を長々と投与することは, 症状を改善に導かないのみならず, 耐性菌の増加にもつながる。起因菌としてどんな菌が多いか, そしてそれらの菌の薬剤感受性はどうか, ということは常に念頭において診療にあたらなければならない。今回日常診療の場で採取した鼻汁を対象に, 細菌を分離同定し, 日常使用している内服用抗生剤とネブライザー用抗生剤に対する薬剤感受性検査を施行し, その結果を検討した。
  • 上顎洞開窓術, 上顎洞チューブ留置術およびYAMIK療法前後の上顎洞内圧の変化
    松永 真由美, 三輪 正人, 間宮 淑子, 近藤 由香, 高須 昭彦
    2000 年 43 巻 Supplement1 号 p. 21-25
    発行日: 2000/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    慢性副鼻腔炎において保存療法で治療効果が得られない場合, 上顎洞チューブ留置術, YAMIK療法等の処置や鼻内内視鏡手術, 上顎洞開窓術といった手術的療法により副鼻腔の換気孔を開大する手段がとられている。そこで, 鼻腔・副鼻腔間の換気の改善が鼻粘膜に及ぼす影響について, 換気孔の開大前後の鼻腔・上顎洞内圧の同時測定の結果と, サッカリンテストによる粘液繊毛輸送機能の変化, 鼻腔抵抗の変化とを比較検討した。
    鼻腔上顎洞間の交通路は複数の方が上顎洞内圧の変動が大きく, さらに安静呼吸時より頻呼吸時の方が圧変動が大きくなり, 鼻腔内の気流の速度とともに, 換気孔の数が鼻腔・上顎洞間換気の状態に影響を及ぼしていると考えられた。また, 上顎洞の換気孔の造設は粘液繊毛輸送機能を改善させることが示唆された。
  • 吉山 友二, 原 愛, 菅家 甫子, 朝井 慶
    2000 年 43 巻 Supplement1 号 p. 26-29
    発行日: 2000/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    今回, 諸外国で既に開発, 使用されているネブライザー用ステロイド懸濁液を試験薬剤として用い, 新規超音波式ネブライザーでの懸濁液噴霧の可否及び安定性を検討した。
    新規超音波ネブライザーNE-U14 (オムロン) を用い, パルミコート (R) (一般名 : ブデソナイド, アストラ) を実験に供した。試験薬液を薬液槽に入れ, 噴霧後に外観変化, pH, 臭気および含量を測定した。
    各試験薬剤の超音波ネブライザー噴霧後のpH, 外観および臭気ともに変化はみられなかった。試験薬剤は, 噴霧前薬物量の約70%が噴霧され, フィルター, 薬液槽及び振動子部に残存する30%を加えた薬剤合計が噴霧前の含量と同等であった。
    新規超音波ネブライザーによりステロイド懸濁液の噴霧が可能になるとともに, 薬剤の安定性も保持し得ることが明らかとなり, 小児や高齢者を含む多くの患者に適正ネブライザー療法を遂行できることを強調したい。
  • 石塚 洋一, 竹越 佐智子, 千葉 良子, 田中 彰
    2000 年 43 巻 Supplement1 号 p. 30-36
    発行日: 2000/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    ネブライザー療法を含めた局所療法に用いる薬剤の味やにおいについては, 一般用医薬品に比較し, 患者からの満足度は十分とはいえない。
    今回私共はネブライザー療法に用いる薬剤に, 芳香剤であるハッカオイルや各種のにおいエッセンスを添加して用い, 使用感を中心に, その有用性について検討した。またこれらの添加物が薬剤の安定性に及ぼす影響についても基礎的な検討を行った。
    慢性副鼻腔炎のネブライザー療法に, ハッカオイルを添加して使用し, 使用時の清涼感が増し, 局所療法としてより有用性を高めることができた。CMXにハッカオイルを添加し, 薬剤の安定性をみたが, CMXの7日後の力価残存率は91.1%と安定していた。薬剤の安定性の検討では, ハツカオイルの他に, グレープフルーツオイル, メロンエッセンス, ストロベリーエッセンス, レモンエッセンスの安定性が良かった。
  • 黒野 祐一, 福岩 達哉, 松根 彰志, 宮之原 郁代, 牛飼 雅人
    2000 年 43 巻 Supplement1 号 p. 37-42
    発行日: 2000/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    気道粘膜表面には分泌型IgAを中心とする粘膜免疫が備わり, 細菌やウイルスなどの病原菌の生体内への侵入を妨げている。そこで, インフルエンザ菌に対する気道の粘膜免疫応答を観察し, エアロゾルによるワクチン療法の可能性について検討した。その結果, 経鼻あるいは経気管的に抗原を投与することで, 上気道ならびに下気道に特異的IgA応答が誘導され, エアロゾルによるワクチン療法が気道感染症の予防に有効なことが示唆された。しかし, 抗原の頻回もしくは長期間の投与によって免疫寛容が誘導される可能性があり, その投与方法についてはさらに検討を要すると考えられた。
  • 小田 恂, 長舩 宏隆
    2000 年 43 巻 Supplement1 号 p. 43-46
    発行日: 2000/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    エアロゾル療法 (以下, ネブライザー療法という) の過去・現在および未来について論じた。本論文では, とくに慢性副鼻腔炎に対するネブライザー療法について述べた。ネブライザー療法は今からおよそ50年前に, わが国の耳鼻咽喉科の臨床の場に登場した治療法であるが, 保険診療上の取り扱いにはさまざまな変遷がみられた。現在の問題点は, 慢性副鼻腔炎のネブライザー療法に用いる薬剤についての問題と耳鼻咽喉科固有の専門処置としてのあり方についてで, とくに後者は将来につながる問題として, 単なる吸入療法としてではなく, 副鼻腔自然孔の開放または開大の処置をともなったネブライザー療法を耳鼻咽喉科の専門処置とするよう提唱した。
  • 竹内 万彦, 貝瀬 俊彦, 坂倉 康夫, 鵜飼 幸太郎, 間島 雄一
    2000 年 43 巻 Supplement1 号 p. 47-49
    発行日: 2000/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    アレルギー性鼻炎に対する点鼻薬開発の目的として, 薬液の鼻粘膜に対する展着性を高め, bioavailabilityを上げることと, 経口で用いるより少ない量で効果をあげ, 全身的な副作用を軽減することの二点が挙げられる。貝瀬らは, 抗アレルギー薬としてアレルギー性鼻炎に内服薬として用いられているオキサトミドのゲル製剤を点鼻薬として開発し, モルモットの実験的アレルギー性鼻炎に対する効果を検討した。オキサトミド点鼻薬は鼻腔内局所投与において, 感作モルモットへの抗原誘発後の鼻粘膜血管透過性亢進および鼻腔灌流液中ヒスタミン濃度増加を有意に抑制した。さらに, オキサトミド点鼻薬はヒスタミン鼻腔内投与後の鼻粘膜血管透過性亢進に対しても抑制効果を示した。以上の結果は, オキサトミド点鼻薬が鼻粘膜局所においてヒスタミン遊離抑制作用及びヒスタミン拮抗作用を発現して鼻粘膜血管透過性亢進を抑制したことを示している。オキサトミドのゲル製剤ではその経口剤の100分の1以下の量で効果が期待でき, これは同時に副作用が著しく軽減される可能性があることを意味する。
  • 大久保 公裕, 八木 聰明, 奥田 稔
    2000 年 43 巻 Supplement1 号 p. 50-52
    発行日: 2000/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    アレルギーの治療には大きく分け, 薬物療法, 免疫療法, 手術療法が挙げられる、, 最も行われている薬物療法のうち, 局所点鼻療法としてH1受容体拮抗薬, ケミカルメディエター遊離抑制薬, ステロイド薬などが使用される。今回我々は新しい点鼻デバイス「ジェットライザーTM」についてその有用性を考察した。この点鼻用デバイスは粉末薬剤の噴霧器であり, 今までのものと比較し, 鼻腔への噴霧状態, 噴霧能力ともより有用と考えられた。局所点鼻療法は鼻アレルギー治療になくてはならない治療法であり, デバイスも含めた薬剤の検討が必要であると考える。
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