耳鼻咽喉科展望
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44 巻 , Supplement1 号
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  • 西澤 芳男, 西澤 恭子, 吉岡 二三, 永野 富美代, 谷垣 由美子, 竹内 光一, 後藤グレイシー 広恵, 伏木 信次
    2001 年 44 巻 Supplement1 号 p. 5-13
    発行日: 2001/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    柴朴湯 (Cai-pu-tang) 内服時の柴朴湯の気道局所濃度とin vivo, in vitro実験系における柴朴湯との濃度差は著しく, 本差異を解消する目的のため柴朴湯吸入療法を開発した。本法施行時, in vivo, in vitro実験系とは同濃度の柴朴湯が病変局所でえられる。このため臨床上柴朴湯の多種にわたる抗アレルギー薬理効果が発現する。アスピリン喘息 (aspirin-induced asthma) 患者を乱数表で2群に分け, 6ヵ月間一群には柴朴湯 (100 μg/ml×5ml/回/3回/日), 他方に生理食塩水をjet型nebulizerで6ヵ月間吸入させた。1秒率, ピークフロー値, 気管支肺胞洗浄液中leukotriene, eosinophil cationic protein, 好酸球, 各種interleukinを測定した。柴朴湯群ではアスピリン吸入で低下した呼吸機能の有意な改善, アスピリン吸入で増加した気管支肺胞洗浄液中LTs, eosinophil cationic protein, 好酸球, interleukin-3, 4, 5, 8の有意の低下を認めた。6ヵ月間吸入で柴朴湯群はplacebo群に比較し発作が有意に抑制され, QOLを有意に改善した (副作用 : 両群間有意差は (-)) 。
    本結果から, 柴朴湯吸入はアスピリン喘息に有効であること, 柴朴湯は多種薬理効果を有するため, 柴朴湯吸入療法ではLT増加抑制以外にも多種因子が病因に関与するアスピリン喘息のような疾患に有効である可能性が示唆された。
  • 吉山 友二, 西野 真紀, 矢崎 知子, 菅家 甫子
    2001 年 44 巻 Supplement1 号 p. 14-19
    発行日: 2001/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    国内初のネブライザー専用薬剤として繁用される塩酸セフメノキシムを試験薬剤として, ネブライザー療法における薬剤安定性および噴霧特性について比較検討した。塩酸セフメノキシムは超音波式ネブライザーにより, 約93%の薬剤噴霧率を示し, フィルターや薬液槽, 振動子にわずかに付着残存するのみであった。塩酸セフメノキシムは超音波ネブライザーに対して安定であり, 治療上有効な薬剤であることが示唆された。一方, コンプレッサーネブライザーでは超音波ネブライザーに比べ, 薬液槽への薬物残存量が多く, 薬剤噴霧率が低下したことから, 目標とする薬効を得ることが困難であることが問題視される。また, 噴霧薬剤の粒子径は, 超音波ネブライザーではコンプレッサーネブライザーに比べ, より均一で微細な至適粒子が得られ, 粒子径の調節も可能である。総じて, ネブライザー専用薬剤である塩酸セフメノキシムを用いた適正使用は大変有用である。
  • 鈴村 恵理, 竹内 万彦, 間島 雄一
    2001 年 44 巻 Supplement1 号 p. 20-23
    発行日: 2001/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    鼻腔の粘液繊毛輸送機能は気道の防御機構の一つで, 吸気中の異物を捕捉し排除する役割を担っている。鼻腔粘液繊毛輸送機能に対する温泉入浴の効果を調べるために, サッカリン法を用い検討した。健康成人20名 (平均年齢26.5歳) を対象とした。サッカリン顆粒を被験者の中鼻甲介下端付近に相当する鼻中隔粘膜上に付着させ, 輸送されたサッカリンが上咽頭で甘さとして感じられるまでの時間を測定した。安静時のサッカリンタイム (1,383.1±281.4秒, mean±SE) と比較して, 温泉入浴中 (573.0±42.6秒) は有意に短縮した (p=0.0058) 。コントロール群と入浴後温泉から出てから測定したサッカリンタイムの有意差は認められなかった。今回の検討により, 入浴中の鼻腔粘液繊毛輸送機能の活性化が明らかとなった。
  • 米倉 新, 鈴木 賢二, 森 淳, 村山 誠, 藤澤 利行, 八木沢 幹夫, 西村 忠郎
    2001 年 44 巻 Supplement1 号 p. 24-27
    発行日: 2001/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    鼻ネブライザー用薬剤の選択には, 安全性が高く, 薬液が無味無臭, アレルギーを起こしにくい, 使用抗菌剤の抗菌活性が標的細菌に対して的確であることなどが勘案され選択される。それらについて実地臨床医に対し当科的にアンケート調査を行ったところ, 興味深い結果が得られた。大部分の施設が鼻ネブライザー療法の有効性について認めているようであるが, 未だ施行にあたって明確な基準がなされていないため, 各々の臨床家が個々の判断で使用機器, 使用薬剤を決めて施行されていることがわかった。しかしながら, 今後もネブライザー療法は耳鼻咽喉科診療において主流の一つであり, 専門処置として存続させていくには, Evidence Based Medicine (EBM) に準拠した治療法としてのネブライザー療法を確立することが必要であると思われた。
  • 鈴木 賢二, 米倉 新, 森 淳, 西村 忠郎
    2001 年 44 巻 Supplement1 号 p. 28-32
    発行日: 2001/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    ネブライザー用抗菌薬の条件として, 1.標的起炎菌に活性があること, 2.容易に溶液化できること, 3.粘膜への刺激が少ないこと, 4.無味無臭に近いこと, 5.抗原性が低いこと, 6.溶液として力価が安定なこと, などが挙げられる。これらの出来るだけ多くを満たすネブライザー用薬剤としてこれまでは主としてアミノ配糖体が使用されてきたが, 鼻副鼻腔炎よりの主要検出菌である肺炎球菌, インフルエンザ菌, カタラーリス菌, 黄色ブドウ球菌それぞれの薬剤感受性を勘案するとアミノ配糖体の使用は奨められない。一方鼻ネブライザー用薬として唯一承認されているセフメノキシム (CMX) は, これらの主要検出菌に対し十分な抗菌活性を有しておりその使用が推奨されるが, 8週間以上にわたる漫然とした長期連用は慎まなければならない。
  • 現状の問題点と将来展望
    坂倉 康夫
    2001 年 44 巻 Supplement1 号 p. 33-37
    発行日: 2001/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 鼻・副鼻腔モデルを用いて
    西城 隆一郎, 間島 雄一, 兵 昇, 國貞 智弘, 阿部 武史, 高野 頌
    2001 年 44 巻 Supplement1 号 p. 38-43
    発行日: 2001/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    鼻内上顎洞篩骨洞開放術後の鼻・副鼻腔の形態を模したシリコン製の鼻・副鼻腔モデルを作製し, そのモデルに対し一定の粒子径をもった炭素粒子を噴霧し, その沈着分布パターンを検討した0結果は重量基準空気力学径6.99μmおよび14.61μmの粒子を用いた場合, ともに鼻内上顎洞篩骨洞開放術後のエアロゾル療法の標的部位と考えられるOMCおよび上顎洞, 篩骨洞へ効果的に沈着していることが確認できた。上顎洞内では6.99μmの粒子を用いた方がより均等な沈着パターンをとった。また, ノズル角度による影響をみた実験においては, ノズル角度450の場合が30°の場合に比べOMC, および上顎洞, 篩骨洞へ効果的に沈着していることが確認できた。
    以上より, 鼻・副鼻腔へのエアロゾル沈着パターンを左右する要因としては, 粒子径だけではなく, ノズル角度が粒子径と共に重要な要因であると考えられた。
  • エアロゾル療法の基礎および臨床
    間宮 淑子, 内藤 健晴
    2001 年 44 巻 Supplement1 号 p. 44-50
    発行日: 2001/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    ネブライザー療法は, 薬剤を微粒子化させ, 経気道的に薬剤を投与する治療法で, 耳鼻咽喉科医に広く用いられている。ネブライザー療法で最も大きな課題は目的部位にいかに効率よくエアロゾル化された薬液を到達させるかであり, 慢性副鼻腔炎においては副鼻腔へのエアロゾル粒子の移行は重要な問題である。今回, 我々は3種類のエアロゾル発生装置 (ジェット式2種類, 超音波式1種類) を用い, 鼻副鼻腔モデルにおける上顎洞へのエアロゾルの沈着度, ならびに慢性副鼻腔炎患者に対するネブライザー療法の臨床的有効性を検討した。モデル実験では3機種とも副鼻腔 (上顎洞) への到達度に有意差は認められなかったが, 中ではコンプレッサーA型の沈着度が最も高かった。臨床実験でも3機種の間で有用性に有意差は認められなかった。
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