耳鼻咽喉科展望
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45 巻 , Supplement1 号
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  • 高橋 尚子, 石塚 洋一, 平石 光俊, 木田 あや子
    2002 年 45 巻 Supplement1 号 p. 5-7
    発行日: 2002/08/15
    公開日: 2011/08/16
    ジャーナル フリー
    扁桃摘出後の痺痛緩和にアロマオイル吸入の有用性について検討した。アロマオイルはティートリーとペパーミントを用い, ジェット型ネブライザーで1日2回吸入を行った。術後2日目の痛みのスケールは, アロマオイル使用群が, 非使用群に比較し有意に低かった。鎮痛薬の総使用回数は, アロマオイル使用群が非使用群に比較し有意に少なかった。扁桃摘出後の痺痛緩和に, アロマオイル吸入は有用であると考えられた。
  • 西澤 芳男, 西澤 恭子, 永野 富美代, 吉岡 二三, 後藤グレイシイ 広恵, 竹村 光一, 谷垣 由美子, 伏木 信次
    2002 年 45 巻 Supplement1 号 p. 8-15
    発行日: 2002/08/15
    公開日: 2011/08/16
    ジャーナル フリー
    ベクロメタゾン (BDI) 中等用量 (800μg/ml) 使用により症状の安定した気管支喘息 (BA) 患者に対し, ベクロメタゾン使用量半減時, 柴朴湯 (CPT) とクロモグリセート (DSCG) 吸入療法を無作為に振り分け代替薬剤効果を比較検討した (柴朴湯 : 500μg×4回/日, クロモグリセート : 20mg×4回/日) 。呼吸機能, 気管支喘息自覚症状, β2-刺激剤頓用使用回数上, 柴朴湯群はクロモグリセート群に比較し有意な代替効果を示した。副作用出現症例数は両群間で有意差を認めなかった。本結果は柴朴湯吸入療法では気道病変部で実験系と同等濃度の柴朴湯局所濃度がえられた結果, 柴朴湯が実験系で示す多様な抗気管支喘息薬理効果が気道病変局所で十分発現されたためと考えられた。また, 柴朴湯にはクロモグリセートにない薬理効果, クロモグリセートより強力な薬理効果があることが本結果に到る理由と考えられた。以上からベクロメタゾン半減時代替薬剤として柴朴湯吸入療法は有効・有用な手段であることが示唆された。
  • 間島 雄一
    2002 年 45 巻 Supplement1 号 p. 16
    発行日: 2002/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • エアロゾル療法 (セブメノキシム+ステロイド剤) vs経口消炎酵素剤投与
    鈴木 賢二
    2002 年 45 巻 Supplement1 号 p. 17-20
    発行日: 2002/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    本邦耳鼻咽喉科の臨床で広く用いられているネブライザー療法は, 痺痛なしに複数の洞に同時に薬液を到達させることができ, 安全かつ簡便で有用な治療法であると考えられるが, その有用性に関するエビデンスの報告は乏しい。今回我々は関連施設の協力を得て, セブメノキシム (CMX) ネブライザー単独投与と経口消炎酵素剤単独投与での多施設共同無作為2群問比較試験を施行し, その有用性に関して興味ある成績が得られたので報告した。エアロゾル群18例と経口消炎酵素剤群15例において, それぞれの臨床的有効率は, エアロゾル群では77.8%, 経口消炎酵素剤群では26.7%とCumulative chisquare testでは危険率0.01以下で統計学的有意差を示した。
  • 竹野 幸夫, 夜陣 紘治, 小村 良
    2002 年 45 巻 Supplement1 号 p. 21-25
    発行日: 2002/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    鼻腔ネブライザー療法の慢性副鼻腔炎に対する有効性に関して, 無処置症例をコントロールとした無作為割付による比較対照試験を行った。特に本療法が副鼻腔陰影に及ぼす改善効果について, 加療前後における冠状断CT画像の変化を客観的評価が可能なCTスコア法にて検討した。加療前後におけるCTスコアの変化はネブライザー群で7→5点, 無処置群で8→7.5点であり, 前者の改善は有意なものであった。スコアの改善度を副鼻腔各洞ごとに比較したところ前箭骨蜂巣が最も高く, 上顎洞, 後節骨洞, OMCの順であった。一方, 副鼻腔陰影の重症度と改善効果との間には有意な関係は存在しなかった。このように, 鼻処置を併用したネブライザー療法を行うことは, まず中鼻道から前鯖骨蜂巣を中心とした領域が改善することにより, 二次的に他の副鼻腔への薬剤粒子の到達が容易となる効果が期待できるものと思われる。
  • 木村 有一, 山田 武千代, 藤枝 重治, 森 繁人, 斎藤 等, 須藤 正治, 松本 順雄, 田中 信之, 小嶋 章弘, 青木 佐知子, ...
    2002 年 45 巻 Supplement1 号 p. 26-30
    発行日: 2002/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    急性及び慢性副鼻腔炎の主体は, 副鼻腔自然口からの膿汁排出困難や換気不全状態であるため, 副鼻腔自然口開放処置は, 非常に重要である。そこで今回われわれは, ネブライザー療法における副鼻腔自然口開放処置の有効性について検討した。急性・慢性副鼻腔炎を対象とし, 日本耳鼻咽喉科学会福井県地方部会に属する18施設で, 耳鼻咽喉科専門医が統一されたケースカードを使用し, 共同で調査検討した。封筒法で交互に, 処置あり群 (A), 処置なし群 (B) の2群に分類し, ネブライザー療法を併用した。治療効果の評価は, 治療前後の副鼻腔単純レントゲン撮影 (2方向) を行い, 上顎洞陰影のデンシト・メーターによる画像陰影度の測定, 自覚症状に対するアンケートにて行った。その結果, 鼻汁 (鼻漏) の変化, 鼻閉感 (鼻のつまった感じ) の改善, 治療全体の評価, 治療前後の画像所見において, いずれも副鼻腔自然口開放処置あり群は副鼻腔自然口開放処置なし群に比べ有意に改善が認められた。
  • 竹内 万彦, 西城 隆一郎, 石永 一, 間島 雄一
    2002 年 45 巻 Supplement1 号 p. 31-35
    発行日: 2002/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    副鼻腔炎に対するエアロゾル療法では, 抗生剤とステロイド剤が用いられるが, これらの薬剤がどの程度副鼻腔に到達しているかを調べた報告は少ない。また, ステロイド剤としてデキサメタゾンを用いることが多いが, これが副鼻腔炎の病態にいかなる機序で作用しているかについても不明な点が多い。そこで, 鼻内副鼻腔手術後患者の鼻・副鼻腔への薬物到達量を超音波ネブライザーおよびジェットネブライザーを用いて比較検討した。その結果, 下甲介前端, 上顎洞内, 後部節骨洞の順に高い薬物濃度を示した。また, 慢性副鼻腔炎患者の鼻茸からえた上皮細胞を培養し。デキサメタゾンが粘液の糖蛋白の主要成分であるムチンの遺伝子発現にいかなる影響を及ぼすかを調べた。デキサメタゾン10-7Mを投与し, 16時間後にリポポリサッカライド (LPS) を投与し, 8時間後に細胞を回収した。RT-PCRでムチン遺伝子のmRNAを増幅した。デキサメタゾンはリポポリサッカライド (LPS) によるMUC8の発現の充進を抑制した。以上より, 鼻粘膜に何らかの粘液産生刺激物質が作用し粘液産生が充進する際, ステロイドはこれを抑制するものと思われた。
  • 春名 眞一
    2002 年 45 巻 Supplement1 号 p. 36-40
    発行日: 2002/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    内視鏡下副鼻腔手術後に消炎酵素剤 (ダービン®) 10mgを朝・夕内服させ, ネブライザー療法 (塩酸セブメノキシム, リン酸デキサメタゾンナトリウム) を1日1回, 1ヵ月間施行したネブライザー群16例28側と消炎酵素剤のみの非ネブライザー群15例23側とで病的副鼻腔粘膜の改善程度を比較した。篩骨洞粘膜の内視鏡所見での改善程度には両群で有意差が認められ, ネブライザー療法の有用性が示唆された。しかし上顎洞粘膜所見では両群に有意差はなく, その理由として飾骨洞粘膜と上顎洞粘膜との治癒期間の差によるものと考えられた。両群での術後の種々の鼻症状の改善効果には有意差は認められなかった。しかし鼻腔乾燥感の有無をアンケートしたところ, ネブライザー群では有意に鼻腔の湿潤感を感じられ, ネブライザー薬液作用とともに治癒過程に効力を発揮していると考えられた。
  • 藤原 啓次, 島田 純, 山中 昇
    2002 年 45 巻 Supplement1 号 p. 41-45
    発行日: 2002/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    ネブライザー療法の有効性について, コントロールをふまえた評価を日本化学療法学会の新規抗微生物薬の臨床試験実施計画書に基づき臨床試験を行った。対象は急性鼻副鼻腔炎に罹患した小児51例である。鼻副鼻腔検出菌では鼻ネブライザー後に細菌学的に効果を認めたのは12例 (50%) であり, x2検定で有意差を認めた。鼻ネブライザー非施行では6例 (50%) で細菌学的に増悪を認めた。最終効果判定基準にて検討すると, 鼻ネブライザー施行では治癒例が17例 (68%), 非治癒例7例 (28%) と高い治療効果を認めた。この判定においてネブライザーの最終効果判定が68%という値は小児副鼻腔炎の難治性を考えると高い値である。以上から小児副鼻腔炎に対する塩酸セブメノキシム (CMX, ベストロン®) ネブライザー療法の有効性が認められた。
  • 西部 義久, 永野 篤弘, 上嶋 康秀
    2002 年 45 巻 Supplement1 号 p. 46-49
    発行日: 2002/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    点鼻製剤は, 鼻腔局所で作用する薬物のみならず, 全身作用を目的とする薬物においても, 経口・注射に代わる投与経路として期待されている。しかしながら, 線毛運動等のクリアランス機構によって, 製剤の鼻腔内滞留時間は制限を受け, より効率的なデリバリー達成のためには薬物浸透性の向上が必要とされる。薬物浸透性を向上させる方法として, 吸収促進剤の添加, 粘膜付着性高分子の添加さらには粉剤化などが報告されている。
    今回, これらに代わる新規な薬物浸透性改善法を検討した結果, 懸濁製剤の浸透圧を低く調整することにより, 薬物浸透性が劇的に向上することを見出した。ウサギを用いたフルオレセイン経鼻吸収試験において懸濁製剤の低浸透圧化によりフルオレセインの生物学的利用率が顕著に向上した。
    懸濁製剤の低浸透圧化による薬物浸透性向上は, 吸収促進剤を一切使用しない, 安全な新規点鼻製剤技術としてその有用性が期待される。
  • サーモグラフによる解析
    平石 光俊, 石塚 洋一, 鈴木 篤, 融 太郎, 大石 英治, 宮地 哲也, 工藤 雄司, 謝 宗安
    2002 年 45 巻 Supplement1 号 p. 50-54
    発行日: 2002/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    ネブライザー療法は日常臨床的で広く使用されている治療法であるが, エアロゾルミストの鼻副鼻腔への到達については否定的な意見もみられた。そこで今回, ネブライザーから噴霧されるエアロゾルミストの鼻副鼻腔内における分布状況を, サーモグラフを用いて温度変化を測定することで定性的に評価した。
    温度を持たせたエアロゾルミストを各種ネブライザーから噴霧したとき, 鼻腔および副鼻腔部分の温度上昇・低下が確認された。塩酸ナファゾリン含有溶液を噴霧したとき, 鼻腔部分の温度が低下したことが確認された。サーモグラフにより, ネブライザーからのエアロゾルミスト噴霧状況はある程度評価できるものと考えられた。本実験によりネブライザーから噴霧されたエアロゾルミストは鼻腔や副鼻腔に到達していることが示唆された。
  • 吉山 友二, 山本 恵子, 矢崎 知子, 菅家 甫子
    2002 年 45 巻 Supplement1 号 p. 55-58
    発行日: 2002/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    ネブライザー療法は, 病変部位に薬剤が直接到達して効果を発現するという観点で理想的であり, 繁用されている。テイコプラニンはMRSA感染対策に有用な薬剤であるが, 噴霧不可能という未検証の情報のため, ネブライザー吸入療法は行われていない。本研究は, グリコペプチド系抗生物質のテイコプラニンのネブライザー療法を目的として, 薬剤特性の表面張力と超音波ネブライザー使用時における薬剤噴霧効率を比較検討した。
    テイコプラニン試験液は, 従来型の超音波式ネブライザーで噴霧ができず, 高濃度ほど表面張力は減少した。新型の超音波ネブライザーにより薬剤噴霧効率97%で噴霧され, 薬剤安定性も保持された。従来からの超音波式ネブライザーで噴霧困難な原因として, 表面張力が影響することが示唆された。一方, コンプレッサー式ネブライザーでは噴霧されるものの, 噴霧効率70%以下で, 薬液層に残存薬を多く認めた。新規に開発された超音波ネブライザーでは, テイコプラニンを噴霧することを可能とした。また, 噴霧効率も格段に向上していることが併せて明らかとなり, テイコプラニン吸入療法を実践する可能性が示唆された。抗生物質の吸入療法を漫然と実施することなく, 吸入療法が必要とされる患者に新たな選択肢として活用することの意義は大きいことを強調したい。
  • 吉山 友二, 矢崎 知子, 菅家 甫子, 荒井 真人, 朝井 慶, 寺田 隆雄
    2002 年 45 巻 Supplement1 号 p. 59-63
    発行日: 2002/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    ネブライザー専用の薬剤である塩酸セブメノキシムを試験薬剤として, 新型ネブライザー療法における薬剤安定性及び噴霧特性について比較検討した。塩酸セブメノキシムは新型超音波式ネブライザー (オムロンU-22) により, ほぼ100%の薬剤噴霧率を示し, フィルターや薬液槽, 振動子等にわずかに付着残存するのみであった。一方, コンプレッサーネブライザーは新型超音波ネブライザーに比べ, 薬液槽への薬物残存量が多く, 薬剤噴霧率が低下した。また, 噴霧薬剤の粒子径は, 新型超音波ネブライザーではコンプレッサー式に比べて, より均一で微細であることが明らかとなった。塩酸セブメノキシムは新型超音波ネブライザーに対して安定であり, 治療上有効な薬剤であることが示唆された。総じて, 塩酸セブメノキシムのネブライザー療法は大変有用で, 利便性 (ポケットサイズ, 消音, 高性能など) が向上した新型超音波ネブライザーの登場と相侯って, 多くの患者に福音をもたらすことを強調したい。
  • 宮田 昌, 内藤 健晴, 間宮 淑子
    2002 年 45 巻 Supplement1 号 p. 64-69
    発行日: 2002/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    温熱エアロゾル鼻吸入療法のアレルギー性鼻炎に対する臨床的有効性について検討し, また局所温熱刺激に対する鼻粘膜の反応性について検討した。通年性アレルギー性鼻炎患者27例に10分間の温熱療法を1日2回, 1週間連日で施行することにより, 中等度以上の改善を示したのは, くしゃみ42.8%, 鼻汁20.8%, 鼻閉52.2%, 日常生活の支障度38.1%であり, 鼻閉とくしゃみで有意差を認めた。鼻局所温熱単回刺激 (10分間) においては, 健常者では, 吸入前後で総鼻腔抵抗値に有意な変化を認めなかったが, アレルギー性鼻炎患者では, 吸入刺激15分後をピークとして吸呼気ともに総鼻腔抵抗値の有意な上昇を認め, アレルギー性鼻炎患者と健常者では, 局所温熱刺激に対して鼻粘膜の反応性が異なった。
  • 宮田 昌, 内藤 健晴, 間宮 淑子
    2002 年 45 巻 Supplement1 号 p. 70-75
    発行日: 2002/08/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    温熱エアロゾル鼻吸入療法の作用機序解明の目的で, 本療法を1日2回1週問連日で施行した治療群と未治療群に対し, 抗原及びヒスタミンにて鼻粘膜刺激を行い, 鼻腔通気度について検討した。ヒスタミン刺激についてはくしゃみ回数についても検討した。本療法により鼻粘膜抗原刺激による即時相, 遅発相での鼻腔抵抗値上昇が有意に抑制された。また治療群では鼻粘膜ヒスタミン刺激による即時相に相当する時期での鼻腔抵抗値上昇とくしゃみ回数が有意に抑制された。このことから鼻局所温熱療法の作用機序の一つとして抗原刺激による鼻粘膜肥満細胞からの即時相, 遅発相ともに関与する化学伝達物質の遊離または産生抑制効果と鼻粘膜の非特異的過敏性充進の抑制効果が推察された。
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