耳鼻咽喉科展望
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46 巻, 6 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 口蓋の疾患 (X)
    西山 茂夫
    2003 年 46 巻 6 号 p. 462-463
    発行日: 2003/12/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 丹生 健一
    2003 年 46 巻 6 号 p. 464-471
    発行日: 2003/12/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    近年の脳神経外科・再建外科の進歩に伴い, 頭蓋底に進展した頭頸部腫瘍を頭蓋内・頭蓋外両方からのアプローチを用いて, 一塊に切除する頭蓋底外科が本邦においても急速に普及してきた。しかしながら, 中耳や外耳道に発生した悪性腫瘍を一塊として切除する側頭骨亜全摘は, 同部に発生する悪性腫瘍が稀なこともあり, 行われる施設は未だに少ない。本稿では, 現在, 著者が行っている側頭骨亜全摘について, 術前の準備から術後管理まで, その実際を解説する。
  • 春名 眞一, 吉川 衛, 鴻 信義, 森山 寛
    2003 年 46 巻 6 号 p. 472-480
    発行日: 2003/12/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    好酸球性副鼻腔炎と好酸球性中耳炎を合併した症例と好酸球性中耳炎を合併しない好酸球性副鼻腔炎症例における臨床経過を比較し, 両者の関連性および内視鏡下副鼻腔手術後の中耳病変の推移について検討した。対象は好酸球性副鼻腔炎175例であり, その内, 好酸球性中耳炎の合併は19例34耳 (10.8%) で, 両側耳に病変を呈したものが約3/4を占めた。CT画像, 内視鏡所見, 非特異的総IgE値 (RIST法), 抗原特異的IgE値, 血中および中鼻道粘膜表層ECP濃度を比較したが, 好酸球性中耳炎合併群と非合併群との問には明らかな差は認められなかった。したがって好酸球性副鼻腔炎の重症度と好酸球性中耳炎発症との関連性は認められなかった。内視鏡下鼻内副鼻腔手術後4ヵ月の時点では, 副鼻腔粘膜の改善と平行して中耳粘膜と耳管機能も改善するなど, 副鼻腔所見を良好に保つことで好酸球性中耳炎の病態の改善に有効性が示された。しかし, 術後1年以上経過すると, 節骨洞粘膜の不良化を認める症例においては粘稠性耳漏が出現し, 耳管機能は不良化する傾向にあった。これらの結果から長期的に好酸球性中耳炎をコントロールするためには, 好酸球性副鼻腔炎が不良化した場合に, 副鼻腔病変を良好に保つ局所治療を繰り返すことが重要と考えられた。
  • 井上 真規, 大石 公直, 佃 守
    2003 年 46 巻 6 号 p. 481-484
    発行日: 2003/12/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    Wallenberg症候群は延髄梗塞のうち延髄外側部が障害されておこる症候群で約半数に嚥下障害が出現する。今回われわれはWallenberg症候群による嚥下障害に対して輪状咽頭筋切断術を施行後も誤嚥性肺炎を繰り返し, 胃痩造設を要した症例を経験したので報告する。症例は75歳男性で, めまい, 嚥下障害を主訴に当院神経内科を受診しWallenberg症候群と診断された。VTR咽頭食道透視検査にて食道入口部開大不全を認めたため, 両側輪状咽頭筋切断術を施行した。術後のVTR咽頭食道透視検査では良好な食道入口部開大が確認できた。しかし術後も誤嚥性肺炎を繰り返し胃痩を造設した。延髄外側部には, 輪状咽頭筋などの咽頭収縮筋の支配神経である迷走神経運動核や舌咽神経核が存在する疑核があるが, この疑核に限らず, 孤束核や小細胞性網様体などの嚥下関連ニューロンも多数存在し, 嚥下のパターン形成を演出している。すなわちWallenberg症候群における延髄の障害部位は症例によって様々であり, 障害部位によっては輪状咽頭筋切断術だけでは十分な効果が期待できない症例もあると考えられた。
  • 須田 稔士, 三戸部 慈実, 力武 正浩, 重田 泰史, 歌橋 弘哉, 石井 正則
    2003 年 46 巻 6 号 p. 485-489
    発行日: 2003/12/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    症例は, 92歳の女性で, 視力障害と差明を主訴として来院し, 髄膜腫の再発と診断された貴重な1例を経験した。画像診断にて前頭蓋底の骨欠損を伴い, 鼻副鼻腔内に広汎に進展した巨大腫瘍を認め, 病理学的組織検査と減量手術を目的に, 局所麻酔下で鼻内内視鏡手術を行った。その後, 病理組織所見から腫瘍は髄膜腫であると判明した。嗅神経由来の髄膜腫手術の既往歴があることから, この前頭蓋底部髄膜腫が再発し, 前頭蓋底骨の破壊とともに鼻副鼻腔内に進展し, 視神経管を介して視神経を圧迫するに至り, 視力障害を来したと考察した。
  • 北村 剛一, 荒木 進, 山口 太郎, 鈴木 衛
    2003 年 46 巻 6 号 p. 490-495
    発行日: 2003/12/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    減感作療法はアレルギー疾患の治療として広く普及し, アレルギー性鼻炎に対して効果的であるといわれている。今回我々は, 当科における通年性アレルギー性鼻炎及び花粉症に対する減感作療法の効果につき検討した。症例はハウスダスト・スギ・カモガヤを抗原とした治療継続中の31症例である。ハウスダストの平均施行期間は2年10ヵ月, 花粉症は2年1ヵ月であった。鼻症状改善度はハウスダストでは80%以上であった。花粉症では翌シーズンには60%以上であり, 季節を重ねるごとに効果は増した。減感作療法は長期間を要するが臨床的に効果的である。
  • 津田 豪太
    2003 年 46 巻 6 号 p. 496-501
    発行日: 2003/12/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    我々は地方都市の急性期病院で嚥下障害症例に対しチーム医療で対応してきている。特に耳鼻咽喉科として内視鏡検査や造影検査を用いた診断の場面および難治症例への手術的治療の場面で積極的に関与し, さらにリハビリテーションプランの作成やゴール設定の場面でもリーダーとして種々の医療職種と連携し参加している。今回は, その現状と工夫, そして耳鼻咽喉科医が果たすべき役割分担について報告する。
  • 成田 賢一, 尾尻 博也, 多田 信平
    2003 年 46 巻 6 号 p. 502-505
    発行日: 2003/12/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 深在性抗真菌薬
    北村 正樹
    2003 年 46 巻 6 号 p. 506-508
    発行日: 2003/12/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
  • 実地臨床の場からの検討
    榎本 雅夫, 池田 昌生, 坂口 幸作, 垣内 弘, 加藤 寛, 中西 弘, 藤木 嘉明, 榎本 多津子, 池田 浩己, 嶽 良博
    2003 年 46 巻 6 号 p. 509-517
    発行日: 2003/12/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    和歌山県において2003年のスギ花粉飛散のピークと想定された2月24日から3月8日の期間に,当センター関連施設の8診療所を受診したスギ花粉症患者を対象に,初期療法に関するアンケート調査を実施した。そのデータから,初期療法薬としてロラタジンが使用されていた症例を抽出して,初期療法におけるロラタジンの有効性を検討した。初期療法としてロラタジンが単独投与されていた症例は21例であった。調査時点までに一切の治療を受けていないと判定される非投与群143例を対照に検討した。同時に,初期療法薬として他の第二世代抗ヒスタミン薬が単独使用されていた症例66例とも対比した。前年の症状と比べた2003年度の全般的な患者の評価を4段階で判定したところ,ロラタジン群では非投与群に比べて症状が昨年よりも軽いと感じる症例が有意に多かった。また,他の第二世代抗ヒスタミン薬が初期療法として使用されていた症例に比べても同レベル以上の症状改善効果が認められた。これらの結果から,スギ花粉症に対する初期療法薬として,ロラタジンの有効性が確認された。
  • 小島 博己, 波多野 篤, 小森 敦史
    2003 年 46 巻 6 号 p. 518-527
    発行日: 2003/12/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    スギ花粉症患者の初期治療において臨床効果が高いことを特長とするオロパタジンを用いて花粉大量飛散時期の症状抑制および併用薬剤減量に及ぼす効果について, 眠気が少ないことを特長とするフェキソフェナジン, エピナスチンを対照薬として比較検討を行った。その結果オロパタジン投与群ではフェキソフェナジン・エピナスチン投与群と比較し, 飛散最盛期の鼻汁, 鼻閉, 日常生活の支障が有意 (P<0.05, Mann-Whitney U検定) に低下した。また, 治療に要した薬剤費が有意 (P<0ゆ5, Mann-Whit-ney U検定) に低下し, d-マレイン酸クロルフェニラミン, ベタメタゾン合剤 (セレスタミンR) の使用量は約2割となった。
    このことから, 臨床効果が高い第2世代抗ヒスタミン薬による初期治療は飛散最盛期の鼻症状をより強く抑制し, 併用薬剤の使用量を減少させ, 薬剤費を低下させる可能性が示唆された。
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